生き物をヒントに世界が変わる!?科学絵本「すごい!ミミックメーカー」に注目

2023年7月19日

科学絵本『すごい!ミミックメーカー 生き物をヒントに世界を変えた発明家たち』が、西村書店から2023年7月11日に発売された。新幹線の高速化プロジェクトに携わった仲津英治さんなど、世界の「ミミックメーカー」10人が登場する。米国科学振興協会AAAS/SubaruベストSTEM絵本賞を受賞し、日本語版監修はサイエンス作家の竹内薫さんが担当した話題作だ。

『すごい! ミミックメーカー 生き物をヒントに世界を変えた発明家たち』が発売

ミミックメーカーとは

カワセミから着想を得た新幹線や、サメの肌を模した抗菌加工など、私たちの暮らしを豊かで便利にしてくれる技術や製品には、自然や生き物のすぐれた構造や形態の「まね(=ミミック)」から生まれたものがある。その研究は、「バイオミミクリー(生物模倣)」と呼ばれ、いま最も注目される科学分野のひとつだ。この分野で働く発明家のことを「ミミックメーカー」と呼ぶ。

本書では、「カワセミが水しぶきを上げずに水中に飛び込めるのは、なぜ?」「ヤモリはどうやって壁をのぼっているの?」といった生き物たちの「すごい!」や「なぜ?」を観察・研究して、人々の役に立つ新しいテクノロジーや製品を発明する10人のミミックメーカーを紹介している。

驚きや不思議でいっぱいの生き物たちは、新しいアイデアの宝庫

【画像】世界最速の新幹線はカワセミがモデル!?

世界最速の新幹線を開発した仲津英治さんは、趣味の野鳥観察から問題解決のヒントを見つけた!

「大人の方にも興味深く読んでいただける」

今回の書籍のリリースにあたり、担当者に話を聞いてみた。

「(本書の狙いや目的は?)この絵本では、生き物や自然から学び、新しいテクノロジーや製品を生み出す10人のミミックメーカーと8つの発明を紹介しています。自然や生き物への好奇心を育み、自分で考えて創造する楽しさを伝えるもので、大人の方にも興味深く読んでいただけると思います。また、バイオミミクリーは環境配慮や省エネ技術として注目されており、SDGsとも関わりが深い内容になっています」

「(本書のイチオシポイントは?)米国科学振興協会AAAS/SubaruベストSTEM絵本賞を受賞している点と、日本語版監修が『サイエンスZERO』などでも著名なサイエンス作家・竹内薫氏である点です」

「(ユーザーへのメッセージは?)この絵本に登場する人たちはみんな、生き物や自然をよく観察し、不思議がり、疑問を投げかけて、そこからすばらしいアイデアを集めています。生き物たちは最高の先生です!夏休みの自由研究のテーマにもぜひ活用ください」

■作者・監修者・訳者 プロフィール
文●クリステン・ノードストロム(Kristen Nordstrom)
ノンフィクションの作家、教師。アメリカ・カリフォルニア州にあるSTEAM※の小学校で教える。自身の授業では、子どもたちが外へ出て、見たものをスケッチし、疑問を投げかけ、自分たちの発明品を考えだしており、だれもがミミックメーカーになれると信じている。本書が初めての著作。
※STEAM(スティーム):Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の頭文字を組み合わせた教育概念。

絵●ポール・ボストン(Paul Boston)
イギリスの南ウェールズに住み、子ども向けの本にイラストをせっせと描いている。この本に取り組んでから、いつか自分でサマライ・ドローンを飛ばしてみたいと思っている。日本へ旅行して新幹線で山地に入り、カワセミやホタルを探しに行きたいとも考えている!

監修●竹内薫(たけうち・かおる)
1960年東京生まれ。猫好きサイエンス作家。YES International School 校長。主著に『99.9%は仮説』(光文社)、『宇宙のかけら』(青土社)など、訳書に『超圧縮地球生物全史』(ダイヤモンド社)など、監修書に『気温が1度上がると、どうなるの? 気候変動のしくみ』(西村書店)などがある。地球環境問題や犬猫の殺処分問題などでも積極的に発言している。趣味は野鳥撮影、カポエイラ、ルービックキューブ。

訳●今井悟朗(いまい・ごろう)
1971年横浜生まれ。主な訳書に『もしもせかいがたべものでできていたら』(フレーベル館)、『スチームパンク・ストーリー』『引き算のデザイン』(ともにグラフィック社)など。

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