【千葉大学×京葉銀行】楽しくSDGsを学ぶことができる子ども向けカードゲームに込められた想いとは?

2024年3月10日

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今回取り上げるのは、SDGs啓発を目的にしたカードゲーム。千葉大学の環境ISO学生委員会と株式会社京葉銀行によるecoプロジェクトの一環として作成された子ども向けのカードゲームは、神経衰弱のような絵合わせを行うゲームで、遊びながらSDGsについて学ぶことができる。そんなカードゲームについて、千葉大学環境ISO学生委員会の顧問、学生に話を聞いてみた。

SDGs啓発を目的にしたカードゲーム


――SDGs啓発を目的にしたカードゲームを作成、公開した狙いについて教えてください。
SDGsの目標達成期限まであと6年と迫るものの、世界的な達成状況は芳しくありません。SDGsは世の中にだいぶ浸透してきましたが、まだまだ子どもや中高生の中にはなじみが薄い人もいると思います。SDGsの一つひとつは大きな目標ですが、大学生の私たちがまずできることは、SDGsの中身について知って興味を持ってもらうという啓発部分だと考えました。そこで、子どもを中心に、神経衰弱のような親しみやすい遊びを通じて、SDGsについて楽しく学んでほしいと思い、このゲームを企画しました。ご家庭や学校でも簡単にダウンロードして作ることができるので、より多くの地域、多くの方に楽しく遊んでいただけると思っています。

――今回作成したカードゲームの特徴・イチオシポイントを教えてください。
神経衰弱のゲームを成り立たせる絵合わせの要素として、SDGsのロゴを使いました。カードにはSDGsの17の目標のペアが一組ずつあり、ロゴだけでなく目標の意味やクイズも記載することで、幅広い年齢層のみなさんに、楽しくかつわかりやすく学んでいただけるように心掛けて制作しました。

――SDGs啓発を目的にしたカードゲームのアイデアはどのようにして生まれましたか?
SDGsについて子どもたちにどうすればわかりやすく伝えられるか考える過程で、環境ISO学生委員会のこれまでの経験から、SDGsなどの難しいトピックに関する学習を「楽しく」行う重要性を実感しました。そこでトランプのような多くの人にとってなじみのあるものを参考にして制作チーム内で話し合い、ルールが簡単でかつSDGsのロゴを活かして遊ぶことができる、神経衰弱のカードゲームに決定しました。

――ecoプロジェクトとはどのようなプロジェクトなのでしょうか?また、株式会社京葉銀行とはどのような経緯でプロジェクトを実施することになったのでしょうか?
千葉大学と京葉銀行は2012年に包括連携協定を結んでおり、地域のみなさまへのさまざまな“付加価値”の提供と、地域社会、経済、産業の発展と活性化に積極的に取り組んできました。このような背景から、千葉大学で環境活動を主体的に担っている環境ISO学生委員会と京葉銀行が協同で、2017年から「ecoプロジェクト~7色の虹を千葉から未来へ」を実施しています。

千葉大学×京葉銀行ecoプロジェクト


本プロジェクトでは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、まずは「地域の環境負荷削減と環境意識向上に貢献したい」という想いで、京葉銀行の行員や取引先企業、地域住民、千葉大学の学生などを含めた千葉県内の多くの方々を対象に、環境意識の啓発活動を実践しています。京葉銀行から環境ISO学生委員会に寄付金を提供してくださったり、取引先の紹介、企画へのアドバイス、機会の提供などを行っていただき、環境ISO学生委員会が企画立案、コンテンツ作成、運営などを行っています。

――最後にユーザーの方へメッセージをお願いします。
SDGsの啓発と聞くと堅苦しそうなイメージを持たれてしまうかもしれませんが、ぜひ家族や友人等と楽しくゲームをしていただいて、たくさんの方がSDGsについて考えるきっかけにしたり、もっと身近に感じたりしていただければ幸いです。

カードゲームで楽しくSDGsを学ぼう

カードゲームの遊び方は基本的に神経衰弱と一緒。カードにはSDGsのロゴに加え、目標の意味やクイズも記載することで楽しくSDGsについて学ぶことができる。

【画像】お子さま向けと中高生向けの2種類が用意。それぞれの狙いは?


カードは対象年齢別に3歳以上を対象としたお子さま向けと、12歳以上を対象とした中高生向けの2種類を用意。お子さま向けは、子どもがカードをめくった際に、おうちの方が、目標の意味や書かれている内容についてわかりやすく説明して、SDGs理解につなげてもらうことを目的としており、中高生向けは、カードをめくった際に、SDGsの目標や書かれている内容について、“その期限”や、“私たちにできること”を考えてもらうことを目的としている。

また、それぞれのカードには空白のカードも用意してあり、「それぞれの目標を達成するために自分ができること」や、「各目標の現状」などを、遊ぶ人自身が書くことで、オリジナルカードのようにして使用することも可能だ。

子どもや中高生にとってはまだまだ理解されていないことも多いSDGs。このカードゲームは、そんなSDGsを楽しく学び、未来について考えるきっかけを与えてくれる。PDFを印刷し、はさみで切るだけなのでカード作成も簡単。ぜひ一度、家族で遊んでみては?

文=吉田知生