キャンパーがハマる「ブッシュクラフト」の魅力とは?あえて整備をしない専用のフィールドにも注目

2022年11月16日 08:00

キャンプなどの外遊びを楽しむ人が増え、そのスタイルも多様化している。そんななか、キャンパーから熱い視線が向けられているのが“ブッシュクラフト”だ。

“ブッシュクラフト(bush craft)”は、一般的に英語で「自然の中で生活するうえでの知恵・技術」を意味する。キャンプにおいては、自然の中に最低限の道具だけを持ち込んで、必要なものはその場で作るなど、不便さも含めて楽しむアウトドアスタイルを指す。近年はそんなブッシュクラフトが体験できるキャンプ場や専用フィールド、イベントなども増えつつあり、外遊びの楽しみ方の1つとして注目されている。

自然の中で不便さも含めて楽しむアウトドアスタイル「ブッシュクラフト」photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA

2020年7月には、岐阜県恵那市に貸切ブッシュクラフト専用フィールド「ブッシュクラフト岐阜恵那」がオープン。同施設は、場所を含めた詳細情報を利用希望者のみに案内する“非公開”の形で運営。電気や水道などの設備は一切なく、整備されたキャンプ場ではない野外に泊まる“野営”スタイルを楽しみたいキャンパーに向けた穴場スポットとして密かに人気を集めている。

「ブッシュクラフト岐阜恵那」代表の林修司さんphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA

そんな同施設が2022年11月1日、ブッシュクラフトをもっと気軽に体験できる“情報公開型”のフィールド「天空の森 野営キャンプフィールド Bushcraft HOKO」を新たにオープンさせた。そこで今回、同施設代表の林修司さんに、ブッシュクラフトの魅力や楽しみ方、運営しているフィールドについて話を聞いた。

「ブッシュクラフト岐阜恵那」は“秘密基地”をテーマに、詳細は非公開で運営しているphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA

自然との一体感を最大限満喫できる「究極のキャンプ」

ーー まず初めに、ブッシュクラフトとは何ですか?

【林さん】ブッシュクラフトは、自然の中に最低限の道具だけを持ち込んで過ごす“野営”スタイルの野遊びです。ナイフやロープの使い方などの知識を生かし、その場にある自然の素材を活用して自然との一体感を楽しむことが、ブッシュクラフトの最大の魅力だと思っています。

ーー ブッシュクラフト専用フィールド「ブッシュクラフト岐阜恵那」をスタートさせたきっかけを教えてください。

【林さん】私は岐阜県恵那市出身で、山の麓で育ちました。自分にとって野山は幼い頃からの格好の遊び場で、訪れるたびに新しい発見があり、ワクワクさせてくれます。しかし日本では地権にまつわるさまざまな取り決めがあるので、誰でも自由に野山に入って遊べるというわけではないのが現状です。日本でキャンプをしたいと思ったら、キャンプ場以外の選択肢はほぼありません。

「ブッシュクラフト岐阜恵那」で提供しているフィールドの一例(C)ブッシュクラフト岐阜恵那

しかし一般的なキャンプ場はプライバシーの確保が難しく、残念ながら騒音などの利用マナーも問題になることがありますよね。「せっかくの休日に癒やしを求めてキャンプ場を訪れたのに、キャンパーのマナーが悪く逆にストレスが溜まってしまった」という残念な声も時折耳にします。そんな方々に向けて、完全にプライベート感が確保ができ、かつ自然との一体感を最大限満喫できる究極のキャンプフィールドを作りたいと考えたんです。

そこでブッシュクラフト専用のフィールド「ブッシュクラフト岐阜恵那」を立ち上げました。

ーー 「ブッシュクラフト岐阜恵那」はどのような場所ですか?

【林さん】一般的なキャンプ場にあるような電気や水道、トイレなどの設備は一切なく、いわゆる“野営”ができる場所です。現在、岐阜県恵那市とその周辺を中心に22フィールドを用意しています。

「ブッシュクラフト岐阜恵那」で提供しているフィールドの一例(C)ブッシュクラフト岐阜恵那

種類はざっくり分けると「平地フィールド」と「林間フィールド」の2種類。それぞれ場所も個性も異なるのですが、どのフィールドもテントを張れる平らな場所があります。フィールドによっては沢があったり竹林があったりと、ロケーションもさまざまです。例えばある平地フィールドは小高い丘の上にあり、眺めがいいので天気がよければ朝日や夕日、星空などが楽しめます。

フィールドのレベルはイージー、ミディアム、ハードに分け、宿泊される方のニーズに対応できるようにしました。

ーー フィールドの情報を非公開にされているんですよね?その理由を教えてください。

【林さん】はい、「ブッシュクラフト岐阜恵那」は“秘密基地”を最大のテーマに展開しているので、詳細情報は宿泊希望の方からお問い合わせいただいた後にご案内するようにしています。プライバシーを確保し、宿泊者以外の方がその場所を訪れることがないように、という配慮のためです。SNSでも位置情報などは発信しないようにお願いしています。

「ブッシュクラフト岐阜恵那」で提供しているフィールドの一例(C)ブッシュクラフト岐阜恵那

ーー どのような方が利用されていますか?

【林さん】熟練のキャンパーが多いと思われがちですが、実はキャンプ初心者の方にもご利用いただいています。年齢層は若い女性から定年を超えた年配の方までと幅広いですね。

ーー 訪れたみなさんは、どんな風に過ごされているのでしょうか?

【林さん】一般的なキャンプ場でルールとして定められているような、ほかのお客様に対する配慮は必要ありませんので、普段経験できないような自由を満喫していただいています。それぞれのフィールドは周囲の民家などから十分な距離が保たれているので、深夜まで会話を楽しんだり作業したりすることもできます。

初心者は木の枝とナイフを使ってペグ作りから始めるのがおすすめだそうphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA

ーー 初めてのブッシュクラフトで道具を作るとしたら、何がいいですか?

【林さん】初めての人におすすめなのは、タープやテントを張る際に必要なペグ作りですね。木の枝とナイフがあれば、簡単に自作することができます。ブッシュクラフト上級者になると、椅子やテーブル、ベッドを作る方もいらっしゃいますよ。その場で作れるものが増えれば、持っていく荷物が減るのがいいですよね。

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