2024年12月24日、サントリー株式会社は「国内酒類事業方針・ビール事業方針」を発表。
サントリーは、2025年4月13日(日)から開催される大阪・関西万博に参画しており、万博への取り組みの一環として、「再生農業」による大麦などを使ったビールを発売することが明かされた。

「水空エール」など環境にやさしい酒類が登場
大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に深く共感したサントリーは、持続可能な未来の構築に向け、環境負荷を軽減した商品開発を行ったそうだ。
そこで誕生したのが、再生農業(※)原料を使用したサントリー初のビール「水空(すいくう)エール」と、CO2削減びんを使用した日本ワイン「SUNTORY FROM FARM 登美の丘 赤 時のかさね」「SUNTORY FROM FARM 信州 シンフォニー 2023」。これらは、サントリーが万博会場に出店するレストラン「水空 SUIKUU」で提供される。
※土壌の健全性や生物多様性などを保護・改善しながら、農家の生活向上にも資する、成果ベースの農業アプローチのこと


「水空エール」は、再生農業原料(大麦・ホップ)を使用したサントリー初のビール。再生農業原料を使うことで、農業由来のGHG排出量の削減や土壌の肥沃化(ひよくか)、化学肥料や農薬の使用量削減、水の有効利用などの効果が期待されるのだとか。


日本ワイン「SUNTORY FROM FARM 登美の丘 赤 時のかさね」と「SUNTORY FROM FARM 信州 シンフォニー 2023」に使用されるびんは、ガラス生地を溶融する際の燃焼方式を空気燃焼から酸素燃焼に変更することで、CO2排出量を約13%削減(※)。環境にやさしいワインになっている。
※同一ガラスびん製造所内比

また、今回の万博をきっかけに、サントリーが販売する「赤玉スイートワイン」にも変化が。ラベルに“大阪生まれの赤玉”と記載し、大阪・関西万博のロゴマークと公式キャラクター「ミャクミャク」をデザインしたものが登場する。こちらは近畿エリアで2025年3月下旬以降順次、数量限定発売。


そして、万博来場者の意見を取り入れた商品開発を行うことも発表。会場内でベースとなる味のビールを販売し、飲んだ人に味や香りの改善点などを聞いて商品に反映させるというもので、その商品は2025年9月に「ワールドKANPAIビール」という名前で販売予定だ。

この「ワールドKANPAIビール」について、サントリー執行役員の田中嗣浩さんは「もともとお客様参加型の商品を開発したいという想いがありました。万博には日本の方だけでなく海外の方もいらっしゃると思うので、いろいろな嗜好をとらえていきたいです。新たなチャレンジですが、このモデルが成功すれば、今後はさまざまな形での展開も検討していきます」と意気込みを語った。

「水空エール」はさわやかで清々しい香りと心地よく、すっきりとした後味が特長だという。万博会場内のレストラン「水空 SUIKUU」で飲むのが今から楽しみだ。

新商品から参加型商品開発まで、大阪・関西万博を盛り上げるサントリーの酒類。会場に足を運んで楽しんでほしい。
取材・文=三浦あやか
写真=福羅広幸