「NMB48で起業してみたら?」と提案が!こじりんに足りないのは「冒険」と「弱さ」?
箕輪さんは「怪獣人間の手懐け方」で過去に経験した“どん底”について語っており、それが彼の強さになっているという。しかしこじりんは、そもそも“どん底”を経験していないことに悩んでいる様子。
小嶋「私、どん底を経験したことがないんです。なんかうまく手を抜けてしまうというか、考えすぎないからなのかわからないんですけど…」
箕輪「もしかしたら、普通の人がどん底と感じるような状況でも、そう感じないくらい強く振る舞っているのかもしれない。そこは、花梨さんの強みかもしれないね」
小嶋「自分のなかでは、恐怖を経験していないからこそ立ち向かうことができないのかなって思っています」
箕輪「全然そのままでもいいと思うけど、居心地のいい場所から一度抜けてみるのもありかもね。おそらく、どんな役割を任せられても、80点以上は出せる人だと思うから、あえて自分が20点しか出せない場所に足を踏み入れてみるのもありかも!」
小嶋「新しい自分を見つけるということですね」
箕輪「実は僕、今度スイスでムキムキの人とキックボクシングの試合(※)をするの。もうね、絶対負けるのよ(笑)。つまりそういうこと」※試合はすでに終了
小嶋「え!?何でチャレンジしようと思ったんですか?」
箕輪「楽しそうじゃん!だってわけわからなくない?絶対に負けるキックボクシングの試合をするために、わざわざスイスに行くって。こういう冒険をしてみるのもいいんじゃないかな?」
小嶋「それを聞くと、『私は冒険をしたことがないんだな』って感じますね…」
箕輪「とはいえ、一般の人からしたら、NMB48のキャプテンをやってることがもう、とんでもないことだけどね」
小嶋「そうですかね~。やっぱり自分には今の刺激じゃ足りないのかもしれません」
箕輪「でしょ?冒険しなよ!キックボクシングの主催者に花梨さんも参加できるよう掛け合おうか?(笑)。まぁ、さすがにスイスは無茶かもしれないけど、雑でいいから、自分が普段行かないところに行って恥をかくのはいいかもね」
小嶋「そうですよね。これまで恥をかくことを避けて生きてきたところがあるんです。ただ、私も含めて、その第一歩が怖いって人も多いと思うんですよね」
箕輪「それはそうだと思う。特に花梨さんのようなキャプテンだと、周りの人の期待もあるしね。ただ、そんな人が出す“弱い部分”に惹かれる人も多い。僕の場合だと、『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)が発売されたころ、世間は『箕輪、調子乗ってんなぁ』ってなってて。そこからスキャンダルの件もあって、秋元さんがタイトルを付けてくれた『かすり傷も痛かった』(幻冬舎)が発売されて、世間は『それでいいじゃん箕輪』ってなったわけ。傷ついて弱い部分を見せることで、ファンができることもあるよ」
箕輪「アイドルに限らず、あらゆる場所、ビジネスパーソンでも、個人で生きてる人って、やっぱりある程度傷がないと生きていけないのかなって思う。僕も『死ぬこと以外かすり傷』で15万部ぐらい売れたけど、このキャラじゃ40代以降生きられないからね。傷を負ってキャラ変して、また傷を負っての繰り返しだね」
小嶋「やっぱり傷が必要なんですね(笑)。そのためには冒険が必要ですけど、どこまでしたらいいのか、何かヒントをいただけるとうれしいです」
箕輪「今、NMB48ってどれくらい人気あるの?」
小嶋「大阪城ホールを埋めるのが難しいくらいですね」
箕輪「NMB48劇場はどれくらいなの?」
小嶋「NMB48劇場は240人です」
箕輪「けど劇場はいつもけっこう埋まるんでしょ?めっちゃすごいじゃん!」
小嶋「そうなんですよ。以前は、欲張って大きいことを言ってたりもしてたんですけど、最近は『一番近くの人たちから愛されるグループでありたい』と強く感じています。こうした心境の変化もあって、いろいろな人たちと関わりたいと思ったんです」
箕輪「NMB48で起業とかしてみたら?」
小嶋「それめっちゃ興味あります!」
箕輪「そういう独自の活動をしたほうが、秋元さんとか業界の人たちは『NMB48、おもしろい!』ってなる気がする」
小嶋「秋元さんに会えたことがなかったから、1年半くらい前のライブで『秋元さんにNMB48の魅力を伝えに行く!』って宣言したんですよ。でも、ダメでした(笑)」
箕輪「『おもしろい子だなぁ』とは思ったはずだよ。でも秋元さんって、グイグイ来られると応えないの(笑)。僕も昔、『秋元さんの会議がおもしろいから参加して』って言われたから2回くらい参加したんだけど、それ以降面倒臭くって出なくなったの。でもそれを見て『あいつおもしろいな』ってなったみたいだから、塩対応くらいのほうがいいのかもね(笑)」
