2030年のゴールに向かって、世界中でSDGs(エス・ディー・ジーズ/持続可能な開発目標)に関する動きが加速している。海洋ごみを減らしていき、“未来の青森の海をもっと綺麗に”という想いを込めたプロジェクトに参加する北洋硝子株式会社もそうした企業のひとつ。今回は、同社持株会社である石塚硝子株式会社広報チーム・川島健太郎さんに、SDGsへの具体的な取り組みについて聞いた。
未来の海を変えるプロジェクト
――事業内容について教えてください。
「ガラスびん、ガラス食器、紙容器、プラスチック容器、セラミックス製品の製造・販売を手掛けています」
――以前からSDGsの理念に通じる事業に取り組まれているとのことですが、具体的にはどのような事業でしょうか?
「不要になり漁港に積み上げられて放置された漁業用のガラス製浮玉を回収し、網を外し洗浄・粉砕・溶解を経て職人の手で再成形し、アップサイクルしたインテリア製品を販売しています」
――放置された浮玉をアップサイクルして販売するようになったきっかけを教えて下さい
「北洋硝子株式会社は1949年に青森県青森市で漁業用の浮玉を製造する工場として創業し、1973年には国内トップの生産高となりました。時代とともに樹脂製の浮玉が主流となり、漁師の高齢化や後継者問題に伴う廃業や廃棄が困難である事から漁港に積み上げて放置され、処分に困った地元の漁業協同組合から北洋硝子へ相談が寄せられたのがきっかけです。かつて浮玉製造を担ってきたガラス工場として『今ある資源を無駄にしたくない』『青森の美しい景色を守りたい』との想いから、ガラス製の浮玉を回収し製品化が実現しました」
――取り組みの具体的な事例について教えて下さい。
「浮玉はもともと日本酒などの一升瓶をリサイクルして作っていました。再生可能な素材であることから、海岸の美観を損ねる不要な浮玉を回収し製品化を実現しました」
――製品化した浮玉をどのように販売されているのでしょうか?
「2023年春からオンラインショップ・津軽びいどろミッドタウン八重洲店を含め、このプロジェクトに賛同いただいた店舗で販売しています。また、2023年12月10日(日)までの期間限定ショップが仙台PARCOにオープンしています」
――今後の展望について教えてください
「一度に溶解する浮玉は約100個、例えば1つの浮玉(約3キロ)から約24個の風鈴がアップサイクルされます。継続して事業推進できるよう、今後の目標としてシリーズ第二弾の発売が既に決定しています」