韮崎のワインとグルメに舌鼓!「にらさきワインフェスティバル」で秋の優雅なひとときを満喫

2024年11月7日

山梨県韮崎市で「にらさきワインフェスティバル」が2024年10月12日に開催された。本イベントの最大の魅力は、市内のワイナリーで醸造されたワインを飲み比べしながら、JR韮崎駅や韮崎中央商店街周辺を巡ることができる“サーキット型”のイベントであること!韮崎市のワイナリーが一堂に会し、人気の銘柄だけでなく、新作や限定銘柄も提供。また市内の人気飲食店が提供するワインに合う料理も販売され、地元フードとワインのペアリングも楽しめるとあって、多くの人で賑わった。晴れやかな秋空の下で開催された「にらさきワインフェスティバル」の様子をレポートする。

JR韮崎駅の駅前広場で開かれた「にらさきワインフェスティバル 2024」

駅前広場・参加飲食店を巡って、市内ワイナリー自慢のワインを試飲できる


街中を歩きながらワインを試飲してスタンプを集めよう

韮崎駅の改札を出ると、そこにはワインブースとフードブースがズラリ!参加店前に掲げられたこののぼりが目印

イベント開始は朝10時にも関わらず、9時半を過ぎるとJR韮崎駅前広場には人だかりができはじめ、ワインブースのオープンを待つ人があちこちに。事前申し込みで前売券(3000円)を入手している人以外にも、3500円で当日券も販売されていて限定100名までが購入可能。参加キットにはワイングラス1個、グラスポーチ1つ、ワイン10杯の無料試飲付き。参加者の証のリストバンドを店頭で見せれば、対象ワイナリーのブースや市内の飲食店で各店1杯のワインを無料試飲できる仕組みになっていた。

グラスポーチはポシェットタイプ。肩から下げてグラスを持ち歩けるので、両手が塞がらず便利!

無料試飲をして、ガイドマップに付いているスタンプシートにスタンプを押してもらう

たまたま通りかかった人の中には「えっ!?3500円で10杯も試飲できるの?」と、予定を変更して参加を決める人も。

手首に付けたリストバンドを見せて、無料試飲したいワインを注文。使用したワイングラスを洗える水も用意されているので、赤白気にせずに楽しめる


10時のスタートと同時に、各ワイナリーのブース前にはグラスを片手にした参加者が列をなし、順々に無料試飲用ワインが注がれていく。今回、駅前のブースに韮崎でワイン造りをしているワイナリーが5つ、韮崎商店街にこれから開業を予定しているワイナリーが1つ、計6つのワイナリーが出店。それぞれに定番人気やおすすめのワインを赤白1本ずつ試飲用に用意していた。もちろん、有料でほかのおすすめのワインも飲むことができ、気に入ればその場でボトル購入もOK!

おすすめのワインを尋ねながら、注文をしていく参加者たち

スタンプが押されるごとに、完全コンプリートしたくなるのがスタンプラリーのおもしろいところ

全店制覇して、記念品のオリジナルトートバッグをGET!


ワイン特区ならでは!さまざま6つの魅力的なワイナリーが集結

各店、無料試飲用のワイン以外に、有料で楽しめるおすすめのワインも用意

韮崎市は2014年に「ワイン特区」に認定されている。ワイン特区とは、構造改革特区制度における酒税法の特例措置によって規制が緩和され、果実酒製造業に参入しやすくなった区域のこと。そのためここ数年の間に、小規模ながらおいしいワインを造るワイナリーが誕生し、ワインによって地域の活性化に大きく貢献しているのだ。

◆マルス穂坂ワイナリー
良質なぶどうの生産地・韮崎市穂坂地区で、世界に通じるワイン造りを目指すワイナリー。ワインの醸造見学ができる醸造棟、バーやショップのあるビジター棟があり、訪れるだけでマルスワインの世界に浸ることができる。「穂坂収穫シリーズ」は、穂坂産のぶどうの個性が引き出された、マルス穂坂ワイナリーを代表する超人気ワインに成長。

