RA認証をブラジルで初めて取得した農園との植樹プロジェクトがスタート
近年話題になっているのが、コーヒーの2050年問題。世界で最も生産されているコーヒー豆・アラビカ種が気温上昇や降雨量などの環境変化に伴い、2050年にはその産地が半減してしまうと試算されている。マウントレーニアでもアラビカ種の豆は当然ながら使用しており、その供給元としてブラジルにあるダテーラ農園との縁が深い。
マウントレーニアとダテーラ農園の付き合いは2005年からスタート。高品質な豆を生産していること、コーヒー生産の持続性があること、トレーサビリティの観点からダテーラ農園の豆を使用するようになった。ダテーラ農園は“サステナブル”という言葉が生まれる前から、いかに地域社会や環境とともに持続可能な事業を実現するかに注力してきた稀有な農園だ。2003年には、ブラジル初のレインフォレスト・アライアンス(RA)認証も受けており、世界的にも高く評価されている。2009年にはダテーラ農園豆100%使用の「マウントレーニア ダブルエスプレッソ」をコンビニ限定で発売。現在は「マウントレーニア ディープエスプレッソ」という名前で、上質なコーヒー豆の味わいを堪能できるフレーバーに仕上がっている。
そんなダテーラ農園が環境保護のために取り組んでいるのが植樹事業「Tree_llion_PROJECT(トリリオン プロジェクト)」。ダテーラ農園は山手線の内側と同じくらいの約6500ヘクタールもの広大な土地を所有する。敷地の半分以上が自然保護区域にあたり、環境との共生を目指して農園が運営されている。森永乳業もこの理念に共感し、「マウントレーニアの森 プロジェクト」として2020年から植樹プロジェクトに協賛。
「このプロジェクトがスタートしたときは2024年までに7万7000本を植樹するということだったんですが、30周年を機に、当初計画の約4倍の30万本を2030年までに植樹することになりました。植樹プロジェクト以外でも、プラスチックストローのバイオマス配合を増やす取り組みも行っています。サステナビリティな試みはまだ実現しているものは少ないのですが、未来に向けて動いているところです」
最後にマウントレーニアの今後の目標を聞いた。
「今年、ブランド理念をしっかり広め、定番商品である5フレーバーを復調させ売り上げを伸ばすというところは達成できたと思っています。今後はそれら主力商品以外の強化を図っていきたいです。現在、売り先としてはスーパーとコンビニがメインなんですが、それ以外の販路を拡大したり、カップ以外の容器形態を広げていったりもしたいですね」
新しいコーヒーシーンを創り出したマウントレーニアが、また新しいコーヒーシーンを創り上げ、2050年問題を乗り越えたコーヒー文化を支える旗頭になることを期待したい。
この記事のひときわ
#やくにたつ
・新しいジャンルに切り込むには待つ忍耐も必要
・一度離れた客を呼び戻すのにリニューアルを利用
・直接関連しないジャンルのトレンドも抑えることが、商品開発のきっかけにつながる
取材・文=西連寺くらら