「らぶの頑張りも終わりになるのかな…」と思っていたところ、漫画がはじまった
「にゃん旅鉄道」が映画に続き漫画化されたことについて、駅長はどのように感じているのだろうか。
「テレビ、映画と全国的に有名になった『にゃん旅鉄道』。しかし、多くの方が愛してくださったらぶが昨年亡くなり、『らぶの頑張りも、もう終わりになるのかな…』と思っていました。ですが漫画がはじまって、今でもらぶ、ぴーち、さくら、ばすさんを応援してくださる方々がこれを読み、『改めて癒やされる』『これからも続けてほしい』『どんな形でもいいから、ばす、らぶ、ぴーち、さくらのことを発信し続けてほしい』との声を届けてくれました。私たちも漫画化は心からありがたいと思っております」
これまでは駅長を務めていた長男のらぶがメインになることが多かったが、漫画の主人公は末っ子のさくらで、独り立ちや成長がキーワードとなっている。実際のさくらはどんな性格で、どのように過ごしているのか教えてくれた。
「生後一カ月から数カ月間、ケージの中で1匹で過ごしていました。時々ケージの外に出すと、生前のらぶやぴーちに付いて歩いていましたが、どちらかといえば1匹でいる方が好きなのかもしれません。マイペースなのでしょうか…よく食べ、よく寝る子です。食いしん坊で天真爛漫な漫画のさくらを見て、『わかるわかる、あるある!』と感じています」
さくらをはじめねこたちの愛らしさはもちろん、駅周辺の魅力についても描く「にゃん旅鉄道~さくらの物語~」。今回登場する「芦ノ牧温泉」について聞いてみた。
「山あいの大川ラインをのぞむ静かな温泉街で、数軒のホテルや旅館が独自のアイデアを出しています。それぞれのお風呂にも味わいがあり、ペットと一緒にお泊りできる旅館もあって、おすすめです。ちなにみ芦ノ牧温泉観光協会はこの温泉街にあり、駄菓子屋さんを併設しています。ぶらり散歩『いちいの小路』1.2キロのコースを少し歩いて汗を流して温泉に入るのもよし、温泉に入った後は上げ膳据え膳で何もせずに食べて寝るのもよし。最高の時間を過ごせますよ」
最後に読者へのメッセージを語ってくれた。
「読者の皆様に笑顔でホッコリして頂いたり、時にはそっとさくらの気持ちに寄り添って頂いたりできる漫画を、私たちも楽しみにしています。可愛いさくらちゃんは今、駅で元気にお兄ちゃんの分まで奮闘中です。さくらとぴーちがず~っと永く健康で過ごせるように私たちも見守って参りますので、これからも応援をよろしくお願い致します」
雄大な自然のなか、すくすくと成長していくさくら。駅長だったらぶに教えてもらったことや寄り添ってくれる次男・ぴーちの存在、そしてたくさんの人と関わるなかで、少しずつ働く意志も芽生えていく。さくらの今後と会津鉄道・芦ノ牧温泉駅の美しい風景を、これからも楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京