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キャンプといえば、山や川、森など雄大な自然の中で楽しむもの…。そんな思い込みはもったいない!キャンプブームの裾野が広がった今、キャンプ場のスタイルや楽しみ方も、実に多様化しているのだ。廃校をリノベーションした施設「Ready to Flight! NARITA(レディトゥフライトナリタ)」も、そんな個性派キャンプ場の一つ。学校が舞台のキャンプっていったいどんなもの…!?気になる魅力を取材してきた。
【アクセス】空の玄関口・成田に位置し、都心からもかなり行きやすい
「Ready to Flight! NARITA」があるのは、国際空港を有する千葉県成田市。廃校になった旧久住第二小学校を、空港利用者の宿泊や部活動の合宿などができるゲストハウスとして、2019年に再生。さらに2020年には校庭部分をキャンプ場としてオープンした。
東関東自動車道・成田ICより車で約15分。ちなみに成田空港からも約15分と至近だ。電車の場合は、JR成田駅から送迎サービスもあり、所要時間は30分ほど。施設の近くにコンビニはないので、食料品などは事前に調達してから向かおう。道中に車で立ち寄るなら、イオンモール成田(成田ICより10分、施設より13分)がおすすめ。
成田ICから、ゴルフ場横の雑木林に囲まれた道を通って施設へ。「成田市立久住第二小学校」の正門から車でそのまま乗り入れOKだ。
こちらの小学校は1873年創業で、校舎は1971年に建て替えられたものだそう。重厚な門構えや手入れされた植栽、さらに二宮金次郎の銅像で佇み、昭和時代の小学校にタイムスリップしたような気持ちになる。
【コンセプト】学校×キャンプの融合に、「大人は懐かしく、子供はわくわく」!
昭和の面影が色濃く残る校舎へ向かうと、入口には「生ビール」「サウナ」ののぼりがはためき、ギャップがおもしろい。ここがキャンプ場だということをようやく実感。
校舎に入るとすぐ右手にある部屋は、元職員室を活用したフロント兼オフィス。白ポロシャツのユニフォームを着た所長の石井康雄さんとスタッフの小川千晶さんが出迎えてくれた。
まさに、校長先生と教師といった趣きのおふたりに、こちらの施設が誕生した経緯について伺うと、「この小学校は2011年に廃校になり、5~6年ほどはそのままになっていました。何か有効活用ができないか、という成田市の呼びかけを受けて、2019年にゲストハウスとして再生させたんです。空港のある街であることから、『旅の準備をする宿』がコンセプトでした」と石井さん。
ところが、開業してまもなくコロナ禍となり、施設の利用客が激減したなかで思いついた新たな試みが、屋外で密にならずに楽しめる「校庭キャンプ場」だったという。
「校庭でキャンプをするという非日常感が受けて、すぐに話題となりました。校舎の外観や下駄箱、教室、家庭科室など、学校の空間はそのまま残しているので、大人はノスタルジーに浸れて、お子さんは『普段勉強する場所で泊まる』こと自体が刺激的なようですね」(石井さん)
フロントには、事務所のほか利用客の共有スペースも併設。休憩できるテーブルやイス、生ビールやドリンクの販売、駄菓子コーナーまで充実している。スタッフもオンタイムで常駐しているので、困った時はこちらを訪ねよう。