【万博国際交流プログラムレポート/アフリカ編06】徳島県松茂町、大阪府和泉市、宮城県利府町とアフリカ各国の交流の様子

2025年3月19日

いよいよ2025年4月13日(日)に開幕が迫る「2025年日本国際博覧会」(通称:大阪・関西万博)。この大阪・関西万博の開催を前に、そこに参加する国や地域との相互理解や国際交流を通じて、地域の課題解決や活性化を図る取り組みを内閣官房が支援する「万博国際交流プログラム」が実施されている。

日本の参加自治体は、地域住民などと交流相手国の万博関係者や出身者との交流事業を通して、万博の理念や共通の課題等への理解を深めるための事前学習を行ってきた。そこで、この記事では「万博国際交流プログラム」を活用した自治体による、アフリカ各国との交流事業をレポート。今回は、徳島県松茂町、大阪府和泉市、宮城県利府町の取り組みを紹介する。

【徳島県松茂町✕ガーナ共和国】「マツシゲート学園祭『万博国際交流プロジェクト ガーナと交流』」

2024年11月2日、徳島県松茂町では、松茂町とガーナ共和国の文化、伝統、価値観の共有を促進するために「マツシゲート学園祭」を開催。駐日ガーナ大使の挨拶で開会し、松茂町の学生や在日ガーナ人親子など、総勢1080人が参加するビッグイベントとなった。


「ガーナ文化体験ワークショップ」には、アフリカ布を使ったくるみボタン作りのブースが出展。完成したカラフルなボタンをその場で髪に飾る子どもが多く見られ、会場は笑顔であふれた。また、電子廃材キーホルダー制作体験ブースでは、ガーナ共和国で増加する電子廃棄物を再活用するため、廃材にレジンを加えてキーホルダーを作成するアップサイクル体験を実施。ほかにも、ガーナ共和国に関するクイズを出題するブースなどもあり、子どもだけでなく、大人も一緒になって楽しんだ。


「ガーナ出身者の徳島県文化体験」では、人形浄瑠璃や藍染めを体験。ガーナ出身の人々が、徳島ならではの文化に触れる機会となった。さらに当日は駐日ガーナ大使館から提供されたカカオや布といったガーナ共和国の特産品のほか、ガイドブック、ペン、キーホルダーなどが展示された。

「マツシゲート学園祭」の開催を機に、町民のガーナ共和国に対する興味・関心が増したという松茂町。当日のイベントに参加した子どもたちのみならず、地域の企業や団体、大学とも連携し、今後の国際交流活動の基盤が築かれたという。「大阪・関西万博」では、2025年9月11日(木)の「ガーナ共和国ナショナルデー」でのコラボレーションなどを計画しているそうだ。


【大阪府和泉市✕セネガル共和国】市内小学校における万博・セネガル共和国にかかるワークショップ

大阪府和泉市では、2024年12月9日に「和泉市立池上小学校」で、12月10日に「和泉市立幸小学校」で、それぞれセネガル共和国に関するワークショップを開催。生徒、教員、万博関係者など、2日間合計で200人が参加した。


各小学校には、セネガル人メンバーを含む「KURAGE BAND」が訪問し、演奏会やセネガル共和国の音楽に関するワークショップを実施。子どもたちはセネガル共和国の音楽を聴いたり、実際にアフリカの太鼓を叩いてみたりと、身体を動かしながら楽しく外国の音楽や文化に触れている様子だった。


また、「steAm」代表で、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーを務める中島さち子さんの講演会も催された。ここでは、steAmが推進する「STEAM教育」や、「大阪・関西万博」と万博国際交流事業に関する話などがあった。イベントの最後には質疑応答や記念撮影が行われ、セネガル共和国の文化に触れた子どもたちは、「大阪・関西万博」にも興味を持ったようだった。


さらに12月8日には、中島さち子さん率いる「KURAGE BAND feat. SENEGAL」による単独音楽ライブや、「いずみ太鼓 皷聖泉(こせいせん)」とのコンサートも開催された。また関連イベントとして、大阪・関西万博ヘルスケアパビリオンにも出展している「一般社団法人 JDWA」の代表理事・ウォーキングインストラクターの山口マユウさんによるウォーキングセミナーも実施。同パビリオンで採用されているAI歩行解析の無料体験イベントも行われた。


「大阪・関西万博」会期中には、今回セネガル共和国について学んだ生徒たちが万博会場への来場を予定。会場では、中島さち子さんが手掛けるシグネチャーパビリオン「クラゲ館」の訪問や、いのちパークでの音楽交流イベント「World Life Band(仮)」に参加するそうだ。

万博閉会後は、和泉市内のスポーツ施設「総合スポーツセンター」にて、在日セネガル人を招待した市民とのサッカー交流イベントなどを計画中。以降も、市民と在日セネガル人が継続的に交流できることを目指していくそうだ。

【宮城県利府町✕ガーナ共和国】ガーナ共和国との文化・観光・産業・学生交流事業

宮城県利府町では、2025年2月17日~19日にガーナ共和国を訪問し、交流事業を実施。町民や子どもたちがガーナ共和国の文化に触れることにより、異文化に対する理解と認識を深め、相互の文化・産業・教育を学ぶ機会とした。


初日は、万博運営関係者と日本大使が、子どもたちを含めた「大阪・関西万博」での交流や、利府町とガーナ共和国の歴史、文化、教育などについて、意見交換を行った。今回の話し合いを経て、相互にどのような取り組みが出来るか再度検討し、オンラインで調整を続けていくこととした。


また同日に、ガーナ共和国に深い関わりがあり、黄熱病の研究に尽力した野口英世の「野口記念医学研究所」を視察。野口英世の研究内容や、ガーナと日本における研究の違いについて、日本へ留学した経験がある職員から講義を受けた。また、テマチョコレート工場も訪問し、ガーナの1次産業であるカカオ栽培や農業、チョコレートの製造、品質や輸出についても話を聞いた。


2月18日には、利府町視察団が「スエドゥル高校」を訪れた。スエドゥル高校の生徒たちは、ガーナの歴史、文化、音楽のほか、各民族に伝わる踊りを紹介。利府町視察団は、利府町について動画による解説を行ったほか、よさこいソーランを披露した。


最終日となった2月19日には、「スエドゥル高校」の生徒と利府町の中学生12人をオンラインでつなぎ、交流会を実施。互いの国の文化や教育、環境などを英語で話し、国際理解教育の充実感が得られたようだった。


万博会期中には、ガーナ共和国のパビリオンにて、相互の文化交流やSDGsの取り組みを紹介するなど、子どもたちとの交流事業を実施する予定。また、スエドゥル高校と利府町との間で、文化・芸術について学ぶオンラインワークショップを行うそうだ。さらに、利府町の子どもたちにガーナ共和国への理解を深めてもらうため、学校給食でガーナ料理またはアフリカ料理を提供するほか、町民向けにアフリカ料理教室を開催することも計画しているという。

さまざまな国について、さらに知りたいと思ったら万博へ!

ここで紹介した以外にも、「万博国際交流プログラム」を活用して、アフリカ諸国を含むさまざまな国との国際交流を実施した自治体は多数あり、各地でさまざまなイベントが行われた。「大阪・関西万博」は、2025年4月13日(日)〜10月13日(祝)の184日間で開催される。各国の多様な文化に興味を持ったならぜひ万博に足を運んで、さらなる理解を深めてみてはいかがだろうか?


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