小嶋「うーん、やっぱり常識から外れているくらいのほうがいいのかもしれないですね」
箕輪「いい劇場があって、すばらしいメンバーもたくさんいて、正直、贅沢な環境だと思う。そのキャプテンなんだから、なんだってできるよ。ビジネスだってできるし、フェスもできる。仮にチャレンジしてミスをしたとしても、ちょっと傷がつくだけだから。今は絶対に大きな傷がつかない安定した環境にいると思うけど、花梨さんはちゃんと責任感がある人だから、その環境を活用してチームをしっかりと回せているよね。だから、“4割できそうだけど、6割は失敗するかな”くらいの挑戦からやってみればいいんじゃない?」
小嶋「巻き込むのはグループだけ?それとも、外部の方や企業さんもですか?」
箕輪「最初はちっちゃくでもいいけど、まずはその巻き込む範囲を決めてみることかな。あと、内容は“自分が”わくわくするものでよくて、他人からは共感されなくてもいいのよ。僕はスイスでキックボクシングの試合をするけど、周りから見たら意味わかんないよね。ただ、僕は昔からやってみたいなと思っていた。花梨さんにもそういうことない?」
小嶋「実は、先ほどチラッとおっしゃっていましたけど、関西にアイドルフェスがないので私たち主催でやってみたいなと思っているんです」
箕輪「いや、まだ殻に閉じこもってるよ。『道頓堀飛び込みフェス』くらいしなきゃ(笑)」
小嶋「うわぁ!私も、そういうこと言いたいです(笑)」
箕輪「阪神タイガースが優勝したときに飛び込んだ人をMCにしたらいいじゃん!別に世間体とか気にしなくていいから。花梨さんだけじゃなく、AKBグループの人たちを見ていると、高校球児のような雰囲気になってるからね。とはいえ、それを『応援したい』って人がたくさんいるのも事実なんだけど」
小嶋「“与えられたことをこなす”という仕事が多かったからかな。『もっとおもしろいことやりたいなぁ』って思うんです」
箕輪「いいじゃん!あと僕、『大阪のお土産って難しい』と思ってて。だから『NMB48株式会社』を立ち上げて、大阪のお土産を開発して、めっちゃ儲かってる!ってなれば、秋元さんも気になってくれるかもよ?熱意あるメッセージなんて、秋元さんは昔から散々聞いてきたから、実はあんまり効果がないんじゃないかな」
小嶋「なるほど…。せっかくだから、“大阪のアイドル”というのを武器にしたほうがいいですよね」
箕輪「そうだね。これは1個のアイデアだけど、とにかく自分でビジネスをやってみるってことかな。せっかくいろいろな社長さんたちと出会ってるんだから、そうした人たちから出資を募って会社を作るのもありだよね。ちなみに花梨さんは、これからどういう人生にしていきたいの?」
小嶋「今の活動以上に興味を持てることがないんです。ただ、埼玉県出身で関西に出てきて、関西がすごく好きになって、『生涯、大阪にいたい』と思うようになりました。だから、ざっくりとしていますけど、“関西で愛される人になりたい”という思いはあります」
箕輪「ところで、アイドル的にこのインタビュー、大丈夫なの?編集入りまくって、挨拶して終わり!とかないよね(笑)。まぁ今回は、花梨さんの“常識の枠”を外せたということで!」
小嶋「ありがとうございます。ずっと枠を外したいと思っていたから、本当にいいお話が聞けました。私はこれから変われるでしょうか?」
箕輪「僕はよく自分の頭の中で、トンビが獲物を獲っている様子を想像するの。1回獲物を獲って、そのあとは次の獲物を探すためにゆらゆらしているよね。人生に置き換えると、そこがけっこう大事だと思う。花梨さんも、キャプテンに任命されたときは必死だったはず。そして今は『私、何やってるんだろうな』と思いながらも、目の前のことを一生懸命やる時間なんだろうけど、これがすごく大事。そこから悩んで、いろいろな人に会っていれば、必ず活路が見出せると思う。まだ24歳なんだし、ゆらゆらしている時間に対して焦る必要はない。その時間を楽しめばいいと思うよ」
小嶋「自分のなかでは、今過ごしている時間がもどかしくて、先が見えないとやっぱり人って止まるじゃないですか。でもそう言ってもらえると、私はもちろんですけど、今この記事を読んでくださっている方のなかにも刺さる方がいるかもしれないですね」
箕輪「あと、発信は続けたほうがいいと思う。視聴数にこだわるんじゃなくて、花梨さんと同じような状況の人がいるはずだから、停滞してることもひとつの自分の姿でありグループの姿だし、その姿を見せることも大切だね。そもそも今は、“バズる”ってことにそんなに価値がないと思うよ。『かすり傷も痛かった』で言いたかったことでもあるけど、『やることないです』みたいな姿勢のほうがウケたりする。その時々でちゃんと共感してくれる人がいるのよ。だから今は、停滞している姿をありのまま見せればいいんじゃない?」
小嶋「はい。今の自分に正直に生きたいと思います!」