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山梨県北西部に位置する韮崎市は、新宿からJR韮崎駅まで特急で1時間40分、韮崎ICまで中央自動車道で約1時間半と東京からのアクセスもいいので、登山だけでなくちょっとした週末旅行や日帰り旅にもちょうどいい。

そんな韮崎市には温泉施設が3つある。それぞれが車で10〜15分ほどの距離と近いにもかかわらず、泉質が異なるのが特徴だ。本記事では、全国でも珍しい源泉100%かけ流しの炭酸泉に県外からも温泉ファンが訪れる「韮崎旭温泉 韮崎旭の湯」、八ヶ岳や茅ヶ岳を望む露天風呂で登山客が疲れを癒やす「武田乃郷 白山温泉」、屋内温水プールを併設したファミリーにも人気の温浴施設「ゆ~ぷるにらさき 韮崎市健康ふれあいセンター」の3つの施設を紹介する。
全国からファンが集まる!源泉100%かけ流しの炭酸泉「韮崎旭温泉 韮崎旭の湯」

源泉100%かけ流しの炭酸泉は全国でも珍しく、遠方から通うファンも多い。とろりとやわらかなエメラルドグリーンの湯は弱アルカリ性で、浸かると炭酸の細かな泡が肌に付着する。炭酸泉の適温は39.0度とややぬるめなので長く浸かることができ、血行促進の効果で体が芯から温まって湯上がりは全身がぽかぽかになる。美肌の湯ともいわれているそう。

中央自動車道「韮崎IC」から車で16分ほど。甘利山へ向かう途中、旭バイパスを入ってすぐのところにある。周囲を田んぼに囲まれ、見晴らしのいい立地だ。敷地内にある源泉は地下1200メートル。ちょうど向かいに見える苗敷山の標高約1000メートルをそのまま地中へ掘り進めてもまだ深い位置から湯を引いている。


源泉は100%かけ流し。この「かけ流し」というのは常に新しい湯が注がれて浴槽から溢れ出ている状態のこと。流れ出るまま、循環は行わない。さらに、加温、加水、消毒も一切なし、湧き出たままの状態で敷地内の湧出口から引いている。「源泉をそのまま利用している温泉」であることから、「純温泉」として指定されている。

浴室に入ってすぐ左手の蛇口から流れている「源泉」は手ですくってそのまま飲むことができる。ミネラル成分が豊富なので口当たりは少し硬めだ。鉄分が多く含まれているため、浴室がすぐに黒ずんでしまう。そのため、毎日浴槽の湯を抜き、早朝2〜3時間かけて清掃を行っている。

入り口左手に券売機と受付がある。入浴料を払ったら靴を脱いで浴室へ、左手が男湯、右手が女湯だ。「韮崎旭温泉 韮崎旭の湯」では男湯と女湯の入れ替えは行っていないため、いつでも同じ湯に入ることができる。


更衣室にある鍵のかかるロッカーは無料。浴室はシンプルに内湯のみ、浴槽は男湯のほうが少し広く、洗い場は女湯のほうが多い。


ボディソープとリンスインシャンプーが備えつけられているので体を洗ったら、ゆっくり湯に浸かろう。最初はぬるく感じるかもしれない。湯口に近いほど湯の温度は高く、炭酸の泡も多い。ぬるめなので油断して長時間浸かっているとのぼせてしまうので注意しよう。熱い湯が苦手な人でも温度が低いのでゆっくりと温泉を堪能できる。晴れていれば大きな窓の向こうに富士山が見えるのもうれしい。



温泉好きの間では有名な「韮崎旭温泉 韮崎旭の湯」は、土日になると県外から炭酸泉を求めて200人以上のファンが訪れる。駐車場に止まっている車のナンバープレートもさまざまだ。また、夕方になると地元客もやってくる。有名人が訪れることも。テレビや雑誌などの取材も後を絶たないのだとか。施設内の休憩スペースには過去に掲載された雑誌や新聞記事などが置かれているので、湯上がりにチェックしてみよう。

休憩スペースとなっている和室からテラスに出てみると、目の前には大きな富士山の姿が。また、八ヶ岳や茅ヶ岳などの名峰や甲府盆地も見渡せ、眺望がとてもいいのでおすすめだ。


管理人の沼田道夫さんは「韮崎旭温泉 韮崎旭の湯」のことなら何でも知っている!旭の湯の歴史や泉質など、訪れたらぜひいろいろ話を聞いてみよう。
