長男との別れを描いたエピソードにウルウル…!!
――漫画を読んで、印象的だったエピソードは?
らぶくんがぴーちくんとさくらちゃんを誘って、空の鉄道の旅に出るエピソードです。あれは泣いちゃいます。劇場版「にゃん旅鉄道」は、亡くなった初代駅長のばすさんがこんなことを思っていたのではないか?という物語でしたが、今度はらぶくんが見守る番になったのかと思うと、ちょっと切なかったです。
――空の旅のエピソードは、著者のゆきよみさんも悩まれたと言われていました。漫画を読む方には楽しい気持ちになってほしいけれど、昨秋、亡くなったらぶくんとのお別れシーンを描かないとさくらたちが前に進めない。なので、とても試行錯誤されて描いたそうです。
らぶくんの「寂しくなったらお空を見上げてごらん」というセリフを見たときは、読者としてうれしくなりましたし、こうして芦ノ牧温泉駅の物語は継承されて、紡がれていくのだなと思いました。
――確かに「にゃん旅鉄道」は、初代のばす駅長から“つながる”ことが一つのテーマになっているように感じます。ほかにも印象に残っているシーンはありますか?
ちょっと笑っちゃったのが、秋になるとあらわれるカマキリについて、ぴーちくんがさくらちゃんに「秋の味覚」と説明するシーンです。それを読んで、昔飼っていた子がセミを食べていたことを思い出して、くすりと笑ってしまいました。すごく野生的な子だったんです。それから、猫たちが雪に埋もれているシーンも印象的でした。
――猫は寒がりのイメージでしたので、雪の中を歩いていることが意外でした。
私も猫はこたつで丸くなったり、人で暖をとったりするイメージだったので驚きました。しかもばす駅長もらぶくんも、冬でもホームを渡って、電車の確認に向かうんです。ちゃんと駅長している!と驚きました。