キュートなドーナツの開発スタッフはたったの2名!「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が支持されるワケ

2022年11月17日

2006年12月の日本初上陸時は連日行列ができ、購入すること自体ままならないこともあった「クリスピー・クリーム・ドーナツ」。昨年から今年にかけては、「日本上陸15周年イヤー」としてさまざまなキャンペーンや限定グッズなどを展開している。

そんなクリスピー・クリーム・ドーナツだが、現在は日常のおやつや手土産の定番となり、いつでも食べられるように。今でも店頭にはシンプルな味わいとキュートなビジュアルが魅力のドーナツが並ぶが、果たして人気の理由はなんだったのだろうか。

今回はクリスピー・クリーム・ドーナツの魅力を再確認すべく、東京・有楽町にあるクリスピー・クリーム・ドーナツ 東京国際フォーラム店を訪れ、同社マーケティング部の高橋海月さんに話を聞いた。

2006年の日本上陸以来大人気のクリスピー・クリーム・ドーナツ


“匂い”と“口コミ”をきっかけに世界的人気を獲得!

クリスピー・クリーム・ドーナツは、1937年にアメリカ・ノースカロライナ州で誕生したドーナツチェーン。もともとは地元の食料品店へ卸売をするお店からスタートしたという。

創業者のヴァーノン・ルドルフは、当初は簡易的な工場でドーナツを作って食料品店への卸売をしていたようだが、やがてその人気は卸先の食料品店だけで収まりきらなくなり、工場を改装して自前の店を立ち上げたというエピソードがある。

「当初、ヴァーノンは簡易的な工場でドーナツを作っていましたが、その匂いに誘われて多くの人たちがヴァーノンの工場に『売ってくれないか』と訪ねてきたようです。そこでヴァーノンは工場の壁に穴を開けて直接ドーナツを販売できるようにし、小売りの店を始めました。そこから口コミで人気が広がり、店舗数が増え、今では日本を含む世界31カ国で販売されるようになりました」

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社 マーケティング部の高橋海月さん


レシピを知っているのは世界で数人だけ?

クリスピー・クリーム・ドーナツにはさまざまなフレーバーのドーナツがあるが、いずれの生地もほかのドーナツブランドと一線を画す味わいで、これが人気の最たるところだと思う。高橋さんによれば、この生地にも秘密があるという。

「日本のクリスピー・クリーム・ドーナツには主に3つの生地のドーナツがあり、1つはふわふわ食感のイースト生地のもの、2つ目がしっとりした食感のケーキ生地のもの、3つ目が日本で開発したもちっと食感のムチモチ生地です。1番人気の『オリジナル・グレーズド(R)』というドーナツはイースト生地を使ったものですが、実はこのレシピ、世界中のクリスピー・クリーム・ドーナツでも詳細を知っているのは数人だけなんです。もちろん日本の社長も知りません。本当にトップシークレットなので、このおいしい食感の秘密を教えることができないのですが、創業から変わらない秘伝のレシピを85年以上守り抜いています」

レシピを知っているのは世界で数人だけ?守り抜かれた味「オリジナル・グレーズド(R)」


基本となるイースト生地を使ったレシピを守りながら、これをベースとし、各国のクリスピー・クリーム・ドーナツではオリジナル商品を展開している。日本でも期間限定プロモーションを年間7回ほど行い、1プロモーションにつき2~3商品を限定販売。さらに地域限定ドーナツなどもあり、トータルでは年間30種以上にも及ぶ新たなドーナツが登場しているようだが、なんとこれらはたった2名のスタッフによって開発されているという。

「商品部にいる2人の女性が開発しているのですが、商品化したのが30種だったとしても、試作から商品化に至らなかったドーナツも含めると年間何百ものドーナツを少数精鋭で作っていることになりますね」

限定販売されている「ミニオン」とのコラボ商品や、11月25日(金)からスタートするホリデーシーズンのドーナツも2名の開発者によるもの※2022年11月時点


“できたて”に出合えるドーナツマシン設置店舗も

このように日々試行錯誤して作られているクリスピー・クリーム・ドーナツだが、原則、毎日工場で手作りされたものが各店に納品されているそうだ。しかし東京国際フォーラム店、渋谷シネタワー店、船橋ららぽーと TOKYO-BAY店の3店舗にはお店のなかにドーナツマシンが設置されており、マシンの稼働中はその場でできたてのドーナツを食べることができる。

まさに前述のクリスピー・クリーム・ドーナツ創業時のドーナツ工場の雰囲気を再現しているようにも思うが、常時できたてを食べられるわけではない。できたてを食べられる時間帯には、あるヒントがあるという。

「ドーナツマシンの設置店舗は、製造の様子を見て楽しんでいただけるよう、ドーナツシアターを設えたライブ感あふれる店舗となっています。午後3時から夕方6時くらいの“おやつ時間”を目処にドーナツ製造をしていることが多く、製造中は“できたての温かいドーナツ”をお楽しみいただけます。お店の外からも製造中であることが分かるよう、電飾看板の“HOT LIGHT”(ホットライト)を点灯することで、できたてが食べられる合図としているんです」※ドーナツ製造時間は予告なく変更となる場合あり

東京国際フォーラム店の店内にあるドーナツマシン

ドーナツ製造中はこの電飾看板「HOT LIGHT」のなかの“HOT NOW”部分が光る仕組みに


さらに、一部店舗(東京国際フォーラム店、渋谷シネタワー店、有楽町イトシア店)では甘いドーナツだけでなく、甘じょっぱいドーナツバーガーも販売しているんだとか。

「甘い『オリジナル・グレーズド(R)』をバンズに見立てて、なかにチーズやミートソース、マカロニを入れた甘味と塩味が絶妙なバランスのドーナツバーガーです。ぜひ一度お試しいただきたいですね」

「オリジナル・グレーズド(R)」に挟まれたミートソースが美味のバーガー「スロッピージョー」(イートイン/638円)


  1. 1
  2. 2

ウォーカープラス編集部 Twitter