さくらの頑張りは、私たちの心に「あったかい桜」を咲かせてくれている
「ばす先輩やお兄ちゃんみたいにはお仕事ができにゃい…」と悩むさくらに、「私たちと同じじゃなくていい」とほほ笑むばす先輩。そして兄のらぶも、「大丈夫だよさくら」とエールを送る。このエピソードには一人で仕事を頑張るさくらに向けた、メッセージを込めています。
私たちは、自分ができないことばかりに目を向けてしまいがちです。誰にだって、良い所や優れた所は必ずあるのに。私もいつも、「あーあ…」と考えてばかりです。きっと、本能的にできないところに目が向くようになっているんでしょうね。大昔の生存競争していた頃の記憶なのでしょうか。
さくらも気が付いていないだけで、実は沢山のことができていて。漫画だけでなく、実際の芦ノ牧温泉駅のさくらもそうです。お兄ちゃんがいなくなったあともたった一人で頑張って、私たちに沢山の癒やしを与えてくれています。
私たちの心に「あったかい桜」を咲かせてくれる、さくら。いつかそのことに気が付いて、ばす先輩ともらぶお兄ちゃんとも違う「さくら色の桜」を満開に咲かせる日が来てほしいと、心から願っています。
さくらの成長を見守ってきた本連載も、次回でいよいよ最終回。果たして彼女は「さくら色の桜」を咲かすことはできるのだろうか?
取材・文=石川知京