アマネクが運営する「ホテル アマネク新宿歌舞伎町」が、日本の伝統的な器である「お重」と「小鉢」を併用した朝食のビュッフェ提供を開始。この提供スタイルによって、ビュッフェの取りすぎを防止し、フードロス問題の解決に寄与した“SDGsの達成”を目指すとともに、同ホテルの約9割を占めるインバウンドのユーザーへ“異文化体験”を提供していく考えだ。
「お重」と「小鉢」を取り入れた意図とは?
「SDGs推奨ホテル」として、竹製歯ブラシや竹製ヘアブラシの導入、館内電子インフォメーションによるペーパーレス化など、あらゆる観点から環境に配慮した取り組みを行っているという「ホテル アマネク新宿歌舞伎町」。
同ホテル広報担当者は、お重と小鉢を活用する新たな取り組みについて、「フードロス削減につなげる狙いがある」とコメント。「朝食は、メインとなるホットミールを5種からお選びいただくハーフビュッフェ形式で提供しているのですが、廃棄が出やすいビュッフェ形式でも、お重と小鉢を活用いただくことで過剰な食事提供と、お客様による食事の残しを防げます。ホットミールをお待ちいただいている間に、お重スタイルのビュッフェで楽しんでいただく。お料理だけではなく、そのような新しい体験価値を提供したいと考えています」と説明する。
また、現在ユーザーの9割がインバウンド利用となっているそうで「日本の伝統的な食器を海外からお越しのお客様に活用いただくことで“異文化体験”をお楽しみいただければと思っております。実際に利用された外国籍の方のなかには『beautiful!』と写真を撮る方もいらっしゃいまして、ご自身でお重の中を好きに入れ替えて“オリジナルお重”を作ってお楽しみいただいているご様子です」と、新たな取り組みが受け入れられていることを教えてくれた。
新たな提供スタイルのアイデアはどこから生まれた?課題は?
テーマに“和モダン”を掲げるとともに、場所柄、インバウンド利用客が多いことからも、食事の提供において「日本を代表する文化を取り入れよう」と考えていた同ホテル。このアイデアを実現した経緯として「特に外国籍のお客様には、温泉旅館のようなハードルの高い和朝食ではなく、日ごろ慣れ親しんでいらっしゃるビュッフェスタイルのなかで、日本の伝統的なお重をトレー代わりに使って、気軽に異文化体験をしていただきたいと考えました」とコメント。
ただ、ビュッフェとしてスタンダードな大皿での提供ではなく、小鉢での提供を基本としているこのスタイルでは、盛り付け・食事の補充・洗い物など、あらゆる面で作業が増えてしまうということが課題に。その対策については「飲食担当部署以外のスタッフが閑散時間を利用してこれらの作業ができるよう、飲食業務に関わるタスクをわかりやすく体系化して対応しております」とのことだった。
今回の提供スタイルのイチオシポイントは?
コンパクトなお重をトレー代わりにし、そこに料理が盛り付けられた好きな小鉢を入れていく同ホテルの提供スタイル。
広報担当者は、「お重のサイズはちょうど小鉢が収まる六寸を採用。1回でおなかいっぱいになるのではなく、何回も取りに行く楽しさを感じていただきたい、というコンセプトがあるんです。また、お重の中に色とりどりの小鉢を自由に配置していただけるのもイチオシポイントとなっています。お重には4つの小鉢を並べることができるため、遊び心をもってパズルのように好きなお食事を並べて、お客様一人ひとりがそれぞれ違ったきれいな色合いを楽しめるというのも、このスタイルならではの体験だと考えています」とアピールする。
最後に「大皿に盛り付ける通常のビュッフェスタイルでは、閉店の際にお皿に入っている料理は全てロスになります。一方で、大皿の中に少ない量しか入っていない状況だと見栄えが悪いという課題があります。今回取り入れた小鉢でのご提供スタイルですと、状況に応じて小鉢を陳列する数を柔軟にコントロールできるため、フードロスの削減につながっていると考えています」と、その効果についても強調した。
同ホテルのダイニングは、落ち着いたラグジュアリーな内装や、併設された吹き抜けのテラス席など、新宿の中心街でも落ち着いた空間で食事を楽しめるのがポイント。宿泊者でなくても利用できるので、気になる方は、朝食を体験しに行ってみてはいかがだろうか。