【万博国際交流プログラムレポート/アフリカ編08】群馬県みなかみ町、徳島県上勝町とアフリカ各国の交流の様子

2025年3月19日

いよいよ2025年4月13日(日)に開幕が迫る「2025年日本国際博覧会」(通称:大阪・関西万博)。この大阪・関西万博の開催を前に、そこに参加する国や地域との相互理解や国際交流を通じて、地域の課題解決や活性化を図る取り組みを内閣官房が支援する「万博国際交流プログラム」が実施されている。

日本の参加自治体は、地域住民などと交流相手国の万博関係者や出身者との交流事業を通して、万博の理念や共通の課題等への理解を深めるための事前学習を行ってきた。そこで、この記事では「万博国際交流プログラム」を活用した自治体による、アフリカ各国との交流事業をレポート。今回は、群馬県みなかみ町、徳島県上勝町の取り組みを紹介する。

【群馬県みなかみ町✕コンゴ民主共和国】3×3をはじめとするスポーツ交流を核とした国際交流事業

群馬県みなかみ町では、バスケットボールの3×3をはじめとするスポーツ交流を核に、地域活性化と関係者人口の増加を目指して、コンゴ民主共和国との交流事業を行った。ここでは、この事業のキックオフイベントと、3×3選手による学校訪問についてレポートする。

国際交流キックオフイベント

2024年9月28日に行われた「みなかみ町生涯学習フェスティバル」にて、みなかみ町✕コンゴ民主共和国国際交流キックオフ、および3x3イベントを開催。「みなかみ町カルチャーセンター」(群馬県みなかみ町)で催されたこのイベントには、町民500人のほか、コンゴ民主共和国大使らが参加した。


コンゴ民主共和国の関係者は、みなかみ町の歴史や文化などの解説を聞き、民謡や太鼓などを鑑賞。そのあとコンゴブースにて、コンゴ民主共和国の紹介をした。また、3x3イベントブースでは、12秒シュートチャレンジや各種イベントを行い、3x3を通してみなかみ町民とコンゴ人が交流した。

3x3選手による出前授業

2025年1月20日には「みなかみ町立古馬牧小学校」を、1月27日には「みなかみ町立月夜野北小学校」を、それぞれ3x3の選手たちが訪問。コンゴ民主共和国出身のプロ3x3選手クベマ・ジョセフ・スティーブさんをはじめとしたMINAKAMI TOWN.EXEの選手たちが、出前授業を行った。


まずは資料でコンゴ民主共和国について紹介があり、質疑応答の時間も設けられた。また、実際にバスケットボールと3x3を通して、選手と子どもたちが交流した。スティーブ選手は身長204センチと大柄なこともあり、特に子どもたちから人気を集めていたという。


なお、みなかみ町は「コンゴこどもフェスティバル」に向けて準備を行ってきたが、警報級の大雪とその影響による交通網の麻痺を理由に、イベント自体が中止に。しかしながら、みなかみ町の阿部町長をはじめ、小林議長、森副議長、石坂議員ほか、コンゴ民主共和国関係者やミュージシャンらは会場に集まり、国際交流を行ったそうだ。


今後は、みなかみ町とコンゴ民主共和国の交流をより深めていけるよう、各種イベントを計画中。コンゴ民主共和国の人たちに、みなかみ町へ来てもらい、互いのよさを共有できる機会を創出していきたいという。同時に、スポーツを通した交流の幅を広げたいとも考えているようで、プロ3x3選手の発掘や、各スポーツ選手交流を行うことで、みなかみ町民が、よりコンゴ民主共和国に興味を持ってもらう機会を作りたいとのことだ。

【徳島県上勝町✕ナイジェリア連邦共和国】ナイジェリア連邦共和国との交流イベント

徳島県上勝町とナイジェリア連邦共和国は、それぞれが抱える諸問題に対して互いのリソースで補い合う課題解決交流を目指している。そのスタートとして開催されたのが、今回の交流イベント。2025年2月7日~9日にかけて、上勝町内のいくつかの施設で、将来のナイジェリアに貢献できる、またはその意思のあるナイジェリア人11人と町民14人に、上勝町の取り組みを体験してもらった。


まずは、「上勝町ゼロ・ウェイスト宣言」を紹介。ゼロ・ウェイストとは、ごみを減らして廃棄物を限りなくゼロに近づけることを目指す活動や理念のことで、参加者は上勝町の関連施設を案内されたほか、粗大ごみの分解・分別を体験した。参加者からは、ゼロ・ウェイストを実践する自治体を目の当たりにして驚くとともに、母国のために考えさせられたとの感想が寄せられた。


また、上勝町の食文化を体験すると同時に、それを支える“彩事業”やごみを地域で循環活用する仕組み「reRise」を学んだ。今回植樹した彩の木を10年後に見に来ることを約束し、継続的な交流につなげた。


さらに、上勝町の杉の木を使って織ったファブリックブランドで、土に還るSDGs商品「KINOF(きのふ)」を紹介。この商品は、「大阪・関西万博」の医療用公式ユニフォームに採用されている。今回はKINOFに徳島伝統の阿波藍染めを施す体験を実施した。


上勝町では、海外から毎年多くの訪問団を受け入れているが、アフリカ地域からの訪問団を受け入れるのは今回が初めてだったそう。万博を機に、これまで交流がなかったナイジェリア連邦共和国をはじめ、アフリカの国々と互いの課題を解決するための国際交流を本格化させたいとのことだ。


「大阪・関西万博」では、2025年6月25日(水)の「ナイジェリアナショナルデー」に合わせて、ナイジェリアパビリオン関係者や、今回招待したナイジェリアの人々を上勝町に招待し、「上勝町立上勝中学校」の生徒との交流を行う予定。また、同中学校の生徒たちは、万博期間中にナイジェリアパビリオンの訪問を計画している。


さらに会期最終日の2025年10月13日(祝)には、徳島県が確保している「関西パビリオン多目的エリア」における交流活動の実施も計画。上勝町の中学校生徒たちとナイジェリアパビリオン関係者らが一緒になり、万博来場者に対して、これまでの交流実績やお互いが持つ魅力を伝える予定だという。

さまざまな国について、さらに知りたいと思ったら万博へ!

ここで紹介した以外にも、「万博国際交流プログラム」を活用して、アフリカ諸国を含むさまざまな国との国際交流を実施した自治体は多数あり、各地でさまざまなイベントが行われた。「大阪・関西万博」は、2025年4月13日(日)〜10月13日(祝)の184日間で開催される。各国の多様な文化に興味を持ったならぜひ万博に足を運んで、さらなる理解を深めてみてはいかがだろうか?


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