デザイン画に「肉焼きセット」も!堺市製の刀剣にも注目
ほかにも最新作であるサンブレイクの貴重な設定資料集も数多く展示されており、なかでも本作から新たに登場した“王域三公”と呼ばれる「メル・ゼナ」「ガランゴルム」「ルナガロン」の装備デザイン画は本展が初出だ。
資料集の鑑賞中にふと横を見てみると、「上手に焼けました〜!」でお馴染みの「肉焼きセット」が。すっかりハンター気分の筆者は肉をグルグル回すことに夢中に。ただ、肉の大きさが背負っているリュック並みに大きく、「これをペロリと食べてしまうハンターの胃袋は一体どうなっているのだろう」と素直に思った。彼らは本当に人間なのだろうか。
また、展示の後半では「堺のいにしえの技」と題して、堺市博物館が所蔵する堺製の刀剣「泉州刀」や、かつて鉄砲の主要生産地として栄えた堺の「火縄銃」などが公開されている。古墳時代から続く堺市の金属加工技術の結晶が見られるので、刀剣や歴史に興味がある人にとっても大満足の展示だ。
なぜ堺市とのコラボレーションなのか?
堺市といえば、2019年に「大仙陵古墳」をはじめとした古墳群が世界文化遺産に登録されたことが記憶に新しいかもしれない。中世には自由都市・貿易都市として発展していたりと、長い歴史のある街だが、日本で有数の刃物生産地でもあるのだ。
堺市の刃物生産の技術は、5世紀の大仙陵古墳の建造によって培われたという。その後16世紀に入りポルトガルから日本に鉄砲とタバコが伝来すると、タバコの葉を刻む包丁が大量に必要になったため製造が盛んになったんだとか。そして品質の高さから江戸幕府に「堺極」(さかいきわめ)の印を受け全国的に流通し、その伝統が現在に受け継がれているのだ。
そして今回のコラボイベントの実現は、堺市からカプコンへ企画を提案したことがきっかけだそう。刀剣や武具・防具が数多く登場するモンハン。まさにぴったりのコラボレーションだったと言える。
コラボは堺の街全体に!フォトラリーやラッピング電車も
本展の会場となった「さかい利晶の杜」以外に、堺市の街を舞台にしたイベントも用意されている。各スポットのクエストを達成し、写真を集めると「オリジナルコラボポストカード」がもらえるフォトラリー形式のイベントだ。こちらも9月4日(日)まで開催。
また今回のイベントを記念して、6月23日より阪堺電車でコラボラッピング電車が運行中。シリーズのマスコットキャラクター「アイルー」や「メル・ゼナ」が描かれている。
今回のコラボイベントに参加して、昔からプレイしていたモンハンがこうした一大プロジェクトに発展していることが、自分のことのようにうれしく、なんだか誇らしい気持ちになった。また、モンハンと古代より伝わる堺市の高度な鍛治技術の融合によって誕生した「狐刀カカルクモナキ」の再現太刀を通して、ゲームだけでは気づけなかったモンハンの魅力と共に、堺市の伝統や文化の素晴らしさを知ることができた。
このイベントのように、ゲームがきっかけでいろんな街の魅力を知る機会がどんどん増えていったら…と考えると、ゲーマーとして今後が楽しみでならない。
取材・文=西脇章太(にげば企画)
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