偉大な兄に負けたくないけど誇らしい!妹ならではの感情とは?
今回の漫画のテーマは、「ほっこり可愛い兄妹げんか」です。
まだまだ幼く頼りないさくらと、久しぶりのお客様にわくわくする兄・らぶ。感情が少しズレただけで「けんか」になってしまうこともあるだろうな。でも2匹の「けんか」ならきっと可愛いくて、最終的にはほっこりするのだろうなと、想像しながら描きました。
また、今回はらぶとさくらが人間の兄妹だったら…?と想像して描いたコマがあります。らぶが駅舎で幼い兄妹に撫でられているコマです。「らぶとさくらがもしも人間だったらこんなイメージかな?」と思いながら描きました。
最初はらぶの言い方に「怒ってにゃかった?」といじけていたさくらですが、最終的に兄を誇りに思う姿には、妹ならではの複雑な思いもあります。
らぶの働きぶりってすごいですよね。同じ社会人として、見習わなくてはといつも思います。そしてもし、こんなお兄ちゃんがいたら自分はどう思うのかな?と考え、さくらの気持ちに投影しています。単純に「お兄ちゃんすごい」だけではないだろうなと。私も実際に妹だからわかるのですが、お兄ちゃんが褒められると心の中では「負けたくない」気持ちが芽生えたり。それなのに友達に「お前のお兄ちゃんすごいな!」なんて言われると、誇らしくなったりもして。そんな簡単ではない感情を、物語を通して描けたらいいなと思いました。最後のコマでのさくらの言葉は、お兄ちゃんへの誇らしい気持ちと、そんなお兄ちゃんを独り占めできる嬉しさもあるのかなと思っています。
さくらやらぶの愛らしさだけでなく、季節とともに変化する風景もこの漫画の見どころです。今回のお話ではホームから見た木々が、桜から新緑へと変わっています。この季節に会津に行ってみようかな?という「きっかけ」になれたら嬉しいです。
偉大な兄の姿を今はただ見ているだけのさくら。だが季節の変化と共に、もうじき独り立ちの時期が訪れる。成長していくさくらの今後と会津鉄道・芦ノ牧温泉駅の美しい風景を、これからも楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京