前身となる「京都映画祭」を引き継ぎつつ、2014年よりスタートした「京都国際映画祭」。その最新回となる「京都国際映画祭2022」が、10月15日と16日の2日間、よしもと祇園花月など複数の会場で開催中。本記事では、初日に上映された映画や実施されたイベントのなかから、気になるものをピックアップ。それらをまとめてリポート形式で紹介する。
「バッドボーイズ佐田正樹“保護司になる”」は、お笑い芸人バッドボーイズ・佐田正樹の保護司体験ドキュメンタリー。近年では総長系YouYuberとしても大人気の佐田だが、少年時代には保護司のお世話になったこともあるという。そんな彼に、法務省から直々に「1カ月保護司」という期間限定の保護司活動の依頼が舞い込んで……といった内容で、佐田の新米保護司体験の模様を、そのとき彼が感じた想いとともに記録した作品になっている(作品は上映後、YouTubeでも公開)。
舞台挨拶には佐田をはじめ、荒川区保護司会会長の鈴木文男氏、ゲストのオズワルド(畠中悠、伊藤俊介)が登壇し、撮影時のエピソードなど、作品に対するさまざまな思いが語られた(MCは浅越ゴエ)。
「WORLD SURF JOURNEY〜Shimanto,Japan〜」は、世界各地に根付くサーフカルチャーを紐解くサーフドキュメンタリー作品。本作品の舞台となるのは、四国・四万十川。俳優・駿河太郎が巡る四万十への旅を、さまざまな人々との交流も交えながら映し出した1作となっている。
舞台挨拶には主演の駿河太郎と清野正孝監督が登壇。ロケ地として四万十川を選んだ理由や、サーフィンに取り組む姿勢、撮影時に苦労したエピソードなどが語られたほか、最後には第2弾の制作が決定したことも発表され、会場を沸かせた(MCは木尾モデル、神楽千歌)。
「狂言師・野村太一郎による狂言ワークショップ」は、第一線で活躍する狂言師・野村太一郎が、すゑひろがりず(三島達矢、南條庄助)や吉本新喜劇の高井俊彦、清水啓之らとともに、狂言の魅力をわかりやすく紹介するイベント。
狂言における“笑い”や“泣き”といった所作の解説から、もしも狂言で吉本新喜劇の1シーンを再現したら……という企画まで行われ、いずれも好評を博していた。
「銃」は、芥川賞作家・中村文則のデビュー作である同名小説が原作。日本はもちろん世界でも活躍の場を広げている中村自身が “偏愛している” というこの衝撃作を、奥山和由プロデューサーが企画・製作し、武正晴監督(「百円の恋」「嘘八百」)がメガホンを取る形で映画化した1作。フィルム・ノワールの映像表現により、人間を追及していく純文学性をもった、質の高い作品として描かれている。
上映後の舞台挨拶には、中村氏(リモート登壇)、奥山プロデューサー、武監督に加え、中村氏と親交の深い又吉直樹(ピース)がゲストとして登壇。それぞれの視点から、「銃」という作品に対する見解や、映像化するうえでこだわったポイントなどが語られた。
「よしもとSDGs LIVE2022」は、今年で6回目を迎える「SDGs-1グランプリ」(第1部)と、「ゴエが行く!らいよんチャンSDGsニュース!」(MBS)とのコラボ企画「SDGsリポートコンテスト」(第2部)の2部構成で行われたライブイベント。
第1部の「SDGs-1グランプリ」は、8組の人気芸人が“17種類あるSDGsの開発目標”のなかからひとつ以上のテーマをネタに組み込み、いかに楽しく、わかりやすく伝えらえるか!?を競う企画。審査員長の西川きよし、昨年のグランプリ優勝者・祇園(木﨑太郎、櫻井健一朗)をはじめ、ロングコートダディ、ニッポンの社長、男性ブランコ、マユリカ、オズワルド、松浦景子、エルフ、天才ピアニストといったそうそうたる顔ぶれが集結し、多彩な漫才・コントをくり広げた。
激戦の末、見事、グランプリに輝いた男性ブランコ(浦井のりひろ、平井まさあき)には「よしもとSDGsアンバサダー」の称号が授与され、BSよしもとでSDGsを発信する冠番組を制作することも発表された(MCは浅越ゴエ、吉岡久美子)。
取材・文=ソムタム田井