日々の掃除に欠かせない「コロコロ」大ヒットの理由とは?ゴキブリ駆除製品をきっかけに誕生

2023年12月28日

普段から掃除が好き・嫌いにかかわらず誰もが知っているであろう、粘着クリーナー「コロコロ」。その名のとおり、転がすだけで床や衣服のほこりや髪の毛などをキャッチしてくれるのが大きな魅力だ。ちなみに「コロコロ」は商標登録されており、株式会社ニトムズ(以下、ニトムズ)が製造・販売している製品である。

今でこそコロコロは家庭の必需品となっているが、コロコロはどのような経緯で誕生し、いかにして大ヒットにいたったのだろうか。

今回は、ニトムズ事業統括部 企画開発部の和田幸洋さんに、コロコロの誕生秘話と大ヒットのきっかけ、そして業界トップシェアであり続ける理由などについて聞いた。

床の清掃に最適な形状を探した結果、ペンキ用ローラーからヒントを得てこの形になったという


「コロコロ」誕生のきっかけとなった商品「ゴキ逮捕」は在庫の山に…

工業用の粘着テープの製造・販売を行う日東電工株式会社(Nitto)が、一般消費者向けの製品を供給するため、1975年にニトムズを創業。当時の若手開発チームは、月間100個にもおよぶ製品アイデアを考案し、1978年には、強みである粘着技術を活かしてゴキブリを駆除する「ゴキ逮捕」という製品を開発した。だが、思うように売り上げが伸びず、大量の在庫を抱えてしまったという。

「ある日、『ゴキ逮捕』の在庫管理をしている社員が、クラフトテープを逆巻きにして衣服についたほこりをペタペタと取っていたそうです。それを目撃した若手開発者が、『粘着テープは新たな掃除道具になる!』とひらめき、1983年に『粘着カーペットクリーナ』(後の『コロコロ』)を発売しました。当時の掃除といえば、ほうきで掃いたり雑巾で拭くなどが一般的だったなか、“粘着でゴミを取る”というのは大変画期的でした」

コロコロ誕生のきっかけとなった製品「ゴキ逮捕」。平らな部分に粘着シートを付けた製品だったが、俊敏なゴキブリを捕まえるのは難しかったそうだ【画像提供=ニトムズ】


いくら画期的であっても、世間に認知されないと意味がない。そこでニトムズは、DIYブームもありにぎわっていたホームセンターの店舗で、スタッフが実演販売をしたり、テレビCMを打つなどして認知を拡大していった。

「地道な活動もあって、お客様からは次第に『コロコロするやつほしい』とお声をいただくようになりました」と和田さん。そうして、発売から2年後の1985年に「コロコロ」に名前を変更、後に商標を取得。今では「コロコロ」と言えば通じるほどの知名度を得ており、馴染み深いものになっている。

初代「コロコロ」。実演販売の際は、ゴミや床材を準備したりと地道な活動だったそう【画像提供=ニトムズ】


使いやすさの追求とさまざまなシーンに適した製品づくり

主に梱包テープなどに使用されていた「粘着性」を応用し、新たな掃除の方法を生み出したニトムズ。現在では、あらゆるメーカーが粘着クリーナーを発売しているわけだが、他社にはないコロコロの強みとは一体何なのだろうか。

「私たちは、お客様がストレスフリーで最後まで使える製品づくりを徹底しています。そのため、転がす方向がひと目でわかるよう矢印を印刷し、オレンジのラインを施してまっすぐに切れるようにするなどの工夫をしています。また、粘着力のバランスにも細心の注意を払っており、床にくっつかないようにしつつ、ゴミをしっかり取っている感触を得られる設計になっています」

「コロコロ フロアクリン スカットカット」。独自の粘着設計でフローリングでも使用しやすい仕様になっている【画像提供=ニトムズ】

どの方向に転がして、どこで切ればよいのかがひと目でわかる親切設計だ【画像提供=ニトムズ】


粘着クリーナーには、紙の上に糊を塗布していく「平面塗り」という、オーソドックスなタイプがある。ただ、ニトムズはそれだけに留まらず、一般家庭でのフローリングの普及に合わせて、転がすと静電気が発生し吸着するような製品や、強粘着と弱粘着のW設計でカーペットとフローリングの両方に使用できる製品と、さまざまなタイプを発売している。さらに、使いやすさを追求する一方で、幅広いシーンに合わせた製品展開も。

「これまで弊社では、時代の流れや生活スタイルの変化に合わせ、さまざまな形態の製品を展開してきました。ここ数年だと、キャンプの需要が増えてきたので、テント内の清掃に使用できる『コロコロ テントクリーナー』を開発しました。これは、持ち運びを重視して通常より持ち手が短く、軽量になっています。また、落としても壊れない素材とアウトドアシーンに合うデザイン、環境面などを考慮して、プラスチックではなく帆布のケースを採用しました」

「コロコロ テントクリーナー」。コロコロのラインナップはなんと180種類もあるという(2023年5月時点)【画像提供=ニトムズ】

タッチパネルの指紋汚れをキャッチする「指紋コロコロ ミニ」。これひとつで約2000回使用できるのだとか【画像提供=ニトムズ】


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