【SDGs】社員に“化粧品の購入費”を支給 「働きやすい環境作り」にこだわる総合不動産会社の取り組み

2021年7月19日

世界的にSDGs(エス・ディー・ジーズ/持続可能な開発目標)への関心が高まるなか、各企業でもさまざまな取り組みが行われているが、具体的にはどのようなことが行われているのだろうか?今回、ウォーカープラスの新企画「SDGs ウォーカー」では、総合不動産会社「リヴグループ」の広報担当者にインタビューを実施。SDGsに取り組んだ経緯や、具体的な活動内容について聞いた。

SDGsってなに?


SDGsは、国連に加盟する全ての国が、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標。持続可能な世界を実現するため、「貧困」「飢餓」「健康と福祉」などをテーマにした17の目標と169のターゲットで構成。アジェンダでは、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。

リヴグループが取り組む目標


――今年リニューアルした情報サイト「Liv+(リヴプラス)」では、マンション投資や資産運用について“見て学べる”動画コンテンツを充実させ、ライフプランニングに関するコラムも毎日更新しているということですが、SDGsでもさまざまなことに取り組まれているそうですね。

【広報担当者】リヴグループでは、下記項目を目指すべきゴールとして、2020年4月から取り組みを始めています。

<リヴグループの掲げる目標>
【3】すべての人に健康と福祉を
【4】質の高い教育をみんなに
【5】ジェンダー平等を実現しよう
【10】人や国の不平等を失くそう
【12】つくる責任・つかう責任
【15】陸の豊かさも守ろう

――具体的にどのように実践していますか?

【広報担当者】2019年は、当グループ全社員の家族を対象にした「家族感謝祭」を開催しました。場所は東京ディズニーランドで、レストランを貸し切り、プレゼント抽選や当日パスポートのプレゼントなどさまざまな企画を催しました。

【画像】2019年、グループ全社員の家族を対象にした「家族感謝祭」を実施。東京ディズニーランドのレストランを貸し切り、さまざまな企画を行った。


当グループでは、スタッフの子供が進学した際の「進学手当」、子供が誕生した際の「出産手当(男女共に)」など、スタッフのみならず、その家族までを対象にした独自の福利厚生制度を設けています。

また、女性が働きやすい環境作りを目指しています。具体的な施策では、月に1度、女性スタッフのみが参加できる「女子会」、女性スタッフのみに支給される「化粧品手当」などがあります。今後もこのような取り組みを通じ、ジェンダーの平等を実現できるように進めていきたいと考えています。

SDGsへの取り組みが経済的にプラスになれば「社会貢献」にも繋がる


――なぜSDGsの取り組みを始めたのでしょうか?

【広報担当者】以前から社員が仕事に思い切り没頭できる環境を作りたいと考えていました。「学歴や性別などにとらわれることなく、社員1人ひとりが互いの個性を尊重し合える会社でありたい」、そんな思いから今回の活動を始めました。SDGsに取り組むことにより、それがより明確かつ具体化していきました。また、これらの取り組みが経済的にプラスになるのであれば、社会貢献にも繋がると考えています。

【3】を実践したイベントは、親戚や孫、祖父母など多くの家族に参加していただき、日頃スタッフを支えていただいているご家族に感謝の意を伝えたいという思いから始めました。

また、当グループは約半数が女性スタッフで構成されています。そのため、当然ながら女性の活躍によって支えられている企業体です。よって女性が働きやすい環境作りに注力することが大切だと考え、【5】の取り組みを実施しています。

――SDGsを実践してどのような反響がありましたか?

【広報担当者】特に女性スタッフのみに支給される「化粧品手当」については、女性社員全員が喜んでいます。新作の化粧品の発売情報や、おすすめの化粧品があれば、逐一情報の交換をしています。営業職の女性も多く、メイクには誰よりもこだわりを持った社員が多いため、部署をまたいで気軽にコミュニケーションを取れる環境は貴重だと考えます。

月に1度「化粧品手当」を支給。社内には「コミュニティルーム」があり、女性社員が普段使用している化粧品を持ち寄っておすすめコスメの情報交換をすることも。

先輩社員とコスメの情報交換をしている風景。コスメの話だけではなく、仕事の相談や普段はできないプライベートな話などコミュニケーションの円滑化を図っている。


また、社員の家族に向けた感謝祭では、社員同士の家族を知る良い機会にもなり、社員の家族同士が仲良くなることもあります。社員同士が家族のような存在であることから、その家族も大切にするべきであると考えています。

人と人とのつながりを大切にし、社員が働きやすい環境を会社から提供するだけではなく家族の皆さまからもサポートしていただけ、かつ社員の家族も幸せでいられる、そんな環境作りを今後も作っていきたいと考えています。

社員がベストな環境で働くからこそ社会に貢献できる


――SDGsが社内に与えた変化はありますか?

【広報担当者】一番は、コミュニケーションの活性化です。いつも賑やかに、話し合いの声が聞こえるようになりました。それが「団結力」に繋がっています。

先輩社員とのコミュニケーションは、はじめは緊張するものの、社員の年齢も距離も近いため、いつの間にか姉妹のような存在になるという。


――SDGsの取り組みの先に目指す社会はどんな社会でしょうか?

【広報担当者】一人ひとり、生まれた場所も育った環境も違い、まさに十人十色です。互いの個性を大切にし、全社員がベストな環境で働くからこそ社会に貢献できると自負しています。

社員数も多く、外出等も重なりなかなか同期同士で話せる機会が少ないため、「化粧品手当」を通して同期同士のコミュニケーションも活性化している。


2030年、長いように見えてあっという間です。自分自身や社会がどうなっているかを想像すること、また、それを明確化すること、そして皆がSDGsを考え実行していくことが大切であり、このような時代だからこそ世界が一丸となって過ごしやすい社会を築き上げていくべきです。同時に、2030年の世界がそうでありたいと考えています。