無料試飲として用意されたのは、「穂坂収穫ルージュ」「穂坂収穫ブラン」

ワイナリーが増えてきた韮崎について、「ライバル関係ではあるんですけど、一緒に“ワインの韮崎”を盛り上げていこうという気持ちの方が強いですね」と話してくれたワイナリー長の茂手木さん


◆ドメーヌ茅ヶ岳
ご両親が営んでいた生食用ぶどう農園を受け継いだオーナーが、山梨大学で2年間ワイン造りについて学んだのち、醸造用のぶどう作りも開始しワイナリーを設立。根強いファンがいる「アダージョ上ノ山」の赤白以外に、マスカット・ベーリーAの濃厚さが際立つリッチタイプやオレンジワインなど5種類のワインが今年新たに誕生し、その味わいが注目されている。

二人三脚で農園とワイナリーを運営する安部さんご夫妻

「アダージョ上ノ山」は何年も連続で、さまざまな品評会で賞を受賞


◆能見園 河西ワイナリー(のうけんえん かさいわいなりー)
1918(大正7)年創業という歴史あるワイナリー。小規模ながらも創業当初から守り抜いてきた製法で生み出すワインを求めて、わざわざ遠くから訪れるファンも多い。「八ヶ岳」から名前をとったという代表的なワイン「Mont.8」は値段がとてもリーズナブルで、そこには「できるだけ何回もたくさんの方々の食卓に上ってほしい」と願うオーナーの思いが表れている。

添加物をなるべく使わず、果実味が失われないようなワイン造りを心掛けていると語るのは、4代目オーナーの河西さん

八ヶ岳の麓に広がる峽北の地で収穫された良質のぶどうが原料


◆サン.フーズ
ウイスキー・焼酎といった蒸留酒や、料理酒・みりんなどの調味料の製造を手掛ける「サン.フーズ」が2008年よりワインの製造販売を開始。穂坂地区で栽培されたマスカット・ベーリーA、甲州を100%使用して醸造したワイン「韮崎シリーズ」は、お手ごろな価格なのに香りや旨味のバランスがよく、飲みやすいと評判。

地元穂坂のぶどうを100%使用した韮崎シリーズのワインたち

イベントでは赤ワインが人気だった


◆Domaine Creation farm(ドメーヌ クリエーションファーム)
10年前に東京から韮崎に通い農業を学んだオーナーが、5年前の定年退職を機に韮崎に移住。ワイン特区の制度を利用して2023年にワイナリーを設立。仲間と共に栽培から醸造まで一貫した自社生産によるワインを提供している。昨年仕込んだ初めてのワインがいよいよ今年販売に!来年はオレンジワインなどさらに品数が増える予定という新進気鋭のワイナリー。

「Domaine Creation farm」の合言葉は「美味しい、楽しい、嬉しい」。醸造体験やブレンド体験など訪れた人も楽しめるワイン造りを目指している。写真中央がオーナーの中村さん

主要品種はマスカット・ベーリーAと甲州。ぶどう栽培の作業体験は初心者もOKだそう


◆Domaine Kyoko Hosaka(ドメーヌ・キョウコ・ホサカ) 準備室
東京でフードコーディネーターや飲食店プロデュースなどに携わっていたオーナーが、2016年に韮崎へUターンし開業。まだ委託醸造のため“準備室”という名が付いているが、来年8月にぶどう生産からワインの瓶詰めまで一貫して行う“ドメーヌ”としてのスタートを予定。その際には、ワインの販売はもちろん、地元食材を使った“韮崎の食とワイン”の魅力を発信できるようなワイナリーを目指している。

ワインフェスの翌日にマスカット・ベーリーAの収穫が控えているというオーナーの保坂さん(写真右)。「東京や埼玉から20人くらい知り合いが手伝いに来てくれる予定で、韮崎の方々はもちろん、いろいろな人に助けていただいて今があります」と感謝の気持ちを話してくれた

白ワインは穂坂収穫のデラウェアの酸味を生かした、クリーンでドライな仕上がり


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