2021年11月17日、堀内詔子(ほりうちのりこ)東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣が「先導的共生社会ホストタウン」に認定された江戸川区を視察。葛西駅西口駅前広場や江戸川区陸上競技場などを訪れ、斉藤猛(さいとうたけし)区長が共生社会への江戸川区の取り組みについて説明した。
「先導的共生社会ホストタウン」に認定された江戸川区
江戸川区は、障害者スポーツの環境向上を目的に、2016年に都内区市町村で初めて障害者スポーツ専担の係を設置した。さらに、東京2020大会の開催に向けて、2017年にオランダ王国のホストタウンになり、オランダのパラリンピアンなどと交流を深めてきた。
共生社会ホストタウンとは、パラリンピアンの受け入れを契機に、ユニバーサルデザインの街づくりや心のバリアフリーに向けて取り組む自治体のこと。江戸川区の今までの共生社会実現に向けた取り組みが、先導的・先進的と国から評価され「先導的共生社会ホストタウン」に認定に至った。
葛西駅西口駅前広場や江戸川区陸上競技場、小学校を視察
堀内大臣は、最初に東京メトロ葛西駅西口駅前広場を訪問。ここは、車道と歩道の段差をなくした江戸川方式「段差ゼロブロック」や車いすが走行したときの不快な振動を抑える「ユニバーサルブロック」、音声誘導装置を設置した視覚障害者向けの触知図案内板など、バリアフリー化が進んだエリアだ。堀内大臣は、これらの取り組みについての斉藤区長の説明に耳を傾けていた。
その後、東京2020大会の公式練習場となった江戸川区陸上競技場や障害者向け乗馬の体験会を行うなぎさポニーランド、区立清新ふたば小学校を視察すると、6年生による共生社会の実現に関する総合学習に参加。堀内大臣と斉藤区長は、子供たちと同じテーブルを囲み、よりよい未来のためにできることについて意見交換を行った。
江戸川区を東京2020大会のレガシーづくりのリーダーに
視察を終えた堀内大臣は「東京2020大会のレガシーづくりにしっかり取り組まれていることを実感しました。今後も先導的共生社会ホストタウンの1つとして、全国のリーダーとなる活躍を期待しています」と述べた。これを受け、斉藤区長は「子供から高齢者まで、誰もが参加できるパラスポーツの環境整備に取り組んでいくことが共生社会への実現へとつながっていく。東京2020大会のレガシーとして、育んでいきたい」と答えた。
江戸川区は、東京2020大会のレガシーとなるよう、2020年12月1日に全国の自治体で初めて「東京パラリンピック22競技“できる”宣言」をスタート。区内にあるスポーツ施設で、車いすラグビーなど全22競技の試合やトレーニングが実施できる環境を整えている。