伝統と薬草のまち、奈良県宇陀市発!自然の味にこだわった、健康に寄り添うクラフトコーラ「帰楽可楽(きらくコーラ)」とは?

2024年10月8日

1400年以上前の推古天皇の時代から宮廷行事である「薬狩り」が行われたという記載がある奈良県宇陀市では、古くから大和当帰などの薬草を栽培し、地域の健康と伝統文化を支えてきた。

そんな奈良県宇陀(うだ)市で生産される「大和当帰(とうき)葉」を用いたクラフトコーラ「帰楽可楽(きらくコーラ)」 が、地域資源を活用した食品開発を行う「なつかしいみらいサービス株式会社」によって開発され、2024年9月5日よりオンラインで販売開始された。19世紀の欧米で、「万能薬」や「風邪薬」として飲まれていたコーラの起源である「薬」の概念に立ち返って、ほんのり薬草が香る優しい味わいの「帰楽可楽」。そんな「帰楽可楽」は、薬草の文化と伝統を次世代へと継承していくため、現代の健康と地域の伝統文化を結びつけるために開発されたという背景がある。

1400年続く薬草のまちから新登場したクラフトコーラ「帰楽可楽(きらくコーラ)」

今回は「帰楽可楽」の反響やこだわりなどについて、担当者に話を聞いてみた。

――クラフトコーラ「帰楽可楽」の開発・販売に関して、狙いやターゲットなどについて教えてください。

もともと販売していたクラフトコーラを、より多くの方に手に取っていただきたいということで、パッケージデザインから再構築しました。より洗練されたデザインで、これまでの主な顧客層である45歳以上の人々だけでなく、もっと若いお客さまに「オシャレ」な印象を持っていただけるように工夫しました。また、クラフトコーラの開発背景や世界観を知っていただき、活動のファンになっていただけるよう、ブランドとして独立させることになりました。

――クラフトコーラに薬草を使うアイデアはどのようにして生まれましたか?また、その実現に向けて苦労した点などあれば、それをどうクリアしたかとあわせて教えてください。

2012年の薬事法改正で今まで生薬の材料にならずに捨てられていた「大和当帰葉」の食用が可能になりました。この大和当帰葉を無駄にすることなく、日常生活に取り入れられないかというところから、私たちの行動は始まりました。そして、現代の健康と薬草の町ならではの伝統文化を結びつける方法として、その昔「薬」として飲まれていた「コーラ」に着目しました。

ただの清涼飲料水ではなく、本来コーラが人々にもたらすべき「健康」にこだわって商品開発を行い、試行錯誤の末、心と身体が喜ぶ「帰楽可楽」が完成しました。栄養豊富な大和当帰葉を中心に、身体を冷やしにくいスパイスをブレンドし、無添加で飲む方にも寄り添う飲み物に仕上げました。実現に向けて苦労した点は、「味のバランス」です。大和当帰葉は香りが強く、料理などではアクセントとして使用されることが多いため、クラフトコーラの味としてどこまで主張させるかが課題でした。尖りを意識して、あえて香りを強くすることもできましたが、より多くの皆さまに手軽にお楽しみいただけるよう、ほんのり薬草が香る優しい味わいに仕上げました。

「帰楽可楽」の材料に使われる伝承の生薬「大和当帰葉」


――「帰楽可楽」の味について、注目してほしい点やこだわりなどあれば教えてください。

大和当帰葉の香りと味わいです。和ハーブのさっぱりとした香りやほんのりピリッとした後味を体験していただければ幸いです。また、甘さは控えめなので、アイスクリームにかけたり、ワインと割ってもお楽しみいただけます。

【写真】甘さ控えめでスッキリとした味わいに仕上がったクラフトコーラは、料理とも相性抜群


――これまでの「帰楽可楽」の反響はいかがですか?

オンラインの販売については、Instagramやクラフトコーラ専門メディアからの流入で購入いただくケースが多いです。クラフトコーラメディアの関係者の方々にもご反応をいただいており、帰楽可楽の世界観や開発背景に関心を示していただいております。

また、実店舗については主に農園に隣接する「うだ薬湯の宿 やたきや」での販売となりますが、ありがたいことに、イベント出店のオファーなどもいただいております。この「うだ薬湯の宿 やたきや」は、宇陀の豊かな自然広がる景色を未来へ継承したいという想いでスタートした古民家宿になっており、空き家となっていた古民家や、整備されていない周辺の自然環境を再開発・管理することで地域資源を保全しつつ、その魅力を世界に発信できればと思っています。自然に囲まれ、心安らぐ場所である「やたきや」がインスピレーションとなり「帰楽可楽」の世界観が作られ、宿泊で訪れたお客様にも手に取っていただいております。

田園風景に囲まれた宇陀の里山に佇む「うだ薬湯の宿 やたきや」


――サスティナブルな農業に取り組む「宇陀まほろば薬菜園」など、地域の豊かな里山と文化を守る取り組みのアイデアはどのようにして生まれましたか?また、その実現に向けて苦労した点などあれば、教えてください。

まず何を栽培するかとなったときに、この宇陀ならではの作目に取り組みたいという思いから薬草や伝統野菜を選択しました。その中で私たちがまず考えたのが「体の調子を整える野菜や薬草を作る環境が、不健康でいいはずがない」ということです。農薬や化学肥料に頼らずに、大自然の循環の中で、自然と暮らしが調和する安心な農業に取り組みたいという思いからこの薬菜園は始まりました。

豊かな里山と文化を守る取り組み方のひとつとして農業を行っていますが、農業は土地を活用して行う産業なので、やはり地域の方に受け入れてもらうことが一番の苦労だったと思います。自分たちが目指したい目標や方法があっても、その地域の循環に受け入れてもらえなければ行動に移すこともできません。そのためにも地域で行われる活動に積極的に参加し、お互いに理解を深め合うことで、共助の関係性を作ることができました。その何気ない会話の中にある地域の課題や困りごとが次の行動のきっかけになり、そういった課題を一つひとつ解決することで地域活性が上がり、地域環境を守れると考えています。また、自然が相手なので、毎年環境が変わることもひとつの大変なポイントです。「今何をしてほしいのだろうか?」と悩まされることも多いですが、考えることを楽しみながら日々取り組んでいます。

宇陀まほろば薬菜園では、"有機物を再び自然に帰す”というスローガンのもと、サスティナブルな農業が行われている


古くから栽培されてきた薬草「大和当帰葉」を使った「帰楽可楽」は、一般的に持つ体に悪そうなイメージを覆し、本来コーラが人々にもたらすべき「健康」の起源に立ち返っている。肥沃な自然ですくすくと育った素材の風味を、最大限に活かしたクラフトコーラをぜひ味わってみてはいかがだろうか?

【帰楽可楽 商品詳細】
■ジャンル:クラフトコーラシロップ(原液)
■商品名:帰楽可楽〈きらくコーラ〉大和当帰 コーラ シロップ
■原材料名:てんさい糖(国内製造)、レモン、レモン果汁(濃縮還元)、生姜、大和当帰葉(奈良県宇陀市産)、シナモン、クローブ、カルダモン、コリアンダー、黒胡椒
■飲み方:炭酸水などで1:4で割ってお召し上がりください。
※本品とお好みのワインを、1:5の割合で割り、電子レンジ500ワットで1分間温めてもおいしくいただけます。
■容量:300ミリリットル
■価格:2500円
■公式オンラインストア: https://kirakucola.com/


※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

文=平岡大和

ウォーカープラス編集部 Twitter