小学生がオリジナル『ぷよぷよ』を自作!人気ゲームが題材のプログラミング講座に密着取材

2023年1月4日

株式会社セガは、東京都・多摩市立聖ヶ丘小学校の「プログラミングクラブ」にて、児童向けのプログラミング講座を3回に分けて実施。2022年12月12日には、その集大成として“完成品をお披露目する発表会”が行われた。

アクションパズルゲーム『ぷよぷよ』のソースコードを用いたプログラミング講座が開催


こちらの講座は、アクションパズルゲーム『ぷよぷよ』のソースコードを使って学ぶ教材『ぷよぷよプログラミング』を用いて、同校におけるクラブ活動を支援する取り組み。

『ぷよぷよプログラミング』の大元となっているプログラミング学習環境『Monaca Education』はクラウドサービスのため、教育現場での導入や運用が簡単。なおかつ、インターネット環境さえあれば、既存のPCやタブレットによる学習や指導も可能となっている(2020年6月の提供開始以来、登録者はすでに11万6000人を突破)。

セガではゲーム事業&『ぷよぷよ』eスポーツ展開を通じて培ったノウハウや資産を活用し、小学校、中学校、高等学校、大学でのプログラミング教育を支援する取り組みを積極的に展開。親しみやすいキャラクター・ぷよぷよをきっかけに“ゲーム開発の一端”に触れてもらうことで、小学校でも必修化された「プログラミング」について、クラブ活動の面からも支援していくことを目指しているという。

講座では、落下する「ぷよ」のデザインを変更する方法なども説明された


ちなみに、この度の聖ヶ丘小学校でのプログラミング講座は、『ぷよぷよ』シリーズのジャパン・eスポーツ・プロライセンスを保有し、システムエンジニアの経験もある“ぴぽにあ選手”が講師を務める形で行われることに。

【写真を見る】『ぷよぷよ』のeスポーツ・プロライセンスを持つ“ぴぽにあ選手”が講師を務めた


11月7日に実施された第1回では、ぴぽにあ選手がソースコードの入力により、プログラムが動く仕組みをレクチャー。ゲームフィールドの作成から、“ぷよ”を落とすなどのコーディングまでを、児童たちはソースコードを書き写す作業を通して実践した。

続いて11月14日に行われた第2回は、第1回のおさらいから始まり、ぷよを完成させ、その落下スピードや背景のぷよを変更する改変などを体験。また、改変する際の注意点として、著作権とネットリテラシーについての説明もなされた。

指導を受けながらプログラミングを行う児童


そうして12月12日に実施された第3回では、児童たちが自ら考えたテーマをもとにデザインしたぷよの画像を『ぷよぷよプログラミング』に取り込み、オリジナルの『ぷよぷよ』を作成。他の児童に向けて発表する展開に。独創的なアイデアのぷよが次々に紹介され、なかには講師陣を唸らせるような凝ったデザインの作品もあった。

自作の『ぷよぷよ』について説明をする児童


また講座の終盤には、ぴぽにあ選手と児童たちによる『ぷよぷよ』エキシビジョンマッチが開催され、こちらも大盛り上がりに。1対3の人数差かつ、ぴぽにあ選手には「ぷよを回転させない」などのハンデも付ける形で2試合が行われ、1勝1敗の大接戦となった。

全行程の終了後、プログラミング講座に対する感想を同小学校の山本勝敏校長に伺ったところ、以下の意見を聞かせてもらえた。

自作の『ぷよぷよ』について説明をする児童


「初めての試みでしたが、子供たちが楽しんで取り組んでいる姿が見られて、「やってよかったな」という思いです。授業でもプログラミングを取り入れた勉強はしているのですが、『ぷよぷよプログラミング』の場合は、組んだその場でぷよの動きが変わったり、色や落下するスピードも変化するので、プログラムがもたらす効果をリアルタイムで確認できるのがいいですね。そうやって反応がすぐに返ってくるところがおもしろいし、子供たちにとっては達成感が感じられるポイントなんだと思います」(山本勝敏校長)

また、いろいろ試しながらプログラムして、子供たち一人ひとりがオリジナルの『ぷよぷよ』を作り、実際にぷよを動かしてゲームを楽しめることも、授業で行うプログラミングとはひと味違ったおもしろさだと思います。

今回はクラブ活動としての展開でしたが、来年度以降もごいっしょさせていただいて、多くの子供たちにプログラミングの楽しさを体験できる機会を作っていきたいと考えております。(山本勝敏校長)

システムエンジニアの経験もある“ぴぽにあ選手”


続いてぴぽにあ選手にも、全3回の講義を終えた直後の率直な感想を聞いてみた。

「こちらの講義は『プログラミングの文法や知識が学べる』ものではありませんが、『プログラミングの楽しさを体験してもらう』という意味では、非常に意義のあるものだと考えています。今回も、児童の皆さんは楽しそうに取り組んでくれて。自分はこういうモノを作りたい、考えている通りにぷよを動かしたい、と一生懸命がんばって、そうして完成した作品については、自分の言葉でしっかりと話もしてくれたので、本当にごいっしょできてよかったなと思っています。

実際に提出された作品を見てみると、『そんな発想があったとは!』というユニークなモノが多くて驚かされました。こうして若いうちから想像力を鍛えて、柔軟な発想ができるようになるのはいいことなので、これをきっかけに、さらにプログラミングに興味を持ってもらえるとうれしいですね」(ぴぽにあ選手)

この度の聖ヶ丘小学校での講義に続き、セガでは2023年度も『ぷよぷよプログラミング』を用いたプログラミング講座を定期的に実施していく…とのこと。ここでプログラミングの楽しさを知った子供たちが、どのような道に進んでいくのか?という点にも意識を向けつつ、同プロジェクトの今後の展開に注目したい。

取材・文=ソムタム田井

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