投資を抜きにした資産形成はあり得ない!リスクが怖い人は手取りの1%でいいから運用を始めてみよう

2022年9月16日

こんにちは。40代前半、3児の父にして2021年にFIREを達成した、みもじ( @mimojinojinsei )と申します。私は、貯金ゼロの浪費家から節約家へと転身し資産形成に専念しました。過去に働き過ぎて体と心を壊した経験から、自分の人生を見つめ直しFIREを決断。現在は資産形成のコツや自己の人生観について、Twitterを中心に情報を発信中です。

FIREを達成した3児の父が語る節約と投資


ここでは「お金を使わずに幸せな暮らしをする」をテーマに、日常的に大切な節約について、あるいは資産運用と節約の大切さ、FIRE後の生活の楽しさなどをお話していきます。7回目となる今回は、投資が怖くなくなる考え方と、今すぐにでも投資を始めるメリットを感じてもらえるお話です。

手取りの1%から資産運用を始めてみよう

ここで言う1%とは「少額から」という意味です。では、なぜ少額からスタートするのかというと、まずは自分の許容範囲内(=失敗しても影響がない)でとにかく「投資を体感する」ことが大事だと考えるからです。

「せっかく貯めたお金がなくなったらどうしよう…」と、最初は誰もが投資を始めることに不安を覚えると思います。ですが、始める前にいろいろと勉強してある程度知識を身につけたら、少額でもいいのでまずは実践することが大事だと思います。投資は実体験をしてこそ得られるものが多いと思うからです。実際に経験して感じたことですが、やはり身銭を切った方が真剣になります。

初めは本当に少額からで構いません。超初心者の方でも金融会社によっては100円からでも投資信託に投資することができます。

例えば、市場の代表的な株価指数に連動する「インデックス投信」では、低コストの全世界株式や米国株式に投資するファンドが注目を集めています。インデックス投信は市場平均と同じようなリターンを見込めます。超初心者でも経験者でも、投資するファンドが同じであれば、得られる結果は同じです。

また、始めたばかりの方は、毎月同じ額を自動で積み立てるサービスを利用して定期購入するといいでしょう。株価などの価格が変動する金融商品は、その値が高いか安いかの見分けが難しく、買い付けの判断に影響するからです。“積み立て設定をした後は、買い付け日を忘れている”くらいがちょうどよいと思います。

投資は続けることが重要です。長く続けるためには精神的に安定している必要があります。慣れるまでは少額で構いません。心に余裕を持ち、余剰資金で投資をしていきましょう。

投資をすることのメリット

それでは、投資をすることによる3つの大きなメリットをご紹介します。

1…不労所得が期待できる
投資のメリットは、自分の労働収入以外の収入を期待できることだと思います。自分は働いていたり、遊んでいたり、家事をしたりしているときでも、投資先のお金が働いてくれているイメージです。

2…資産形成の選択肢が増える
貯金も投資もそれぞれメリット・デメリットがありますが、資産形成方法に投資を加えることによって選択肢が増えます。もちろん選択肢は多い方が有利です。選択肢を増やすことにより、自分に最も適した資産形成方法を選ぶことができます。

3…学歴などに関係なく資産を増やせる
学歴が関係ないこともメリットの一つです。お金の価値はみな平等です。1円の価値は、高学歴の人もそうでない人も同じ1円です。資産形成において必要なものは、学歴よりもお金の知識です。高学歴で散財している人よりも、学歴はなくともコツコツ投資を継続している人の方が資産は増えていることでしょう。

またデメリットについても知っておく必要があります。

投資において「絶対」はありません。なぜなら、誰も未来のことを知ることができないからです。自然災害、紛争、バブル崩壊など避けたくても避けられない事象が起きると、投資対象に影響が出ます。本当に近い未来であればある程度の予想はできるかもしれませんが、数年後の未来は誰にも予想はできないでしょう。ですから、「絶対儲かる投資」はありませんし「絶対損しない投資」もありません。「常にリスクを伴う」というのが投資のデメリットだと思います。

とはいえ、投資は長期になればなるほどリターンを見込めるものがいい点だと思っています。特に複利の効果を得られる投資は時間を味方につけることが得策なので、少しでも早く始めるべきです。

ここで、年収が特別高くなくても節約と両立して行うことができる、具体的なおすすめの投資法をご紹介します。

・100円から投資をスタート
最近は投資がとても身近になり、100円から投資信託に投資できる金融会社もあります。100円であれば、ほとんどの人が投資を始められると思います。今やちょっとした節約1つで投資を始められる環境にあることを知ってもらいたいです。

・買い物などでゲットしたポイントでできる、ポイント投資が増えている
普段の買い物でゲットしているポイントで投資をすることができるものが増えています。お金を投資に充てることをためらう人は、まずはポイントを使って投資を始めてみてはいかがでしょうか?ポイントはもともと持っていなかった資産ですし、投資することに抵抗は少ないと思います。

それでも手取りが少ない場合は、1%ですら運用に回すと生活が厳しくなる、すぐ使って楽しく暮らしたいと考える人もいらっしゃるかと思います。その通りで、すべてにおいて支出を制限して運用に回す方がいいかというと、そうでもありません。価値観は人それぞれです。お金は使わなければ持っている意味がありませんし、有意義に使うことは大切です。ですから、すべての人が絶対に投資を始めなければならないとは思っていません。

