SDGsに貢献しすぎなレザー界の新星「ココナッツレザー」って?原料は廃棄のココナッツウォーターで、使い終わったら土に還せる!?

2024年2月9日

注目のトピックスや新商品、画期的なサービスなど、今知っておきたいホットな情報をOneNews編集部がピックアップ。

今回取り上げるのは、レザー界の新星「ココナッツレザー」。ココナッツウォーターから作られる「ココナッツレザー」は、染料やコーティングも含めて、すべて植物由来。また、使い終わったココナッツレザーアイテムをエシカリージャパン合同会社に返送すると、土の堆肥にしてくれるとのこと。「ココナッツレザー」の誕生秘話、ブランドに込められた想いを担当者に聞いてみた。

「never leather」


――「ココナッツレザー」とは、どのようなものですか?
ココナッツレザーは、大量に廃棄予定だった南インドのココナッツウォーターを発酵させて作った新素材です。麻やバナナの茎などの天然繊維を混ぜることで耐久性の高い素材となります。染料やコーティングも含めて、すべて植物由来で、動物性の材料を使用しないヴィーガン素材のためPeTA認証取得済みです。

――イチオシポイントを教えてください。
動物の革でも合皮でもない「植物性レザー」らしく、素材の凹凸感と繊維感が醸し出す独特の存在感が魅力です。ブランド名であるnever leatherの“never”には私たちのアイテムが「ずっとこのままの状態ではない」という“forever”へのアンチテーゼと循環の意味を込めました。ナチュラルな風合い、エイジング、そしてクロージング(最後は土に還る)までのエコサイクルを楽しめるのが最大のポイントです。

【画像】上品で洗練されたココナッツレザーアイテム


――商品を使用することでどのような社会問題が解決されますか?
インドではココナッツの大量廃棄が社会問題になっています。余ったココナッツウォーターは毎日数千リットルも廃棄され水質汚染・土壌の酸性化の原因になっています。廃棄ココナッツウォーターを活用することで「環境汚染を軽減する」「インドの雇用をつくる」「日本にフェアトレード・アップサイクルを広める」というSDGsに貢献します。

具体的には下記のSDGsゴールに寄与しています。
1:貧困をなくそう
8:働きがいも経済成長も
10:人や国の不平等をなくそう
12:つくる責任、つかう責任
14:海の豊かさを守ろう
15:陸の豊かさも守ろう

SDGs6項目に貢献


――ココナッツレザーの製造過程において苦労したことはありますか?
新素材で扱い方が確立されていないココナッツレザー生地を国内で製品化できる工房を見つけることが大変でした。当社代表が卸先や工房とのつながりをゼロから作るために全国を駆け回り、ともに製品化を目指す工房と出合えました。現在はアパレル・文具・インテリア・ホテルなど多くの業界から本革・合皮とは一線を画す新素材として注目されています。

――ココナッツレザーを土に還すサービスを開始する意図や狙いを教えてください。
日本人のプラスチックごみ廃棄量は世界第2位(※1)で、私たちの便利な生活にプラスチックは欠かせないものです。しかしプラスチックが自然分解されるのに400年以上かかると言われています。一方、ココナッツレザーは約120日で土の養分となります(※2)。自然環境に過度に負担を強いることなく、また、罪悪感なく日々の生活を楽しみたいという想いで、土に還すサービス「さよならの作法」を立ち上げました。具体的には、使い古したnever leatherのレザーアイテムを当社に返送していただければ、当社が責任をもって安全に土に還します、という内容です。
※1 国連環境計画(UNEP)による 
※2 刻んでコンポストにした場合

――読者へのメッセージをお願いします。
ココナッツというと、南国のリラックスした雰囲気を連想します。そのココナッツが姿を変えて、レザーとして私たちの日常に寄り添うことができるようになったことをぜひ知っていただければうれしいです。ココナッツの木のようにしなやかに風に揺られ、大きな実をつけて、最後には土に還り、未来の生き物のための栄養になるー。その大きなサイクルの中に私たちも存在しています。never leatherのレザーアイテムに触れるたびに、そのおおらかな自然の循環を感じていただけたら幸いです。

never leather 名刺入れ


スマートすぎる「ココナッツレザー」が気になった人は、この機会にチェックしてみよう。

文=土屋梨夢

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