1年の中でも最も猫に注目が集まる日と言っても過言ではない、2月22日の「猫の日」。猫といえば私たちにとって身近な動物だが、「気まぐれで何を考えているのかわからない」というイメージを持つ人も多いのでは?しかし猫の行動やしぐさには、彼らの気持ちを読み取るうえで重要な、たくさんのヒントが隠されている。本記事では、猫のスペシャリストである東京猫医療センター院長・服部幸先生の解説のもと、意外と知られていない猫の生態をご紹介。感情が表れやすい体の部位から、病気を早期発見するために知っておきたい要注意行動まで、愛猫家必見の情報をお届けしよう。
猫の本音はここに表れる!注目ポイントや行動の真意を解説
しっぽでわかる猫の気持ち
昔から猫は「何を考えているかわからない」と言われることが多いですが、猫と一緒に暮らしたことのある人は、これが間違いであると知っているはずです。犬ほどではないですが、猫も十分気持ちを表すことができる動物です。とはいえ、猫のことをあまり知らない人にとっては、やはりわかりにくいもの。猫の気持ちを読み取るひとつの方法は、しっぽです。犬はうれしいとしっぽを振りますが、猫はそうではありません。ブンブンと大きく振っていたら、むしろ機嫌が悪いです。そのほかの感情も、しっぽの状態により、判断することができます。まずはしっぽの向きや動きから、猫の気持ちを探ってみてはいかがでしょうか。
(1)立っているとき→水平かやや下方に伸びている状態(通常時)
(2)座っている場合→床に伸びた状態(通常時)
(3)上にピンとたてる(ごきげん/うれしい)
(4)しっぽをくねくねする(興味がある/わくわく)
(5)しっぽをゆっくりと大きく振る(リラックス/ごきげん)
(6)真上にたてて先だけ曲げる、しっぽをくねくねさせる(遊んでほしい/かまって)
(7)しっぽを太くし(膨らませ)てたてる(攻撃態勢/威嚇)
(8)前足を隠すようにしっぽを体に巻き付けている(寒い/警戒)
(9)しっぽを左右に激しく振る(イライラ)
(10)しっぽの根元が上がり、先が垂れる弓なり(怒ってる/攻撃するかも)
(11)足の間にしっぽを挟んで隠す(恐怖)
(12)しっぽがだらーん(しょんぼり/続く場合は体調が悪い可能性)
※すべての猫に当てはまるわけではありません
耳とヒゲでも感情を表現
猫の気持ちを知るうえで、もうひとつポイントとなるのが、耳とヒゲの向きです。猫はこれらを使って「それ以上近づかないで」と訴えたり、「好きだから近くに来てもいいよ」と伝えたりしてくれます。これを間違えると、「せっかく撫でてあげているのに噛まれてしまった」なんてことが起こるかもしれません。唸り声などでアピールする猫もいますが、このときの表情を見逃さないようにしてください。耳が前を向いている場合は、その対象物に興味がある時です。耳を伏せていたり、後ろ向きだったりする場合は、防御の気持ちが大きいため、タッチNGです。
※すべての猫に当てはまるわけではありません
抱っこしていると怒って噛みつく
気持ちよさそうに抱っこされていた猫が、いきなり噛みつき、驚いた経験はないでしょうか。このような猫の行動を、愛撫誘発攻撃行動といいます。人間は「いきなり噛まれた」と思うかもしれませんが、多くの場合、猫の嫌がるサインを見逃しているのです。自由を奪われるため、猫は基本的に抱っこされることが好きではありません。大好きな家族であれば、抱っこすることは可能ですが、抱っこされているうちに猫も少しずつ飽きてきます。耳を後ろにそらしたり、しっぽを振ったりしていたら、飽きてきたサイン。我慢の限界が来ると、攻撃してしまいます。猫の嫌がるサインを人間が見逃すと「いきなり」と思ってしまうのです。
仕事の邪魔をするのは「かまって」アピール
猫はひとりが好きな動物と思われるかもしれませんが、そうでもありません。ずっと家の中で育った猫は人が大好きです。仕事をするためにノートパソコンを準備したり、新聞を読もうと広げたりしたら、猫が寄ってきて邪魔をする、なんてことはよくあります。それは猫が「僕のこと無視しないでねー。ちゃんとかまってねー」と言っているのだと思います。
こんな時は要注意!見落としがちな病気のサイン
水をたくさん飲む
猫が水をたくさん飲んでいる姿を見て、健康的だと思う飼い主さんも多いかもしれませんが、実はそうではありません。基本的には尿の量が増えて、水分が体から喪失すると喉が乾き、水を飲むという流れになります。つまり、水をたくさん飲むということは、尿が増えている状態なのです。尿量の増加に伴い、飲水量が増える代表的な病気は、慢性腎臓病や糖尿病、甲状腺機能亢進症など。特に慢性腎臓病は猫に最も多い病気のひとつであり、注意が必要です。
トイレ(排尿)の回数が多い
普段よりもトイレの回数が多い場合、病気が疑われます。原因は大きく分けて3つあり、1つ目は尿の量が増えているためです。詳しくは前項の「水をたくさん飲む」を参照してください。2つ目は、膀胱結石や膀胱炎など、膀胱に刺激があるケースです。膀胱炎の場合、残尿感が強いため排尿してもトイレに行きたい状況が続き、何度もトイレに行きます。3つ目は尿道閉塞です。尿道とは膀胱に溜まった尿が出る管です。その部分に結石や細胞、血の塊が詰まってしまうと、物理的に尿が出せなくなってしまいます。尿が溜まっているのに出せないため、苦しいです。トイレに入り尿を出そうとしますが、排尿できないため、何度も行くことになります。
トイレ以外でおしっこをする
