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山梨県韮崎市で「にらさきワインフェスティバル」が2024年10月12日に開催された。本イベントの最大の魅力は、市内のワイナリーで醸造されたワインを飲み比べしながら、JR韮崎駅や韮崎中央商店街周辺を巡ることができる“サーキット型”のイベントであること!韮崎市のワイナリーが一堂に会し、人気の銘柄だけでなく、新作や限定銘柄も提供。また市内の人気飲食店が提供するワインに合う料理も販売され、地元フードとワインのペアリングも楽しめるとあって、多くの人で賑わった。晴れやかな秋空の下で開催された「にらさきワインフェスティバル」の様子をレポートする。
街中を歩きながらワインを試飲してスタンプを集めよう
イベント開始は朝10時にも関わらず、9時半を過ぎるとJR韮崎駅前広場には人だかりができはじめ、ワインブースのオープンを待つ人があちこちに。事前申し込みで前売券(3000円)を入手している人以外にも、3500円で当日券も販売されていて限定100名までが購入可能。参加キットにはワイングラス1個、グラスポーチ1つ、ワイン10杯の無料試飲付き。参加者の証のリストバンドを店頭で見せれば、対象ワイナリーのブースや市内の飲食店で各店1杯のワインを無料試飲できる仕組みになっていた。
たまたま通りかかった人の中には「えっ!?3500円で10杯も試飲できるの?」と、予定を変更して参加を決める人も。
10時のスタートと同時に、各ワイナリーのブース前にはグラスを片手にした参加者が列をなし、順々に無料試飲用ワインが注がれていく。今回、駅前のブースに韮崎でワイン造りをしているワイナリーが5つ、韮崎商店街にこれから開業を予定しているワイナリーが1つ、計6つのワイナリーが出店。それぞれに定番人気やおすすめのワインを赤白1本ずつ試飲用に用意していた。もちろん、有料でほかのおすすめのワインも飲むことができ、気に入ればその場でボトル購入もOK!
ワイン特区ならでは!さまざま6つの魅力的なワイナリーが集結
韮崎市は2014年に「ワイン特区」に認定されている。ワイン特区とは、構造改革特区制度における酒税法の特例措置によって規制が緩和され、果実酒製造業に参入しやすくなった区域のこと。そのためここ数年の間に、小規模ながらおいしいワインを造るワイナリーが誕生し、ワインによって地域の活性化に大きく貢献しているのだ。
◆マルス穂坂ワイナリー
良質なぶどうの生産地・韮崎市穂坂地区で、世界に通じるワイン造りを目指すワイナリー。ワインの醸造見学ができる醸造棟、バーやショップのあるビジター棟があり、訪れるだけでマルスワインの世界に浸ることができる。「穂坂収穫シリーズ」は、穂坂産のぶどうの個性が引き出された、マルス穂坂ワイナリーを代表する超人気ワインに成長。
◆ドメーヌ茅ヶ岳
ご両親が営んでいた生食用ぶどう農園を受け継いだオーナーが、山梨大学で2年間ワイン造りについて学んだのち、醸造用のぶどう作りも開始しワイナリーを設立。根強いファンがいる「アダージョ上ノ山」の赤白以外に、マスカット・ベーリーAの濃厚さが際立つリッチタイプやオレンジワインなど5種類のワインが今年新たに誕生し、その味わいが注目されている。
◆能見園 河西ワイナリー(のうけんえん かさいわいなりー)
1918(大正7)年創業という歴史あるワイナリー。小規模ながらも創業当初から守り抜いてきた製法で生み出すワインを求めて、わざわざ遠くから訪れるファンも多い。「八ヶ岳」から名前をとったという代表的なワイン「Mont.8」は値段がとてもリーズナブルで、そこには「できるだけ何回もたくさんの方々の食卓に上ってほしい」と願うオーナーの思いが表れている。
◆サン.フーズ
ウイスキー・焼酎といった蒸留酒や、料理酒・みりんなどの調味料の製造を手掛ける「サン.フーズ」が2008年よりワインの製造販売を開始。穂坂地区で栽培されたマスカット・ベーリーA、甲州を100%使用して醸造したワイン「韮崎シリーズ」は、お手ごろな価格なのに香りや旨味のバランスがよく、飲みやすいと評判。
◆Domaine Creation farm(ドメーヌ クリエーションファーム)
10年前に東京から韮崎に通い農業を学んだオーナーが、5年前の定年退職を機に韮崎に移住。ワイン特区の制度を利用して2023年にワイナリーを設立。仲間と共に栽培から醸造まで一貫した自社生産によるワインを提供している。昨年仕込んだ初めてのワインがいよいよ今年販売に!来年はオレンジワインなどさらに品数が増える予定という新進気鋭のワイナリー。
◆Domaine Kyoko Hosaka(ドメーヌ・キョウコ・ホサカ) 準備室
東京でフードコーディネーターや飲食店プロデュースなどに携わっていたオーナーが、2016年に韮崎へUターンし開業。まだ委託醸造のため“準備室”という名が付いているが、来年8月にぶどう生産からワインの瓶詰めまで一貫して行う“ドメーヌ”としてのスタートを予定。その際には、ワインの販売はもちろん、地元食材を使った“韮崎の食とワイン”の魅力を発信できるようなワイナリーを目指している。