【SDGs】“交通事故の少ない社会実現”へ ソニー損保が取り組む「AI活用」サービス

2021年8月20日 12:58

世界的にSDGs(エス・ディー・ジーズ/持続可能な開発目標)への関心が高まるなか、各企業でもさまざまな取り組みが行われているが、具体的にはどのようなことが行われているのだろうか?そこで今回は、ダイレクト型保険会社「ソニー損害保険」(以下、ソニー損保)の広報担当者にインタビュー。取り組み事例を紹介してもらった。

「GOOD DRIVE アプリ」のログイン画面

「GOOD DRIVE アプリ」のホーム画面(運転スコア表示画面)

【画像】「GOOD DRIVEデバイス」


SDGsとは?


SDGsは、国連に加盟するすべての国が、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標。持続可能な世界を実現するため、「貧困」「飢餓」「健康と福祉」などをテーマにした17の目標と169のターゲットで構成。アジェンダでは、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。

先進テクノロジーを活用し、安心感や納得感などの価値を提供


――ソニー損保は現在、AIを活用した運転特性連動型の自動車保険「GOOD DRIVE(グッドドライブ)」を提供していますが、SDGsの取り組みではどんなことを進め、どのようなゴールを目指しているのか教えてください。

【広報担当者】当社は従前よりSDGs達成への貢献のため、各種取り組みを進めていますが、2020年3月から提供を開始した自動車保険「GOOD DRIVE」は、SDGsの17の目標のうち「3.すべての人に健康と福祉を」と「11. 住み続けられるまちづくりを」が該当します。より具体的に申し上げると、“交通事故の少ない社会の実現”を目指しています(※販売前の実証実験では、同サービスの利用により「事故リスクを15.3%削減できる」との結果が出ている)。

損害保険制度は相互扶助の精神に基づいたしくみで、適切な損害保険事業を遂行することが、私たち損害保険会社の社会的責任です。また、損害保険事業を適切に遂行し、さらにお客様に安全・安心を感じていただけるようにするためにも、商品やサービスにおけるさまざまな領域でSDGs達成に向けた取り組みを進めています。

たとえば、保険のサービスにおいて「手話・筆談サービス」や「外国語事故対応サービス」などをご利用いただけるようにするなどの取り組みもその一環です。また、「GOOD DRIVE」をはじめとする先進テクノロジーを活用した商品により、お客様にとっての安心感や納得感などの価値を提供していきたいと考えています。

<主に貢献できるSDGsの目標>
【3】すべての人に健康と福祉を
【11】住み続けられるまちづくりを


自動車保険も「事故リスクの低減」に貢献できるものに進化すべきと考えた

専用デバイス装着イメージ


――具体的にはSDGsをどう実践しているのか教えてください。

【広報担当者】取り組みの1つとして提供している自動車保険「GOOD DRIVE」は、お客様の事故リスク低減を通じて、“交通事故の少ない社会の実現”への貢献を図ることで、SDGs達成への貢献ができると考えているものです。

「GOOD DRIVE」は、スマートフォンの専用アプリで、お客様の安全運転度合いを計測し、安全運転度合いに応じて保険料を最大30%キャッシュバックする自動車保険です。弊社がこれまで蓄積してきた保険商品・サービスの開発における知見に加え、ソニーグループが保有するAIやセンシング、クラウドコンピューティングなどの技術を用いることで実現したスマートフォン専用の運転特性連動型自動車保険となっています。

本商品は専用アプリを使用しますが、専用アプリでは、現在の運転スコアに加えて、運転スコア向上のためのアドバイスや、走行経路、運転スコアに影響するような操作をした地点の確認が可能です(※)。

お客様はこれらを参考に、運転スコア向上を目指した運転を心がけられ、保険料のキャッシュバック率をアップさせることができます。また、運転スコア向上を目指した運転を心掛けることで自然に事故リスクが低減していくことも期待できますので、“交通事故の少ない社会の実現”に貢献できると考えています。
※契約内容によっては、一部利用できない機能があります。

「GOOD DRIVEアプリ」の運転アドバイス表示画面

「GOOD DRIVEアプリ」の走行記録表示画面


――なぜその取り組みを始めたのでしょうか?

【広報担当者】大きく、「お客様にとって納得感のある保険料の実現を目指した」ことと「自動車保険は事故リスク低減に貢献できるものに進化すべきと考えた」ことの2点があります。 

ソニー損保は、創業以来、「年間走行距離」や「使用目的」「車齢(車の初度登録年月)」などによるリスク較差(かくさ)を自動車保険の保険料に反映することで、お客様にとって納得感のある保険料の実現を目指し、研究・開発を続けています。より納得感のある保険料の実現のためには、一人ひとりのお客様の運転特性から事故リスクを推定して、保険料に反映させることも重要です。

今回の「GOOD DRIVE」は、ソニーグループのAI技術やクラウド開発技術・ソニー損保の保険商品開発の知見を結集し、運転特性の精緻な計測と事故リスクの推定を可能にすることで実現しました。

また、自動車保険の本来の重要な役割は、事故が発生したときの保険金支払いや事故解決サービスの提供ですが、そもそも「事故が起こらない」ことが望ましいため、自動車保険も「事故リスクの低減」に貢献できるものに進化すべきと考えて「GOOD DRIVE」を開発しました。

「GOOD DRIVE」の新たなコンセプトやインターフェイスが評価されて、2020年度のグッドデザイン賞を受賞


――自動車保険「GOOD DRIVE」の提供を開始してどのような反響がありましたか?

【広報担当者】「安全運転で保険料が戻ってくれば契約者も嬉しいし、事故が減れば保険会社や社会にもメリットがある三方良しのプラン」「数値化されるといろいろ考えながら乗るようになるからいいね。カネがかかってるからより真剣になるし」「良いドライブができた!」といった声をSNSなどを通じていただいております。

さらに、第三者から評価されたものとしては、「GOOD DRIVE」の安全な社会の実現を目指すという新たなコンセプトやスマートフォンによるわかりやすいインターフェイスなどが評価されて、2020年度のグッドデザイン賞を受賞することもできました。

――SDGsの取り組みが社内に与えた変化はありますか?

【広報担当者】ソニーグループの先進テクノロジー活用による「GOOD DRIVE」の提供を通じて、SDGsの目標達成への貢献を目指していますが、今後もより一層のテクノロジー活用や、商品の合理性・独自性・先進性を高めていくことで、当社ならではの価値提供を通じて社会に貢献していきたいとの意を強くしております。

また、本商品には多くの社員が走行実験への参加などを通じて開発に携わったのですが、その過程で「皆が安全な運転を行うようになれば社会的意義がある」といった感想が寄せられました。「本商品をきっかけに、ソニーグループ各社協業での新たな商品・サービスを生み出せる可能性を強く実感できた」とのコメントも寄せられています。