「古着屋JAM」の社長を直撃!驚きの“従業員の士気の上げ方”とは?【NMB48・小嶋花梨の“最強キャプテン”への道】

2024年1月31日

大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいらしさと親しみやすさを兼ね備えたアイドルグループとして、メンバーたちはバラエティにモデル、グラビアといったあらゆる分野でその才能を発揮し、多方面で活躍している。

そんなNMB48の2代目キャプテンを務める“こじりん”こと小嶋花梨さんは、個性豊かなメンバーたちのまとめ役として日々奮闘中。 自身のYouTubeチャンネル では、企業の社長やビジネスシーンで活躍中の人物に自らインタビューを行い、「リーダー論」を学んでいる。

本連載「NMB48・小嶋花梨の“最強キャプテン”への道」では、こじりんがリーダーとして成長していく姿をレポートしながら、ビジネスシーンにおいて役に立つエピソードをお届けする。語られる内容はもちろん、こじりんが自らリサーチして投げかける質問にも注目だ。

第2回のゲストは、大阪市内に本社を置く「株式会社JAM TRADING」の代表取締役社長・福嶋政憲さん。古着好きなら一度は訪れたことがあるだろう「古着屋JAM」を主軸に古着の小売業を展開しており、インターネット販売や実店舗の出店も進め、売り上げを伸ばしている企業だ。

今回は、こじりんが株式会社JAM TRADINGの商品管理センターを訪れ、創業秘話や同社の組織づくりの秘訣について迫る。(2023年撮影)

今回こじりんが訪れたのは、大阪・北加賀屋にある「株式会社JAM TRADING」の商品管理センター


大学卒業後に就職・上京するも、古着屋を作るべく脱サラ!

小嶋「本日は株式会社JAM TRADINGの福嶋政憲さんにお話をお伺いしていきます。よろしくお願いします!」

福嶋「株式会社JAM TRADING(以下、JAM TRADING)という会社は、海外古着を輸入して販売しています。『古着屋JAM』と、ロープライスでエコロジーを推奨する『LOWECO by JAM』(ロエコ バイ ジャム)、主にレディース古着を取り扱う『Elulu by JAM』(エルル バイ ジャム)、少し大人向けの『ADÉL VINTAGE by Elulu』(アデル ヴィンテージ バイ エルル)を展開し、そして2023年10月6日より、新たに『無人古着屋 STOPY(ストッピー)』をスタートしました。現在は、この5つの販売ブランドでリアル店舗、ECサイトでの販売をしています」


小嶋「今この記事を読んでいる人の中には、『もう行ったことあるよ!』という人もいると思うんですけれど、このJAMができるまでの生い立ちというか、作り上げるまでの経緯をお伺いしたいです!」

福嶋「僕が高校生・大学生のとき、今と同じように“古着ブーム”がありまして、友達と常々『古着屋さんやろうや!』って言ってたんです」

小嶋「お~、良いですね」

福嶋「でも結局サラリーマンになって、上京して働くことに。それでもどこかで『古着屋さんになりたいな』っていう気持ちがずっとありました。古着屋さんに行くと、そこで働いてる人たちがすごくカッコ良く見えたんです。なんか、自分のカラーを持っているというかね。それこそ大阪のアメリカ村とかで、お店の人たちに声を掛けられたりすると、すごいテンション上がるんですよね!上京して2、3年経って、改めて自分を見つめ直して『自分って何がやりたいんだろうなぁ』と考えたときに、やっぱり『古着屋になりたい』と。当時は自己啓発本などをけっこう読んでいて、『まずは会社を辞めるところから始めよう!』と決意しました」

商品管理センターに入らせてもらえることに。こじりんは6万点の衣類に驚きを隠せない様子


ワーキングホリデーでオーストラリアの古着文化を経験

脱サラし、大阪に帰ってきた福嶋さんだったが、資金もツテもない状態のため、まずは貯金をすることからスタート。「でも古着屋さんでは働かず、朝はサッポロビール株式会社の営業部で、夜は鳥貴族で働いてました」と福嶋さん。そこから、今もJAM TRADINGで働いているというスタッフとの出会いが、福嶋さんの夢を実現させることになる。

福嶋「鳥貴族で働いていたときに、『カナダに留学するために働いているスタッフがいる』という話を聞いたんです。貯金することに必死になっていたんですが、その話を聞いて、自分が何のために大阪に帰ってきたのかを再認識できました。それで、僕も27歳くらいのときに、ワーキングホリデーで1年ほどオーストラリアへ行くことにしたんです」


こうしてオーストラリアに渡った福嶋さんは、シドニーの寿司店で働き、週末はフリーマーケットで古着を買い集めるといった生活を送っていた。オーストラリアのフリーマーケットでは、イギリスの文化を色濃く残していることから、「ドクターマーチン」などイギリス系のブランドアイテムや、革ジャンをはじめとするパンク系のファッションが多く売られていたという。

