資産形成において、なぜ投資よりもまず節約が大事なのか。年収200万円台時代の「お金との向き合い方」/FIRE達成3児の父に聞く節約と投資

2023年6月22日


「節約」と「投資」のダブル運用が最強

節約して余剰資金ができたところでいよいよ投資へと進みますが、ここで重要なのは、 節約も同時進行させること です。言わば投資は攻め、節約は守りといったイメージです。「節約して貯金する」という行動では、利率が低いため資産はほとんど変わりません。

一方で、「節約して投資する」という行動は、年によって上がり下がりはあるものの、長期でみると安定した利率を見込めます。しかも、利益を再投資すれば、長期になればなるほど複利の効果を得られることができます。資産形成において、節約と投資のダブル運用はマストと言えるでしょう。

さて、投資にもいろいろ種類がありますが、私は低コストの株式インデックス投信を長期運用することにしています。インデックス投信は市場平均と同じようなリターンを見込むことができます。

歴史的に見ても、世界の株価は長期的には上昇し続けています。これからも世界の人口は増加傾向であり、人間に「豊かな生活を送りたい」とか「便利なものやサービスを利用したい」という向上心がある以上は、今後も株価は上昇を続けていくと予想しているからです。

また、金融会社にもよりますが、インデックス投信は100円からでも投資が可能です。投資を始められる方は最初のうちは不安だと思います。そんな方には少額から始められることも魅力です。「NISA制度」を使えるものも多数ありますし、投資の入口としては適しているかと思います。私自身も最初は不安がありました。そこで、投資は少額から始め、慣れてから徐々に投資額を増やしていった形になります。

それでは、経済的自立を達成するために具体的にはどのくらいの金額を投資に回すといいのか、と疑問に思われる方もいるでしょう。できるだけ早く経済的自立を達成したい場合についてお話ししますと、まず節約は徹底的に行い浪費をゼロにします。そして、生活防衛資金以外に貯金はせず、すべて投資に回すようなイメージです。

収入が上がったら、その分を投資に回します。もちろんボーナスが入ったからといって何かを買ったりすることはせず、3つのお金の区分に従ってできるだけ投資に充てます。手取り収入が増えても、支出は増やさないことが鉄則です。

そのような方法で 私の場合は最終的に、年間手取り収入の半分は投資に充てるようになっていました。 消費以外はすべて投資に回すイメージになります。極端な例を挙げると、手取り収入20万円で生活費10万円の場合であれば、残り10万円をすべて投資に回すイメージです。

具体的に、節約したお金を投資した場合、どれくらい利益がでるのか、計算してみましょう。仮に月2万円の節約ができたとします。格安スマホに変更したり、電気の契約会社を変更したり、付き合いで行っていた飲み会の回数を減らしたりなど、手段はいろいろあると思います。

月2万円だと、浮いたお金は年間24万円にもなりますね。これを投資に充てるのです。例えば、年利5%で運用できたとして、1年目は1万2000円の含み益が出ます。ここで大事な事は、この1年で得た利益を買い物などで使わないことです。つまり、この利益を次の年の運用額に含めます。

すると2年目の運用額は、1年目の節約&運用利益(24万+1万2000)で25万2000円と、2年目の節約24万円を合算した額、49万2000円となります。

これをまた5%で運用すると、2万4600円の含み益となり、2年目が終了した時点で51万6600円となります。ただ節約しただけでは、2年で48万円でしたが、2年間利益を再投資し5%で運用できたことで3万6600円増の51万6600円にすることができます。

この事実を知ってしまったら、節約と投資をやらずにはいられないでしょう。 今までは「節約は辛い」だったものが、「節約は楽しい」になるはずです。

「しあわせFIRE」(KADOAKWA)


※本記事は書籍『貯金ゼロの元浪費家・3児の父が子育てしながら成功できた しあわせFIRE』から一部抜粋・編集しました

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