ゆったりと名峰を眺めながら贅沢な時間を過ごせる「武田乃郷 白山温泉」

「武田乃郷 白山温泉」の露天風呂は格別だ。ほのかな硫黄の香りと薄い緑色の湯にゆったり浸かりながら、昼は八ヶ岳や茅ヶ岳の雄大な姿、夜は韮崎市の夜景を堪能することができる。泉温は44.0度、露天風呂は内湯よりぬるく感じるため、熱い湯が苦手な人でもじっくり浸かることができる。低張性弱アルカリ性高温泉は神経痛や関節痛、疲労回復に効果があるため、登山客にも人気だ。

中央自動車道「韮崎IC」から車で約14分。韮崎大村美術館や登録有形文化財大村家住宅螢雪寮に隣接し、「武田八幡宮」や「わに塚のサクラ」などの観光スポットにも近い。甘利山の裾野、小高い傾斜地にあるため韮崎市を見下ろすことができる。ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士が「生まれ育ったまちへの恩返し」とし、私財を投じて掘り当てた温泉は地元の人たちだけでなく、名峰への登山口と称される韮崎市ならではの登山客や県外から訪れる温泉好きなど、多くの人に愛されている。


入り口左手の券売機で入浴券を購入する。支払いは現金のみ。男湯と女湯は月替わりの交代制。北側の露天風呂からは八ヶ岳と茅ヶ岳、南側からは茅ヶ岳を望む。北側も南側も眺望は優劣なく素晴らしいので、二度、三度と通ってどちらも入ってみてほしい。

更衣室には無料で利用できる鍵付きのロッカーが備えつけてある。ボディソープとリンスインシャンプーも備えつけあり。洗い場にはパネルが設置されているので、水跳ねを気にせず内湯に浸かれるといった細やかな気遣いもうれしい。


山の斜面にある高台に位置するため見晴らしがよく、大自然のパノラマをゆったりと満喫できるのはとても贅沢だ。内湯でも大きな窓から遠く山々を見渡すことができる。日々の喧騒を忘れてゆったりと全身の疲れをほぐしてほしい。




湯から上がったら和室と洋室の休憩スペースで休むことができる。韮崎大村財団の運営する温泉施設だけあって、施設内にはあちこちに大村コレクションが飾られている。休憩がてらアートを鑑賞してみてはいかがだろうか。作品は不定期で入れ替わるそうなので、行くたびに新しい作品に出合えるかもしれない。また、興味がわいたらぜひ、道路を挟んで隣の「韮崎大村美術館」を訪れてみよう。



温泉に浸かったらランチにおすすめなのが、併設の蕎麦屋「そば処 上小路」だ。茨城県の常陸秋そばと北海道のそば粉をブレンドした、風味豊かなこだわりのそばを味わうことができる。

一番人気は「天ざるそば(1680円)」だ。韮崎市の老舗「井筒屋醤油」の醤油を使用したつゆはまさに韮崎の味。7種の天ぷら盛り合わせはボリュームたっぷりなので、湯めぐりの途中のランチにぴったりだ。また、「ほうとう(1400円)」や「おざら(1200円)」、「とりもつ煮(750円)」など山梨県の郷土料理も味わえる。県外から訪れた人はぜひ、山梨の味を試してみてはいかがだろうか。





湯に浸かって体が温まったら、ぜひ近隣の観光スポットまで散歩してみよう。「韮崎大村美術館」や、すぐ裏手にある大村博士の生家「螢雪寮」も主屋の一部を無料公開している。また、徒歩約10分の場所に「白山神社」、徒歩約15分の場所に「わに塚のサクラ」や「武田八幡宮」など周辺には観光スポットがいろいろ。せっかくの機会なので、ぜひ訪れてみたい。

