「NMB48で起業すれば?」小嶋花梨が聞く、編集者・箕輪厚介の“リーダー論”とは?

2023年12月13日

うまいインタビューのコツは?「まずは自分のガードを下げること」

最後は、こじりんの「インタビュー」に関する話題に。編集者として数多くの取材を行ってきた箕輪さんに、インタビューを成功させるためのコツを聞いた。

小嶋「社長のインタビューをしているなかで、『今日はあんまり本音を出してもらえなかったかも』って思うことがあるんです。私が聞いても、きれいな言葉で返していただくので、どうしても踏み込めないというか…。何かコツはありますか?」

箕輪「ガードの高さってめっちゃ大事で、自分のガード以上に相手のガードが下がることはないのね。だから花梨さんがまともすぎると、相手もガードを下げられない。僕くらいだよ、勝手にガードを下げているの(笑)。ちゃんとした社長さんだからこそ、ちゃんと聞かれたらちゃんと答えちゃうんだと思う。だからもう、花梨さんから崩そう!」

取材前にハイボールを飲んでいたのも、“自分のガードを下げるため”という箕輪さんのインタビュースキル


小嶋「なるほど!たしかに、だいぶかしこまって行っちゃうんですよね…」

箕輪「そもそも“相手に合わせる”っていうのがマナーだから、相手が崩してたら崩すし、相手がお酒飲んでたら飲むというのが、まともな人だからね。奇抜なことをする必要はないけど、花梨さんがちょっと崩した感じで聞くと、相手も『そういうノリでいいんだな』ってなると思うよ。オープニングで『は~い!今日の社長さんで~す!』って言ったら一気に崩れるかも(笑)」

小嶋「それならすぐに実践できそうです(笑)」

箕輪「僕もよく対談していて、聞き手にまわることも多いけど、相手が緊張しないように基本的にだらけているね」

小嶋「実は今日、箕輪さんとお会いするのめちゃくちゃ緊張してたんですけど、『あっ、今日大丈夫だ』って思いましたもん(笑)」

箕輪「対談前なのに、劇場横のドン・キホーテでトイレを借りて、いっぱいお客さんがいるなかをかき分けて、買い物してから来たんだよ(笑)」

小嶋「自分のガードを下げること、早速意識していきたいなと思います。続いてですが、社長のおもしろい部分を引き出すときに、どのようにアプローチしていくのか。また、話の運び方について、アドバイスを聞いてみたいです」

箕輪「事前にその人の著書を読んだり、過去に話している内容を聞いて想像するのも大事だね。あと最も大切なのは、自分が聞きたいことを聞くこと。そういう意味では、今日の対談はすごく良かったと思う。逆に自分が聞きたいことじゃないと、どうでもいい話になっちゃうんだよね。さっきの停滞する姿に共感する人がいるのと同じで、自分が聞きたいことを聞くと、その裏には同じような悩みや疑問を持つ人がいる。そこに刺さるおもしろさが本当のインタビューだから、人生で辛かったことやターニングポイントを聞くことより、めちゃくちゃ個人的なことを聞くほうが絶対におもしろくなると思うよ」

小嶋「今まではかしこまって、あんまり自分の話をせずに、聞き出すことに必死でしたね」

箕輪「個人的な相談くらいの感覚でいいと思う。見てる人は勝手に自分に当てはめるからね」

真面目で責任感が強いこじりんは、“インタビュー時にかしこまってしまうこと”が悩みだったようだ


小嶋「次に、これは絶対に聞きたかったんですが、私自身のインタビューのやり方について『ここはこうしたらいいよ!』みたいなポイントはありますか?」

箕輪「ないよ、100点(笑)。今日のインタビューはとても良かったと思うんだけど、花梨さんって普段どんなキャラクターなの?ぶっちゃけキャラ?それとも真面目キャラなの?」

小嶋「めっちゃ真面目!みたいなキャラです。でも、根は適当ですね(笑)」

箕輪「じゃあ、その適当さを出していったらいいんじゃない?いっそのことドン・キホーテで飲み物を買ってくるところから始めるくらいがよかったりして(笑)」

小嶋「めちゃくちゃ雰囲気変わりそう(笑)」

箕輪「あらゆるコンテンツって、“親近感vs神秘性”なんだよね。神秘性って、それこそレディー・ガガとかジャスティン・ビーバーみたいなスターだと思うの。対してアイドルは、親近感が売りなんだよね。でも、最近はYouTuberのようなもっと親近感のある人が出てきたから、ちょっと中途半端な立ち位置になっちゃってるところもある。だから、宮脇咲良さんみたいに神秘性のあるアーティストとしてやるのか、親近感のあるYouTuberみたいにぶっちゃけていくスタイルになるかのどっちかだと思うよ。花梨さんの場合は、自分の本音を包み隠さず言っていけばいいと思うけどね」

小嶋「そうですね!その一歩で変えられると思うので、今後、自分がどちらに行くべきかを模索していきます。インタビューの予備知識を入れるときに意識していることはありますか?」

箕輪「そもそも自分が興味ある人や好きな人しか話を聞こうと思わないから、『こういう人好きそうだな』とか、『これを聞いたら喜びそうだな』みたいなことは考えるかもしれない。でも、花梨さんはそのままでいいと思うけどなぁ。まず花梨さんが一生懸命話を聞いてくれる時点で、社長はうれしいはずだから、100点なのよ。ただ、視聴者はもうちょっと自由なほうが楽しいかもね。

あとは“いずれ本にする”とか、最終形をイメージして対談すれば?実際、形になるのはなかなか難しいけど、10人をインタビューして対談集を出すとなれば、テーマやキラーワードが必要だから、取材の内容にもメリハリが出るんじゃないかな」

小嶋「そこまで全然見据えてなかったです…!」

箕輪「そうなればおもしろいよね。じゃあタイトルは『大阪の商人』で!」

小嶋「急にコンセプトが変わった気がします(笑)。ちなみに箕輪さんにとって、“本”ってどんな存在ですか?」

箕輪「本?マジで何とも思っていないですね。『紙の束だ!』としか思ってないです。紙にただ文字が羅列されてるだけって感じ」

小嶋「そういう感じなんですね(笑)。今回はたくさんお話を聞かせていただき、ありがとうございました!これまでYouTubeでやってきた対談のなかで、一番ラフだったと思います(笑)」

箕輪「こちらこそありがとう。秋元さん、すみませんでした(笑)」

キャプテンとしての悩みや葛藤について、赤裸々に語ったこじりん。それに対し、箕輪さんは独自の視点や経験から、今のこじりんの良さを生かすアドバイスをした一方で、常識を破るような提案をするなど刺激的な対談となった。次回もお楽しみに!

「編集者」という枠を大きく越えた箕輪さんの挑戦の数々は、こじりんに大きな影響を与えたようだ。NMB48、起業か!?


取材・文=西脇章太(にげば企画)
撮影=福羅広幸

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