スーパーマーケットで“牧場体験”や“サステナブルな宝探し”!ライフとカネカが共同開催、五感を使ったSDGs食育イベントがおもしろい

2023年12月12日

営業中のスーパーマーケットの中で、SDGsな食育を“体感”する――。そんなユニークなイベントが、株式会社ライフコーポレーションと株式会社カネカの共同で開催された。生活に密接したスーパーマーケットを舞台に、親子で学べるSDGs体験を取材した。

ライフコーポレーションとカネカによる親子向けSDGs食育イベントの様子


ライフとカネカがタッグを組んだ、スーパーを舞台にした身近なSDGs体験プログラム

クイズやお絵描きを交え、小さな子どもでも飽きさせない工夫も


環境に配慮された商品など、自然派商品を取りそろえたスーパーマーケット「ビオラル」を展開するなどさまざまなサスティナビリティ活動に取り組むライフコーポレーションと、有機循環型酪農をはじめ事業を通して環境に配慮した社会課題の解決に積極的なカネカ。本イベントはその両社がタッグを組み、小学生とその保護者に向けてライフ桜新町店を会場に開催されたものだ。

株式会社ライフコーポレーションの小川啓さん


このイベントのポイントは、座学だけでなくカネカのSDGs牧場を体験するプログラムや、ライフが手掛けるプライベートブランド「ビオラル」を、営業中の店舗で触れてもらうという体感部分を意識した点だ。

イベントの前半では、小学校の学習指導要領に準じた内容でライフの有機食品と、カネカの循環型の酪農についてのレクチャーが行われた。参加者の中には小学生低学年の児童もおり、ややもすれば難しすぎて興味を失いかねない内容でも、クイズ形式で積極的に発言してもらえるような仕組みや、乳牛のイラストを描いてもらう時間を設けるなど、集中を途切れさせずに学んでもらえるような工夫が随所に散りばめてられていたのが印象的だ。

カネカの牧場で作られた堆肥のにおいを体感

カネカの酪農にて使用されている飼料の実物も用意された


また、実物大の乳牛のパネルや、カネカの牧場で実際に使われている飼料を手に取ったり、乳牛由来の堆肥の臭いをかぐなど、牧場の中にあるものを視覚、触覚、嗅覚で体感する試みも行われ、参加した子どもたちからは「変なにおい!」「私より大きい」と、会議室の中での疑似牧場体験に思い思いの感想が聞かれた。

ちなみに、カネカの牧場は乳牛の排泄物を堆肥として有効活用し、有機飼料を自家栽培しており、循環型酪農を行っている。

乳牛の実物大ポスターで背比べする小学生たち


さらに、牧場の様子が映像で流れ、搾乳作業を軽減することが出来る自動搾乳機や、牛にとって快適な環境にするためにフリーストール牛舎と放牧を掛け合わせた酪農形態など、人に、牛に、環境にやさしい酪農を実現するためのさまざまな取り組みが紹介された。

カネカの取り組みの紹介


見て、触れて、嗅いで、味わって。五感を用いる工夫が随所に

五感を通して両社の取り組みを学んだ後は、ライフの売り場へ向かい、「サスティナ商品発掘ゲーム」と称して店内で販売されている環境に配慮された商品を見つけてもらうプログラムがスタート。直前に紹介された商品の実物をすぐさま宝探しのように楽しみながら気付ける内容で、親子で、あるいは子ども同士でさまざまなサステナブルな商品を発見していった。

営業中の「ライフ」店内にてサステナブルな商品を宝探し


さらに、売り場で見つけた商品は、カネカの牧場で生産された有機生乳を使ったヨーグルトのトッピングとしてイートインスペースで実食。ライフが展開する「ビオラル」についての説明を受けながら、バナナやメープルシロップ、オートミールなどライフの有機食品で思い思いのアレンジをしながらヨーグルトとともに味わうことで、味覚でも両社の取り組みを知る時間となった。

売り場で見つけたライフの有機商品は、カネカのヨーグルトと合わせて実食


カネカのピュアナチュールオーガニックヨーグルトはオーガニック生乳から作られており、有機JAS認証を取得。また、今注目のA2ミルクを使用しており、こだわりの詰まった商品になっている。

ピュアナチュールオーガニックヨーグルト


イベントの最後には、これまでのプログラムで知った内容を踏まえ、実際に店頭で使用される商品POPを作成。手描きやシールでのデコレーションで作られたそれぞれのPOPからは、参加した子どもたちの学びや感想がダイレクトに浮かび上がっていた。

参加した子どもたちが作成した手作りPOPは店頭で掲示される


「スーパーでのイベントが記憶にも残る」地域に根差した情報発信の可能性

参加した小学生からは「学校でやっていた内容の復習になったし楽しかった」「牧場の臭いが嗅げたり、見つけたものを食べたりしておもしろかった」と楽しげな感想が返ってきた同イベント。保護者からは「子どもがスーパーが好きなので」と、スーパーでのSDGsイベントということが参加の敷居を下げたという声も聞かれるなど好評を博した。

株式会社カネカでFoods & Agris Solutions Vehicle 乳製品開発 Strategic Unit 販促企画チーム チームリーダーを務める天川隼人さんは「参加者が小学生のお子さんたちなので、楽しんでいただけるか少し不安な部分もありました」としながらも「おもしろいと感じてもらえている様子やリアクションなど生きた反応をたくさん見ることができてすごくうれしく思います」と振り返る。

化学メーカーであるカネカがサステナブルにつながる事業のひとつとして酪農から取り組んでいることが同社にとってひとつのポイントであるという天川さん。「今日みたいにお話や体験を通してわかっていただけるというのはすごく手応えを感じます」と話す。

株式会社カネカの天川隼人さん


また、株式会社ライフコーポレーション秘書・広報部 兼 サステナビリティ推進部の小川啓さんも「座学だけで終わらせず、探すこと、物を触ってみる、臭いをかいでみるということで子どもたちの印象にも残ったと思います。カネカさんとのこうしたイベントははじめてでしたが、伝えたいことも伝わったんじゃないかと思いますし、実施して本当によかったなと思います」と、イベントを終え好感触を覚えたという。

そして小川さんは、「スーパーマーケットのライフでこういうイベントをやったというのも記憶に残ったと思います。今後も内容をブラッシュアップしつつ、地域の方々に環境への意識を高めてもらったり、SDGsに対してスーパーができることに『こんなことがあるんだよ』というのを伝えていけたら」と、今後の展望に触れた。

ともすれば難しいもの、縁遠いものと感じてしまうかもしれないSDGs。同イベントは普段の生活に根ざしたスーパーだからこそ、それらが自分たちのごく身近にかかわるものだと肌で感じられる場となっていた。

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