もともとキャンプ場として利用はできたものの、トイレは汲み取り式、シャワーを含め入浴施設はなし、炊事棟のお湯が出ないなど、ビギナーや小さな子ども連れがキャンプをするにはハードルが高かった佐賀市富士町にある「北山キャンプ場」。天神・博多といった福岡市中心部から車で1時間ほどとアクセスしやすい立地のよさはあるものの、「設備の古さがネックとなり、利用者が限られていました」と施設担当者。一方でキャンパーの間でよく知られていたのは利用料が無料なことだが、有料化してもキャンプ初心者から玄人まで幅広く利用できる施設を目指そうと2023年10月のリニューアルオープンに至った。約6.5億円をかけて高規格なフィールドに生まれ変わった「北山キャンプ場」とはどんな施設なのか、徹底解剖する。
選べるA、B、C、D、Eエリア
キャンプ場内は場所ごとにA、B、C、D、Eの5つのエリアに分かれており、各エリアにオートサイトや一般サイト、電源付き、ペット可などが混在している。区画数は全79区画。どんな環境なのかAエリアから順番に見ていこう。
Aエリア
こちらがAエリア。写真手前からA-15〜A-8となっており、奥に見える茶色の建物がサニタリー棟。さらに奥にA-1〜A-7が整備されている。こちらはすべてオートサイトになっており、基本各サイト車1台を横付けできる。A-1〜A-7は地面が土、A-8〜A-15は芝生かつ電源付きなのが特徴だ。
Bエリア
次はBエリア。木々の間に区画を設けたレイアウトで、いわゆるブッシュサイトのような雰囲気。こちらはB-1〜B-10があり、すべて一般サイトになっている。電源なし、ペット同伴も不可だ。Aサイトなどと比べると少し奥まった場所にあるので、静かな環境を求める人におすすめ。
Cエリア
C1〜C18 のすべてがペット同伴OKのCエリア。C1〜C7はオートサイトで電源付き、C8〜C13は電源なしのオートサイト。C14〜C18は一般サイトになっているが、サイトの近くに車を停めることができるのは便利。緩やかな傾斜地になっており、奥に進むほど高台となる。
Dエリア
DエリアのD-1〜D-8はすべてウッドテラス付き。3メートル×5メートルの広さのウッドテラスに土のスペースが隣接するレイアウトになっている。ウッドテラスでも設営できるテントならよいが、地面にペグを打つ必要がある場合、テントを張れるスペースは狭くなる。ゆえにDエリアを利用するのはソロないし2人など少人数のキャンパーが多い。Dエリアは全サイト、ペット同伴OK。各サイトまでは階段を上るか、または坂道をリヤカーで上がる必要があるので、荷物は少ない方がおすすめだ。
階段をさらに上っていくとD-9〜D-17があり、こちらはペット同伴OKかつ、直火が可能なサイトとなる。ウッドテラス付きのサイトよりも土の面積が広いのでレイアウトの自由度は高い。ただしこちらも階段を上る、もしくは坂道をリヤカーで上がる必要があるので、荷物が多いとなかなか大変。
Eエリア
電源付きオートサイト、電源なしのオートサイト、車を横付けできない一般サイトの3種類が混在するEエリア。杉の木立の間にサイトが整備されているが、Aエリアに次いで開放感がある印象。オートサイトが大半なので、ファミリーキャンパーに人気がある。
なにより「北山キャンプ場」で便利なのがウェブ予約をする際、A〜Eエリアはもちろん、区画番号まで指定できる点。しかもそれがスマホでもサクッとできちゃうからうれしい。さらに「オートキャンプ」「電源あり」「ペット可」など条件選択でその日空いている区画が表示される仕様になっているのもポイントだ。
大きく変わったトイレや入浴施設
区画割りを現在のキャンプスタイルに合わせて一部変えたのに加え、サニタリー関係の設備を一新した。トイレは男女ともに洋式水洗、温水洗浄便座付きなのはもちろん、オムツ交換台付きの多目的トイレも完備。さらに今までなかったシャワー設備も新設した。
お湯が出る洗い場
サニタリー棟は全部で3棟あり、すべて蛇口からお湯が出る仕様。冬季の洗い物、油で汚れた調理器具などを洗う際に助かる。
レンタル充実で万が一忘れ物をしても安心
チェックインなどはセンターハウスにて行う。管理人が常駐しているのは8時30分〜17時30分。アウトドアチェア、ベンチ、タープ、テーブル、シュラフ、電源の延長ドラムなどレンタル品が充実しているので、万が一忘れ物をしたとしても安心。キャンプ場内は2023年12月現在、ソフトバンク、ドコモの電波が若干入りづらい。センターハウス周辺はソフトバンク、ドコモ、auすべて電波良好だった。
道がわかりづらいので注意
アクセスする際、「佐賀県立21世紀県民の森」を目指して来るのがセオリーだが、北山キャンプ場は「佐賀県立21世紀県民の森」と同じく北山湖畔にあるとはいえ、入口がまったく違う。福岡市方面から来た場合、下の写真の分岐を間違えないようにしよう。Google Mapで「北山キャンプ場」と検索してルート通りに来ると間違いがない。