ユニクロは、2021年からごみ拾いとスポーツを融合させた「スポGOMI×ユニクロ」に取り組んでいる。今回、例年多くの注目を集める渋谷ハロウィーンの翌日に、渋谷の街で開催されるということで参加してみた。
全12チーム総勢30名が渋谷中央街に集結
朝8時に集合場所に向かうと、学生グループや親子、出勤前の会社員など幅広い参加者30名がオリジナルのユニフォームを受け取る光景が見られた。開会式では作戦タイムの時間も設けられ、各チーム「ポイントの高いペットボトルを狙おう」や「たばこの吸い殻が多そうなコンビニ付近を中心に回ろう」など、それぞれエリアマップを片手にコースをイメージ。「ごみ拾いはスポーツだ!」という掛け声と共に、筆者もハロウィーン翌日の渋谷へ繰り出した。
ハロウィーンの名残を感じるごみも多数
同日、渋谷区が開催するごみ拾いイベントを始め、多くのボランティアの姿も見受けられたため、そこまでごみは落ちていないだろうとたかをくくっていた。筆者も、ポイントの高いペットボトルやたばこの吸い殻を集めようと、路地裏や植木の付近を覗いてみると至るところにごみを発見。ここなら捨てても大丈夫だろうという、人間の心理が見え隠れして面白い。中には、明らかにハロウィーンの残党だと思われるカボチャのごみを拾って帰ってくる参加者もいた。
45分間で集まったごみの総量は、37.67キロに
45分の競技時間を終え戻ると、参加者はそれぞれ拾ったごみを分別し測定する。ごみ拾いとは言え、45分間のウォーキング、上下運動、拾ったごみを持ち続けるとなると、戻るころにはそれなりに疲労感を感じることにも驚きだ。スポGOMIは、ボランティア活動と異なり、ごみの重さとポイントを総合して競うスポーツのため、上位3チームには表彰および景品の贈呈が行われた。今回、45分間で集めたごみの総重量は37.67キロとなった。
時間をかけて意識を変えていくことが必要
新型コロナウイルスの影響もあり、今年の渋谷ハロウィーンは約3年ぶりの開催となったが、酒類販売の自粛要請や区長の呼びかけもあり、大きな事故や問題が起こることなく開催された。今回参加したごみ拾いイベントのような活動も盛んになり、日常よりもごみ問題に対する意識の高まりがみられたことは言うまでもない。参加者からは、「こうした特別なイベントに限らず、日常生活からたばこのポイ捨てを無くすなど、時間をかけて意識を変えていくことが必要」という話も聞かれた。
SDGsや環境問題が騒がれる昨今、一人ひとりの小さなアクションこそ世界の環境問題を改善する唯一の手段なのかもしれない。