福嶋「オーストラリアのフリーマーケットで買い集めた衣類が、段ボール50箱分くらいありまして…(笑)。帰国後はそれらを在庫にして、『クロウズネスト』という小さなお店をアメリカ村の雑居ビルで始め、そこで今の相棒である上古殿雄介(現・JAM TRADING取締役兼バイヤー)と出会いました。そこから2、3カ月後に彼も自分の店を開いたというので、より交流するようになりましたね」

意気投合した2人は、別々の店舗を運営しながらYahoo!オークションに出品するなど、インターネットでの販売を行っていたが、2人とも仕入れ場所が同じで古着のジャンルも近かったことから「一緒に運営したほうがよくない?」と共同運営を開始。そして上古殿さんが、海外で「ジョー」と呼ばれていたこと、また福嶋さんは、下の名前から「マサ」と呼ばれていたことから、ジョーの頭文字「J」とマサの頭文字「M」で「J and M」=「JAM」と名付けたそうだ。

福嶋「今日来ていただいている倉庫にも、インターネットで出品している商品が約6万点あるんですけど、当時から商品管理が大変だったので倉庫を借りることにしたんです。最初は玉造からスタートして、規模が大きくなったのですぐ桃谷に移動したんですが、日本全国からインターネットを見て来ていただいたりして。USJとかライブに行くついでとはいえ、遠方からわざわざ来てくれるのはうれしかったですね。そこからファッションエリアの堀江に移動して、一気にメジャーになっていきました」

「JAM」の名前の由来にびっくり!


目指したのは「敷居の低い古着屋さん」

かくして、今では5つの販売ブランドを持つほどの企業へと成長したJAM TRADING。そして現在福嶋さんは、古着の店舗がイメージとして持たれやすいという、“敷居の高さ”を払拭するために行っていることがあるのだとか。

小嶋「20年近く前だとインターネット販売なども今より主流ではなく、どちらかというと店舗で買う人が多かったなかで、インターネットからの販売がスタートだったんですね」

福嶋「はい。携帯電話が出回り始めて『こんなちっちゃい画面で誰が買うねん!』みたいなことを言われていた時代に、僕たちはずっと『インターネットで販売していく』と言っていて、邪道みたいな感じで見られていたとは思います。特に古着は、実際にお店で見て買ってもらうのが主流でしたしね。当時、古着業界の中ではヒヨッコでしたけど、インターネット販売に舵を切ったことで、老舗とも渡り合えたのでこれでよかったと思っています」


小嶋「インターネット販売で他店と差別化していった以外に、意識していたことはありましたか?」

福嶋「お店のコンセプトとして、『今欲しい物がたくさんある』と『状態の良い古着』、『買う以上のつながり』というのを掲げています。古着屋さんって、なんか入りにくいイメージがあるじゃないですか」

小嶋「ちょっと敷居が高いというか、独特の雰囲気がありますよね!」

福嶋「私たちのお店では、敷居を低くして丁寧な接客を心掛けているので、そういったところがウケているんじゃないかなと思うんです」

小嶋「なるほど。JAM TRADINGでは5つのブランドを展開中とのことで、すべてテーマが分けられていると思うのですが、分けた理由だったり、どこからアイデアが出てきたのかをお伺いしたいです」

福嶋「最初は『古着屋JAM』だけでやってたんですけど、海外での仕入れを通じて、品質基準を満たす商品とそうでない商品をセレクトするようになりました。『古着屋JAM』ではブランドもののニーズがありますが、例えば『LOWECO by JAM』に関しては、『地球にもお財布にもやさしい』というコンセプトなので、『古着屋JAM』では扱わない物を仕入れています。ファッション初心者や高校生の人たちにも手が届く価格帯で、自分で選ぶ楽しさを感じていただければと思っています」

小嶋「あと、以前中崎町にあった『Elulu by JAM』の店舗がすごく印象的で。道を歩いていたらそこだけ異色というか、遠くから見てもすぐわかるくらいまっピンクなんですよね!」

福嶋「あの店舗では、女性店長の中にあったイメージを全部実現できました。SNSでしか宣伝していなかったんですが、オープンした日は中崎町を一周するくらいの行列ができて、そのときに『彼女はこういうことがしたかったんだ!』と気付きましたね」

小嶋「すごい!きっと、社員さんからの意見なども取り入れられているからこそですよね」

福嶋「そうですね!意見を言ってもらえたらすごくうれしいです。『とにかくやってみたら良いんじゃないかな』っていつも思っています」

小嶋「基本的には肯定していきたいということですか?」

福嶋「はい、よっぽど変なことを言っていなければですが(笑)。基本的にはやりたいことをやってほしいなと思うし、自由にアイデアを出せる環境作りは意識していますね」


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