ただ知っておいて欲しいことは、お金の使い道に「投資」という選択肢があるということです。とにかく使うのではなく、複数ある選択肢から「何にお金を使うか」を考えていただきたいんです。お金の余裕があまりない方でも、使い方をちょっとだけ工夫することで、投資に充てる資金を確保することができるはずです。例として、仕事で疲れることをあらかじめ予想しておき、事前に自炊して冷凍保存しておけば外食はしなくて済む…このような簡単なことから浮いたお金で資金を確保できます。

非常に極端な例をあげると、「今、楽しければよい」と思って“生涯お金に苦労する人生”を送るか、「将来のために」と思って“生涯お金に不安のない人生”を送るかの選択になります。私なら後者を選びます。現実的にはどちらか一方を選ぶのではなくバランスを取っていくことになりますが、自分の将来への責任は「自分の過去の決断」にあると思ってください。

お金の使い道の選択肢として「投資」は必ず入れておきたい(写真はイメージ)


投資リスクが怖くならない思考~投資以外にも損失を伴う行動がある~

先にも書きましたが、特に初心者は「投資は怖い」と感じると思います。その主な理由をいくつか挙げ、それを解消する方法をお伝えします。

・投資に関して知識がないから
投資が怖い理由:
投資に限らず知らないもの(こと)に不安を感じるのは当たり前です。学生が社会人になり、会社に就職するときも不安な気持ちになると思います。それは、会社や仕事について知らないことが多いからです。「どんな上司がいるのだろうか?どんな内容の仕事をするのだろうか?自分に仕事をやりこなす実力はあるのだろうか?」など“知らない”は人間を不安にかき立てるのです。

解消法:
投資において知らない=不安の対象はリスクだと思います。確かに投資にリスクはつきものです。では「リスクとは何か?どれくらいのリスクがあるのか?自分はどの程度のリスクまで耐えられるのか?」を知れば、不安は解消できると思います。知識を身につけることで不安はなくなります。

・過去の常識を引きずっているから
投資が怖い理由:
そもそも日本はお金の話をすることはタブー、のような風潮があります。大人は子供にお金の話をあまりしませんし、子供はお金について教えられずに育っていきます。お金について積極的に向き合おうとする大人も少ないのではないでしょうか?投資を避けている印象さえあります。お金のことで困っている大人はたくさんいるのに、過去の常識にとらわれているおかげで、子供にも同じことをさせようとしています。

解消法:
時代は変わっています。確かに昔は預金の利率が高かったので、資産形成に貯金は有効だったかもしれません。しかし、今は違います。貯金だけしていてもインフレにより相対的にお金の価値は下がります。では、お金をどうやって守っていくことがベストな選択肢なのか?それを考えると、おのずと投資という選択肢が出てきます。親は教えてくれないかもしれません。自ら学んでいきましょう。

損失は、リスクの範囲内で“ある“ことは事実です。ただ、過去の値動きを参考にすれば、どの程度のリスクを抱える必要があるかはある程度予測がつきます。リスクが分かれば怖さは軽減されると思います。

長期で見るとインフレは続いていきます。貯金をしていても、預金の金利よりもインフレ率が高ければ、資産は目減りしていることと同じです。そのように考えると、資産をすべて貯金に回していることは合理的ではありません。お金を守るという意味でも、お金を使う選択肢の中に投資を加える必要があります。

本項目のサブタイトルとして「投資以外にも損失を伴う行動がある」と書きましたが、これは「損失を伴う行為は投資だけではありません。日常の行為と変わりませんよ」という意味です。

生きている限りなんらかの損失とは隣りあわせです。また、お金は働けば取り戻せますが、人間は取り戻せないもっと価値のあるものを持ち合わせています。それは、「健康」「時間」「人間関係」であったりします。本来は、その価値あるものの損失に対して警戒すべきです。そのため、投資だけが特別に損失を伴う行為ではないことを知ってほしいです。

長期投資の魅力は「時間を味方にできる」こと

投資は「ハイリスク・ハイリターン派」か「ローリスク・ローリターン派」に分かれると思います。

私はそのどちらでもない「ローリスク・ハイリターン派」です。そんなことは不可能ではないかと思われる方も多いでしょう。しかし、これは私がいろいろな本を読んで学び、かつ実体験を通じて得た発想です。

そのローリスク・ハイリターンをかなえるのが、良質なインデックス投信。しかも、米国株式や全世界株式ファンドの長期運用です。

タイトルにも書きましたが「時間を味方に」することで、リスクは分散され、ローリスクに変わっていくという代物です。長期運用においては、何よりも入金力がモノをいいますが、ドルコスト平均法(価格変動商品に対して、一定金額で定期的に購入する方法)でコツコツ入金する作戦がよいかと思います。

これから成長していく分野に投資している限り、短期での損失はあっても長期では利益を生むことを期待できます。時間がない場合だと短期で勝負しなければならないので損失を被る確率が高くなりますが、時間があれば利益を生むまで待つことができます。

また、複利の効果を享受できます。運用で得た利益を上乗せして再び投資することです。よく「雪だるま式」と例えられたりします。時間軸が長ければ長いほど、その効果は大きくなります。投資する対象が複利の効果を享受できるものであれば、時間を味方につけないのは非常にもったいないです。

人生100年時代と言われる昨今、何歳から投資を始めても決して遅くはないと思います。将来の資産家を目指してローリスク・ハイリターンのコツコツ投資を始めませんか。

取材・文=澤田佳代

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