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いよいよ2025年4月13日(日)に開幕が迫る「2025年日本国際博覧会」(通称:大阪・関西万博)。この大阪・関西万博の開催を前に、そこに参加する国や地域との相互理解や国際交流を通じて、地域の課題解決や活性化を図る取り組みを内閣官房が支援する「万博国際交流プログラム」が実施されている。
日本の参加自治体は、地域住民などと交流相手国の万博関係者や出身者との交流事業を通して、万博の理念や共通の課題等への理解を深めるための事前学習を行ってきた。そこで、この記事では「万博国際交流プログラム」を活用した自治体による、中南米各国との交流事業をレポート。今回は、富山県南砺市の取り組みを紹介する。
トリニダード・トバゴのアーティストによる技術指導と交流
2024年8月1日~12日に、スティールパン発祥の地であるトリニダード・トバゴの国内トップチーム「レネゲイズ・スティール・オーケストラ(以下「レネゲイズ」)から、リーダー及び若手演奏家2名の計3名を招請。スキヤキ・スティール・オーケストラ(以下「SSO」)と、気分はカリビアン(南砺市立福野小学校スティールパンクラブ)への演奏・作曲指導を実施。2団体の合同練習・演奏指導には60名以上が参加し、技術に磨きをかけた。また、レネゲイズのメンバーが地域の夏祭りに参加したり、世界遺産をはじめとする南砺市の歴史や文化に触れたりと、地域との交流も図った。


「SUKIYAKI MEETS THE WORLD2024」への出演・参加
8月23日~25日に南砺市で開催された「SUKIYAKI MEETS THE WORLD 2024(※)」では、SSOと気分はカリビアンによる合同演奏や、KURAGE BandとSSOの共演などで幕開け。期間中はパレードやステージで指導を受けた成果を発揮し、来場者を楽しませた。
※1991年より南砺市旧福野町で続く音楽フェスティバル。市民による企画運営が大きな特徴。コンサートやワークショップなどを通して、世界の「今」の音楽や文化を体験できる。SSOをはじめとする市民による文化芸術団体も多く誕生しており、2025年は8月22日~24日に開催予定。




KURAGE Band 世界の音楽協奏ワークショップ
2025年1月24日には大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーで音楽活動も行っている中島さち子さん率いるKURAGE Bandが、世界各国のさまざまな楽器とその国の文化について、福光中部小学校5年生と上平小学校全校生徒に紹介。トリニダード・トバゴのスティールパン、韓国のチャンゴ、セネガルの太鼓タマ、チベットの弦楽器ダニェンなど、さまざまな楽器を披露した。同ワークショップは、クイズ形式で生徒に考えさせたり、各楽器の演奏に合わせて歌ったり踊ったりするなどして、STEAM教育を意識した形で進められた。

これらの取り組みを通して、音楽による国際交流の場が広がり地域全体が活気づいたことに加え、市内のスティールパン奏者の技術も向上。そして、2025大阪・関西万博関連イベントでのスティールパン演奏や、南砺市伝統芸能(民謡)「こきりこ」の披露に道筋がつくなど、地域文化の発信にも大きく寄与することとなった。今後もこの交流を継続し、持続可能な文化活動として発展させることが期待されている。
万博期間中には、トリニダード・トバゴの音楽家とSSOを中心とした市民国際文化交流や、南砺市内の学校訪問を予定。また、大阪・関西万博の関連イベント等で「こきりこ」の披露も検討されている。
そして万博閉会後も引き続き、国際音楽フェスティバルとの連携、地元の関連企業や各種団体との連携(地域イベントの企画等)強化を図っていくという。
さまざまな国について、さらに知りたいと思ったら万博へ!
ここで紹介した以外にも、「万博国際交流プログラム」を活用して、中南米を含むさまざまな国との国際交流を実施した自治体は多数あり、各地でさまざまなイベントが行われた。「大阪・関西万博」は、2025年4月13日(日)〜10月13日(祝)の184日間で開催される。各国の多様な文化に興味を持ったならぜひ万博に足を運んで、さらなる理解を深めてみてはいかがだろうか?
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