独自の精米加工技術で玄米の栄養価値はもちろんのこと、食味や消化も優れた「金芽米」「金芽ロウカット玄米」「金芽米エキス」などを開発し、人々の健康や環境保全に貢献し続ける東洋ライス。
先日行われた記者発表会では、金芽米に含まれる新たな可能性について発表が行われた。
まずパート1では、「残食ゼロ」への取り組みを行う福岡県の保育園の事例について発表があった。平成28年度から金芽米を給食に提供する保育園で調査を行ったところ、総残食数が減少。「金芽米の食味がおいしいことから、園児たちが残さず食べるようになった」と報告された。
また、給食改善が園児たちの健康増進に役立っているのか、インフルエンザ罹患者数も減少。特にインフルエンザの流行ピークである2月、3月での感染者数も減ったことや、金芽米を給食に提供していない別の保育園との感染者数割合の比較においても約14%の差があると報告され、集団感染リスクの低減につながっている可能性があると説明された。
このことから、金芽米を含む給食の改善が、感染症の抑制につながっている可能性が見えてきている。
次に、東洋ライスの代表取締役社長であり、東京農業大学客員教授の雜賀慶二氏が和歌山県の3企業を対象とした先行研究を発表。
普段から「金芽米」「金芽ロウカット玄米」を食べているT社においては公的医療費が県平均の68%、また他の2社も「金芽米」「金芽ロウカット玄米」を食べ始めてから公的医療費が60%に低減したと報告された。
またT社の社員とその家族を対象に、2022年5月に新型コロナウイルス感染の有無を調査。対象者が居住する9都道府県人口数と感染者数から算出した感染率は8.53%だが、T社は1.8%という結果に。また、別の調査においても他の2社でそれぞれ3.8%、2.56%と低水準であったと発表された。
さらに、給食に金芽米を提供する和歌山県すさみ町の公立小中学校と、通常の白米を提供する近隣の公立小中学校の新型コロナウイルスの感染率を比較した結果、すさみ町の公立中学校では0.97%、近隣の公立小中学校は3.03%であった。
金芽米や金芽米エキスは感染症抑制に効果が期待されるだけではなく、日々の健康へも好影響を及ぼすと期待される。金芽米エキスを摂取する1023人を対象とする調査では、便秘、風邪をひきやすい、肌の不調などの項目において改善されたと答えた人が約3〜4割にのぼった。
ビタミンや食物繊維、オリゴ糖など玄米の栄養分がそのまま含まれた金芽米はおいしいだけではなく、毎日主食とすることで人々の健康増進に貢献することが期待できることを、さまざまな調査発表によって「見える化」した結果となった。
こうした実証実験によって、「金芽米」には日本食品標準成分表(八訂)に記載されている約160種類の成分以外に、“特別な未知の成分”があるとし、それが人の自然免疫力向上や病気予防につながっていると考えられている。パート2では、その成分がもたらす改善効果に関する説明が行われた。今回、国立遺伝学研究所桜井望特任准教授と、東京農業大学雜賀慶二客員教授、東洋ライス研究グループにより、玄米の糖層(外側)から胚乳層(内側)にいたるまでの玄米粒の各所の画分について分析した結果、これまで玄米には100を超える成分が含有されるといわれていたが、それをはるかに上回る多くの成分が含まれていることが明らかになったと報告された。
また、これらの成分は白米に精製されることで大半が損失してしまうこと、玄米特有の未知の成分候補も現時点で5候補(KS-1〜5)あると発表。これらKS-1〜5の成分と有機的につながる多くの成分をひとまとめにして「オリザニュートリエントサイカ(ONS)」と名付けると説明。それ以外にも、抗菌活性物質であり抗糖尿病や抗腫瘍、抗肌老化に健康効果が期待されるモミラクトンが玄米に分布されているとも発表があった。
モミラクトンは白米に精製すると大半が消失し、炊飯するとさらに減少するといわれる。今回の研究によって、「金芽米」「金芽ロウカット玄米」「金芽米エキス」にはモミラクトンが相当含まれていることが確認され、また未知の成分の解明をさら進めることで、コメが人々に大きな健康増進をもたらすことが期待されるとわかった。コメは単なる食品ではなく「医食同源」「薬食同源」の食品として今後注目されることになりそうだ。
「環境によく、良食味で消化吸収性の良い食物にて摂取者を健康体に導き、我が国の医療費削減をめざす」と話す雜賀社長の“サイカイズム”がますます示されることとなった今回の発表。「特に次世代を担う妊婦や子供を中心に、元気溌剌で頑張ってほしい自衛隊の人々にも多く摂取してもらうよう努めていく」という思いとともに、SDGsのゴール3に掲げられた「すべての人に健康と福祉を」を目指し、さらなる調査研究は今後も続けられる。