猫がトイレ以外でおしっこをする場合、ついつい「この子は行儀が悪い」と叱ってしまうかもしれませんが、実はトイレ以外で尿をする理由は大きく分けて2つあります。可能性の1つ目はトイレが気に入らないというもの。猫はトイレにこだわりがある動物です。そのためトイレが気に入らないと、トイレ以外で排尿します。具体的にはトイレ容器が小さすぎる、カバーがかかっている、トイレ砂が気に入らないなどです。もう1つは病気の可能性が考えられます。膀胱炎や膀胱結石があると、常におしっこがしたい状態になります。そのため間に合わず、トイレ以外でおしっこをしてしまうことがあります。特に猫はストレスが原因の膀胱炎が多いです。また、高齢になると関節炎が増えます。関節に痛みがあるとトイレのふちを乗り越えることができなくなり、トイレ以外で排泄してしまうことがあります。
歩き方が変
先ほど述べた通り、猫も歳をとると人間同様に関節炎が増えます。高齢猫の90%が関節炎に罹患しているというデータもあります。関節炎が起こりやすい部位は、肘、手首、膝が有名です。関節炎が起こると痛いため、その足を庇って歩くようになります。ただし、関節炎の猫の大多数が、足を庇う歩き方をするかというと、そうではありません。庇って歩くのは、左右に痛みの差がある時に起こる現象です。左右同じように痛い場合は、どちらかを庇って歩くことはできません。同じくらいの場合は、ゆっくり歩くようになったり、ジャンプしなくなったり、寝ている時間が長くなったりなどの症状が出ます。これらの症状は病気ではなく加齢のせいにされがちなので、見逃さないようにしましょう。
食欲はあるのに痩せる
何らかの病気により、食べなくて痩せるのは動物として当然です。そうではなく、食べているのに(むしろいつもよりも食べているのに)痩せることがあります。このような場合に考えらえるのが、食べたエネルギーをうまく使うことができない糖尿病、食べたエネルギーを使ってしまう悪性腫瘍(がん)、甲状腺機能亢進症などの病気で、これらは高齢の猫に多く見られます。ダイエットしていないにもかかわらず、猫の体重が5%以上減る場合は、何らかの病気の可能性があるため注意してください。
意味もなく鳴く
食べ物が欲しいときや扉を開けて欲しいとき、甘えるときなど、猫も自分の意思を伝えるために鳴くことがあります。しかし、無目的に天井など一点を見つめて吠えるように鳴く場合は、注意が必要です。この行動は、高血圧や甲状腺機能亢進症、認知症などでも起こるとされています。高齢猫にこのような行動が見られる場合は、動物病院を受診してください。
隠れて出てこない
猫は野生の世界では弱い存在です。野犬やオオカミ(日本にはもういませんが)のエサになってしまいます。そんな猫は、体調が悪いことを極力隠そうとします。具合が悪くなると、できるだけ人の目を避けるようになるため、押し入れやダンボール箱など隠れられる場所に入ることがあります。そのようなときは病気の可能性があるため、念のため動物病院を受診してください。
よだれが出る
人はおいしいものを見てよだれが出る、なんてこともあるかもしれません。しかし猫によだれが見られる場合は、口の中にトラブルがあることが多いです。歯石が溜まっているケースのほか、歯肉炎、歯周病などの病気が考えられます。猫も人と同じように歯を磨かないと、歯肉炎や歯周病になってしまうのです。また、口腔内はがんができやすい場所でもあります。口腔内扁平上皮癌というがんは下顎にできやすく、最初の症状がよだれということも多いので、注意が必要です。
月々830円から加入できるプランも!au損保「ペットの保険」
上記のような行動が愛猫に見られ、動物病院を受診して病気が見つかった場合、当然のことながら治療費が発生することになる。人間のように健康保険制度がないペットの場合、治療費は基本的に全額自己負担になり、驚くほど高額になることも。そんなとき、治療費の一部を補償してくれるペット保険に加入していると、家計へのダメージをおさえられるだけでなく、治療の選択肢が広がるなど、多くのメリットがある。
au損保のペット医療費用保険「ペットの保険」では、入院・手術・通院をカバーする「通院ありタイプ」と、入院と手術に特化した「通院なしタイプ」の2種類を提供。月々の保険料は「通院ありタイプ」の場合、犬が1700円〜、猫が1600円~。「通院なしタイプ」は犬が860円~、猫が830円~となっている。
(※犬は「犬A(主に小型犬)、2歳、50%コース」、猫は「2歳、50%コース」の場合)
また、「ペットの保険」ならではの特徴として、年間の保険金支払い限度額の範囲内であれば、1回あたりの支払い限度額がなく、支払い回数も無制限という点が挙げられる。さらに、保険金を請求する際の手続きも、簡単かつスピーディー。書類作成や診療明細書の郵送といった面倒な作業は必要なく、診療明細書と領収書をスマホで撮影し、アプリから送信するだけで、請求が完了する。
金銭面だけでなく、飼い主の心に寄り添うサービスが充実しているのも魅力だ。病気の可能性がある行動に気づいた場合、すぐに動物病院へ連れていくべきなのか判断を迷ったり、不安に駆られたりすることもあるだろう。そんなとき、頼りになるのが「かかりつけ獣医師ダイヤル」。「ペットの保険」には同サービスが付帯しており、24時間365日、いつでも獣医師に無料(通話料は契約者負担)で電話相談ができるのだ。
大切な愛猫と暮らす日々に、安心を与えてくれるペット保険。「猫の日」というこの機会に、加入や見直しを検討してみてはいかがだろうか。
募集文書番号:BS0221564(2402)