丸岡城で特別なツアーを体験!食、自然、歴史…魅力あふれる福井県坂井市の観光地を一挙紹介

2024年1月22日

レトロモダンな「三國湊」でまち歩き

次に向かったのは、古きよき街並みが残る三國湊エリア。格子戸が連なる町家、豪商の面影が残る歴史的建造物など、情緒ある町並みを楽しむことができる。一時は取り壊しや撤収などの話も出ていた空き家や建物たちが、地域の人たちの「古いものを守りたい、後世に残したい」という想いに支えられ、リノベーションして活用することになったのだという。

旧森田銀行本店
1920年(大正9年)に建てられた、三国湊を代表する豪商のひとつである森田家が開いた銀行の本店で現在は有形文化財に登録されている。外観は西洋風のデザインで、中に入るとケヤキの一枚板で作られたカウンターや重厚な金庫の扉、窓枠や壁に施された象嵌(ぞうがん)など、贅沢で上品な内装が当時のまま残っている。応接間の中央にあるふかふかの椅子に座り、部屋中をゆったり見回してその美しさを堪能してほしい。また、なかでも吹き抜けの先にある天井に施された漆喰の装飾は見応え抜群。中央の部分は厚さ50センチもあり、2階から見るとその重厚感に驚かされる。

三国町随一の豪商森田家が創業した森田銀行。平成11年7月に三国町の文化遺産としてオープンした。入場は基本的に無料で、内外の意匠を楽しむことができる

営業室は広い吹き抜けになっており、天井を見上げると豪華な漆喰装飾が見られる


古民家ゲストハウス「詰所三國」
町家をリノベーションして建てられたこのゲストハウスは、もとは築百数十年の薬屋だった。その趣を残しつつ、現代的な快適性を備えた宿に生まれ変わった。一棟を縦に割り、左棟を「行雲」、右棟を「流水」と名付け、自宅のようにゆったりと過ごせるようにインテリアも含め隅々まで設計しつくされている。“おもてなしを受ける”のではなく、この街の住人のように思い思いの時間を過ごせる、味わい深い素泊まり宿だ。

アレックス・カーさんがプロデュースしたゲストハウス

趣のある吹き抜けリビングと和室を備えた左棟「行雲」、母屋と蔵の部屋でゆったりと過ごせる右棟「流水」。2部屋をつなげてコネクトルームとして1組で利用することも可能


■詰所三國
住所:福井県坂井市三国町南本町3-3-17
アクセス:「えちぜん鉄道 三国駅」より徒歩5分
詳細:【行雲】定員:4名/料金:2名の場合1人あたり1万1300円〜
   【流水】定員:4名/料金:2名の場合1人あたり1万4300円〜

このほかにも三國湊エリアでは当時のまま残され歴史を感じられる建造物や、古い町家などを利用したコンセプトショップが少しずつ増えてきている。さらに、2024年1月には新たな宿泊施設も完成予定だという。

禅の世界に触れる「永平寺」

曹洞宗の大本山「永平寺」は、寛元2年(1244)に道元禅師によって開かれた禅の修行道場。広大な敷地と70を超える諸堂を誇るが、今回はそのなかでも「絵天井の間」として知られる「傘松閣(さんしょうかく)」と、修行に欠かせない重要な建物である「七堂伽藍(しちどうがらん)」を案内してもらった。

「傘松閣」は別名「天井絵の大広間」と呼ばれ、天井には昭和5年当時の著名な画家144名による日本画230枚がはめ込まれている。ほとんどが花鳥風月を表しているなかで、夫婦円満の2匹の白い鯉、天まで昇る黒い鯉、口を開けている青い獅子、口を閉じている白い獅子、栗鼠(りす)の5枚を見つけて祈りを捧げると、願いがかなうと喧伝されている

七堂伽藍はお寺の主要な7つの建物を指し、それぞれが人体の構成を意識して配置されている。永平寺の場合は住職の説教の場所(法堂)が頭、釈迦(しゃか)の仏像を祭るお堂(仏殿)が心臓、食堂(庫院)が左手、修行僧の生活の場(僧堂)が右手、浴室が左足、便所(東司)が右足となっている


厳格な雰囲気と凛とした空気を感じながら、じっくりと参拝し禅の教えに心を傾ける。日常をしばし離れ、上質な時間を過ごしたい人には特におすすめだ。山深い地にあるこの場所は四季折々の景観の美しさも魅力。

永平寺でより禅の心に触れたい場合、早朝の朝課への参加、「坐禅体験」(予約不要、1時間程度)や1泊2日で坐禅を中心とした参禅研修を行う「一泊参禅」(要予約)の体験も可能


■永平寺
住所:福井県永平寺町志比5-15
時間:8時30分~16時30分(入場は16時まで)※季節により変更有
アクセス:福井駅東口から京福バス「特急永平寺ライナー」で直通約30分/えちぜん鉄道福井駅から勝山永平寺線で「永平寺口駅」下車、京福バス「永平寺門前行」または「永平寺行」に乗り換えて終点下車、徒歩5分
料金:拝観料 大人1人500円

福井の文化を伝える、日本酒と食のテーマパーク「ESHIKOTO」

2022年6月にオープンした複合施設「ESHIKOTO(えしこと)」は黒龍酒造を擁する石田屋二左衛門が創造したブランドで、お酒を核に、福井県を中心とした北陸の食や文化を伝えるために建てられた。「えし」とは古語で“良い”という意味で、福井の良い文化を伝える拠点として名付けられたという。また、逆から読むと「とこしえ」となり「永久の豊かな時間」という想いが込められている。建物の目の前には九頭竜川が流れており、春になると満開の桜が見られたり、夏には鮎が豊富に釣れるなど季節折々の風景が楽しめる。

四季折々の風景を一望できる絶景テラス。永平寺町の自然豊かな風景に心が洗われる


臥龍棟(がりゅうとう)
お酒の発酵・熟成をさせる建物「臥龍棟」の内部は高さ11メートルもあり、尖った天井はまるで教会のようなデザインと雰囲気だ。広い面積と洗練されたデザインを活用し、今後はさまざまなイベントを開催できるよう企画しているという。

樹齢200年の大きな杉の木を使って作られたカウンター

スパークリング日本酒が約8000本眠る貯蔵セラー「臥龍房」、壁や床には福井ならではの希少な笏谷石(しゃくだにいし)を使用している

※「臥龍棟」は通常、見学できません。今後イベント開催時に開放を予定しています

石田屋ESHIKOTO店
女優で陶芸家でもある結城美栄子さんによるアート作品が飾られる酒樂棟(しゅらくとう)には、「石田屋 ESHIKOTO店」とレストラン「Apero & Patisserie acoya」の2棟が併設されている。今回は日本酒のテイスティングもできる「石田屋 ESHIKOTO店」で、3種類のおすすめをいただいた。

左から「ESHIKOTO」シリーズの「AWA Limited」「永 五百万石」「梅酒13」


テイスティングは45ml×3種類 1800円。1種類600円でも試飲可能となっている。また酒コーナーには15種類以上ものお酒が並んでおり、旅の思い出や大切な人へのお土産、贈答品にもぴったりな1本が見つかること間違いなしだ。

■ESHIKOTO
住所:福井県吉田郡永平寺町下浄法寺第12-17
時間:各店舗に準じる
アクセス:JR福井駅から車やタクシー・レンタカーで約30分/えちぜん鉄道 勝山永平寺線「永平寺口」駅で下車、タクシーで約5分
※毎週水曜日・第1.3.5火曜日は閉館日/入場は20歳以上/ペットの同伴不可

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