世界中にユーザーを持つ巨大スポーツ用品メーカー・アディダス。その長い歴史やスポーツ界に加え、一般消費者にも影響を与えた功績はここでは割愛するが、そのアディダスもまた近年独自のサステナブルな活動を実施している。
アディダスは2015年4月、海洋の美しさと脆弱性について認識を高める目的で設立された組織「Parley for the Oceans (パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ。以下、Parley)」とパートナーシップを組んだ。同組織の教育・コミュニケーションに関するさまざまな取り組みや、海洋のプラスチック汚染の解消を目指した包括的な海洋プラスチック・プログラムをサポートするほか、海岸や海沿いのコミュニティで回収されたプラスチック廃棄物をアップサイクルして、高性能のシューズに生まれ変わらせる商品開発など、エコ・イノベーションを推進している。
こういった背景を持つなか、2017年からはパートナーシップの一環として、海洋プラスチックゴミ問題への意識を高めるための世界的なムーブメント「RUN FOR THE OCEANS」をスタート。これは、開催期間中に参加者が走った時間に応じて、アディダスとParleyがプラスチックゴミを回収するという取り組みだ。今回は、2022年は5度目の実施となったこの有意義な取り組みについて紹介する。
走行時間10分ごとに、プラスチックボトル1本相当のプラスチックゴミを回収する
2022年の「RUN FOR THE OCEANS」は5月23日〜6月8日まで行われた。プラスチックゴミ ゼロの未来を目指して「走行時間10分ごとに、プラスチックボトル1本相当のプラスチックゴミをアディダスとParleyが沿岸地域から回収する」という試みである。
「RUN FOR THE OCEANS」の初日となった5月23日にはアディダスがアスリートへサステナビリティに関する講義を行う「adidas Sustainability School(アディダス サステナ スクール)」も開講。
カヌースラローム・羽根田卓也選手、陸上競技・岩出玲亜選手、アディダス フットボールアドバイザー・石川直宏さんが会場にて“授業”に参加した他、オンラインにて野球・清宮幸太郎選手、フィギュアスケート・坂本香織選手、サッカー・浅野拓磨選手など16競技から総勢44名ものアスリートが参加し、「サステナビリティ」の基本的概念はもちろん、海洋汚染の現状、「RUN FOR THE OCEANS」の意義について、わかりやすくレクチャーした。