【星野リゾート】重要文化財「旧奈良監獄」が「奈良監獄ミュージアム」として2026年4月27日に開館!コンセプトは“美しき監獄からの問いかけ”

2025年12月1日

Museography Supervisor:Adrien Gardere(アドリアン ガルデール)さん
トロントのアガ・カーンミュージアム(設計:槇文彦さん)や、ルーヴル美術館ランス別館(設計:SANAA)、ロンドンのロイヤル・アカデミー(設計:デヴィッド・チッパーフィールドさん)など、世界13カ所以上の美術館の常設展示デザインを手がける。
※写真提供:yuz museum shanghai_estate Giacometti_Photo byTony Wu

Adrien Gardereさん


【制作にあたって メッセージ】
これまでの知見を余すことなく活用して、奈良監獄のコンテキストを読み解き、そして紡ぎながら「建築遺産」を「ミュージアム」として生まれ変わらせることに取り組みました。世界に展開したハビランドシステムの歴史、刑務所での被収容者の体験を知り想像することは、人間の普遍的なテーマについて考える糸口を提供し、それらを巡るジャーニーは訪れる皆様をひきつける体験になるでしょう。皆様の来館を心よりお待ちしております。
※写真提供:Philippe Chancel/SANAA/Studio Adrien Gardere

ルーヴル美術館ランス別館


(3)3つの棟を巡り、多角的な「問い」に出合う展示構成

3つのテーマを設定した展示棟を巡り、多角的な視点から「問い」を深めていく。

●A棟:歴史と建築
赤レンガに刻まれた記憶に思いをはせ、日本の行刑や奈良監獄の建築的特徴を知るエリア。

●B棟:身体と心
被収容者の視点で刑務所での生活やルールを紹介。規律に縛られた刑務所の生活を知り、想像し、客観的に見つめることで、自分自身の生き方に通じる「問い」に迫るエリア。

●C棟:監獄と社会
「監獄」をさまざまな価値観や切り口で表現するエリア。開館時には、国内外で活動するアーティストが、監獄から受けたインスピレーションとそれぞれの感性で制作した作品が展開される予定。

A棟(イメージ)

B棟(イメージ)


ホッとひと息つき、余韻に浸るカフェ&ショップ

カフェでは、明治時代の洋食文化を反映したオリジナルのカレーパンやチーズケーキ、ご当地ソーダなどを提供。ショップでは、オリジナルグッズをはじめ、全国の刑務所で作られた刑務所作業品のギャラリーを併設し、販売。

オリジナルカレーパンとご当地ソーダ

オリジナルグッズ(イメージ)


参考情報

「星野リゾート」と「旧奈良監獄保存活用株式会社」による協定書の締結について

旧奈良監獄保存活用株式会社は、2017年12月に国(法務省)との間で締結した「公共施設等運営事業実施契約」に基づき、旧奈良監獄の赤煉瓦(れんが)建造物の耐震改修工事、ミュージアム事業とホテル事業の開業準備を進めている。2026年中には、ラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」の開業を予定している。

旧奈良監獄の歩み

1908年 奈良監獄 竣工
1922年 「奈良監獄」が「奈良刑務所」に改称
1946年 「奈良刑務所」が「奈良少年刑務所」に改称
1991年 第一回「奈良矯正展」の開催、以降定期的に開催されるように
2008年 設立100周年
2017年 重要文化財に指定、3月31日をもって廃庁

設計者・山下啓次郎さんについて

1868年に現在の鹿児島市に生まれた山下さんは、帝国大学造家学科(現在の東京大学工学部建築学科)を卒業後、警視庁に入り、巣鴨監獄建設に携わった。その後1897年(明治30年)5月に司法省営繕の業務に携わることになり、旧奈良監獄の着工前には、欧米約8カ国を歴訪し、約30の監獄建築を視察。その知見を活かし、帰国後に明治五大監獄をはじめ、数多くの裁判所、監獄の建設に関与。明治五大監獄の設計から退官する1928年まで、司法省営繕課長の職につき、司法省建築全般に指導力を示した。

山下啓次郎さん


施設概要

施設名称:奈良監獄ミュージアム
所在地:奈良県奈良市般若寺町18
開館時間:9時〜17時(最終入館16時)
定休日:なし※メンテナンス休館あり
料金:大人2500円〜
付帯施設:カフェ&ショップ
アクセス:近鉄奈良駅からバスで約13分、「般若寺」バス停下車徒歩約5分
開業日:2026年4月27日(月)
チケット販売開始日:2026年2月(予定)


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