「長崎県と佐賀県」を結ぶ西九州新幹線の開通により、西九州沿線上では今までにない“新ストーリー”が生み出されており、各地から人々が訪れ賑わっている。そこで、ウォーカープラス編集部では西九州に誕生した“新ストーリー”を堪能するべく、JR九州の「ふたつ星4047」と西九州新幹線「かもめ」を乗り継いだ“ぶらり旅”を敢行。列車に揺られながら観光もたっぷり楽しめるモデルコースを紹介する。
極上の列車に揺られ、文化に触れる長崎・佐賀の旅スタート
羽田空港から早朝便で長崎空港へ到着した取材スタッフは、新大村駅から長崎駅へ「かもめ13号」に乗車して移動。長崎に着いたのがお昼どきということで、明治27年創業、和風建築と長崎情緒を保ちながら、その長い歴史と匠な伝統食で多くの人々から愛されている老舗料亭旅館「料亭御宿 坂本屋」へと足を運んだ。
長崎市内で唯一の本格料亭旅館である「坂本屋」では円卓を囲む卓袱(しっぽく)料理を堪能できる。食事は女将・悦子さんのあいさつで始まり、鯛の身が入ったお吸い物「お鰭(ひれ)」が振る舞われる。これは「お客様1人に鯛1尾を使いました」という意味が込められていて、「おもてなしの心」を感じる演出となっている。また、円卓にズラっと並んだ料理を、好きな物から好きなタイミングで食べるという特色があるのも「長崎卓袱料理」の楽しみ方だという。
究極にして絶品の豚角煮「東坡煮(とうばに)」登場
メイン料理でもある卓袱料理の華・豚角煮「東坡煮(とうばに)」は、専用厨房で手間と時間をかけて下ごしらえされたもの。豚角煮を口に運ぶとホロホロっと溶けるような食感で、まさに「幸せが口の中に舞い込んできた!」と、舌鼓を打つこと間違いなしだ。
絶景の車窓を眺め、いざ「ふたつ星4047(よんまる よんなな)」で長崎ー佐賀へ
長崎卓袱料理を堪能した取材スタッフは、2022年9月23日に西九州新幹線とともにデビューした「ふたつ星4047(よんまる よんなな)」に乗車するため長崎駅へと移動。
「ふたつ星4047」は「長崎―武雄温泉駅間」を有明海コース(午前)、大村湾コース(午後)のふたつのルートに分け、各ルート1日1本で運行。JR九州が運行するD&S(デザイン&ストーリー)列車と呼ばれる観光列車として人気を博している。今回の旅では「大村湾コース(午後)」を周遊し、武雄温泉を目指す。
車窓を流れる絶景はもちろん、2号車「ラウンジ40」で味わう“優雅なひととき”、そして長崎や佐賀のご当地グルメを車内で楽しみつつ、充実の3時間の列車旅を終えて武雄温泉駅に到着。その後は「かもめ47号」を乗り継いで嬉野温泉駅へと移動し、宿泊先となる「和多屋別荘」へ。
美術館!?と勘違いするアート空間が形成されたこの宿は一体…
1300年もの歴史をもつ嬉野温泉は“日本三大美肌の湯”と称されている名湯として名高い。また「和多屋別荘」は二万坪の広大な敷地を誇り、中央には嬉野川が流れ、月の満ち欠けを愉しむ月見台、移りゆく四季を愛でられる日本庭園などがあり、心と体を癒やせる温泉宿となっている。
そして、何といっても旅の醍醐味は夜の食事だが、取材スタッフが選んだのは「和多屋別荘」のレストラン・スパにある館内施設「日本料理 利休」。同レストランは地元の酒蔵「瀬頭(せとう)酒造」と、うれしの茶農家「きたの茶園」による新しいローカルレストランで、和食と日本酒と有機栽培茶のマリアージュを堪能できる。
広大な敷地にセットされた茶室を楽しむ!?
2日目、旅のプランとして外せないのが茶畑に点在する「茶空間」で茶農家によるティーセレモニーを体験できる「ティーツーリズム」。これは茶畑に咲く茶花をイメージした茶空間のなかでティーセレモニーを体験できるというもの。だが、この日はあいにくの雨により急遽、和多屋別荘 水明荘にある「サヴール・ドゥ・スイメイ」で開催。
このティーセレモニーは少人数のプレミア空間の中で実施され、茶師の方が目の前でお茶を淹れ、うれしの茶の魅力と歴史をレクチャーしてくれる。今回は、嬉野市の茶農家である「きたの茶園」代表北野秀一氏にお茶を淹れて頂いた。2種のお菓子を食しながら過ごす時間はまさに“至福のひととき”。
佐賀県の食材をふんだんに扱った究極のイタリア料理
「嬉野ティーツーリズム」を愉しんだ取材スタッフがランチタイムに目指したのは、雲仙・普賢岳の麓 千々石(ちぢわ)町のレストラン「Locanda del Campo(ロカンダ デル カンポ)」。オーナー夫婦が現地で学んだイタリア料理をベースに、地元の食材をふんだんに使用したコース料理を満喫した取材スタッフなのだった。
まだまだある、西九州の魅力
長崎と佐賀の魅力を伝えてきたが、そのほかにも「武雄温泉楼門」「ほっとふっと105」といった名スポットもあり、「ふたつ星4047」と西九州新幹線「かもめ」を組み合わせて、“西九州の新たな魅力”に触れてほしい。
※新型コロナウイルス感染症対策の実施については個人・事業者の判断が基本となります。